ペアリングワイン

現地で人気!おすすめワインペアリング~サンジョヴェーゼ編~

イタリアワインを代表するブドウ品種といえば、サンジョヴェーゼ。イタリアで栽培量の最も多い黒ブドウです。

イタリアの赤ワインといえば、サンジョヴェーゼを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

今回は、サンジョヴェーゼのペアリングについてご紹介します。

サンジョヴェーゼとは

サンジョヴェーゼは、イタリア中部のトスカーナ州で主に栽培され、隣接するエミリア・ロマーニャ州、ウンブリア州、マルケ州でも栽培されています。

サンジョヴェーゼから造られるワインは、明るいルビー色で、スミレのようなフラワリーな香り、チェリーのような赤い果実の香りで、果実味と酸味の豊富な味わいが特徴です。

キャンティのリゾットとキャンティのペアリング

サンジョヴェーゼのワインといえば、「キャンティ」。世界で一番名前が知られているイタリアの赤ワインといってよいでしょう。キャンティは、イタリアのDOCG(統制保証原産地呼称)ワインのうちで最大の生産量を誇ります。

数多くのキャンティから好みのものを見つけるのは難しいかもしれません。そこで、まずおすすめするのが、ファットリア・セルヴァピアーナの「キャンティ・ルフィナ」。これは、サンジョヴェーゼの特徴である酸味を魅力的に表現しているクラシカルなキャンティ・ワインです。

キャンティ地方は、7つの地区に分かれています。キャンティ・ルフィナ地区は、フィレンツェの北東に位置する一番小さな地区です。標高が高いため、昼夜の温度差が大きく、きれいな酸味のあるワインとなります。

ファットリア・セルヴァピアーナの「キャンティ・ルフィナ」は、サンジョヴェーゼのピュアな味わいを楽しむことができるワインです。

サンジョヴェーゼのワイン、特にキャンティは、地元では毎日の食卓で飲まれるとても親しみのあるワインです。そんなトスカーナの人びとは、リゾットにもキャンティ・ワインを入れます。体が温まるリゾットは秋冬には欠かせません。キャンティ・ワインを飲みながらキャンティで煮たリゾットを食べる、それがキャンティ風です。

【キャンティ・ワインのリゾットのレシピ】

▼材料(2人分)
米…150g
キャンティ・ワイン…1カップ
玉ねぎ…1/2個
オリーブオイル…大さじ2
パルミジャーノチーズ…40g
パセリ…1束
ブイヨン(水1リットル、玉ねぎ1個、ニンジン1本、セロリ1片)

▼作り方
①ブイヨンを作る。鍋に水を入れ、皮をむいた玉ねぎとニンジン、セロリをまるごと入れ、沸騰させ、弱火で約1時間煮込む。
②別の鍋にオリーブオイルを熱し、みじん切りにした玉ねぎを弱火で約5分炒める。
③米(洗わない)を入れ、強火で約2分炒める。
④ワインを入れ、アルコール分を飛ばす。
⑤水分がなくなったら、①のブイヨン500mlを3回に分けて入れ、中火で煮詰める。(ブイヨンと野菜は余りますので、スープなどに使ってください。)
⑥米がやわらかくなったら火を止め、みじん切りにしたパセリとパルミジャーノを入れ、軽くまぜて出来上がり。

トスカーナの伝統料理とサンジョヴェーゼのペアリング

サンジョヴェーゼの酸味には、豚肉がぴったりです。豚肉の脂がサンジョヴェーゼの酸味と溶け合い、ワインもすすみ、箸(フォーク)もすすむという相乗効果でおなかも満足。

サルシッチャ(豚肉の腸詰)と白インゲン豆の煮込みは、トスカーナの伝統料理です。カジュアルなトラットリアでは、秋冬にとても人気のあるメニューで、家庭でもよく作られます。

【サルシッチャと白インゲン豆の煮込みのレシピ】

▼材料(2人分)
サルシッチャ…2本
煮た白インゲン豆…125g
ニンニク…1片
オリーブオイル…大さじ1
セージ…4枚
トマト缶…200g
塩胡椒…適量

▼作り方
①サルシッチャをフォークで刺し、8か所ほど穴をあける。
②熱したフライパンでサルシッチャの両面を焼く。
③サルシッチャをフライパンから取り出す。フライパンに残っているサルシッチャから出た脂をキッチンペーパーで拭きとる。
④同じフライパンにオリーブオイルとつぶしたニンニク、セージを熱する。
⑤ニンニクの香りが出てきたら、トマトを入れ、弱火で約5分火を通す。
⑥サルシッチャを⑤に入れ、約10分煮る。
⑦白インゲン豆を入れ、塩胡椒して約10分煮詰める。
⑧トマトの水分がなくなったら出来上がり。

サルシッチャとのペアリングでおすすめのサンジョヴェーゼは、モンテクッコです。2011年にDOCGに昇格した、近年注目されているワインです。

イタリアの最も偉大なワインのひとつであるブルネッロ・ディ・モンタルチーノを生み出すモンタルチーノ地区の南西に位置するエリアで造られます。キャンティより、チェリーが熟したニュアンスになり、酸味はおだやかです。

ポッジョ・トレヴァッレの「ポント・ルンゴ・モンテクッコ」は、ベリー系の果実の香りに加え、オーク樽の熟成からくるクローヴやカカオのニュアンスがあります。しっかりしたボディのワインですので、はっきりとした味わいのサルシッチャにぴったりです。

まとめ

いかがでしたか?秋冬は特に赤ワインがおいしい時期。
イタリアならではの、サンジョヴェーゼと伝統料理のペアリングをぜひ試してみてください。

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太田 由歌

イタリア在住ワインコーディネーター
2003年にフィレンツェに料理&ワイン留学。
2004年よりフィレンツェ在住。イタリアソムリエ協会ソムリエ資格保持。
トスカーナのワイナリーツアーを企画・主宰し、通訳案内もしている。
1日の終わりに、手作り料理とワインをペアリングすることが何よりの楽しみ。
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