ペアリングワイン

1000円以下で買えるおススメ赤ワイン7選

「ワインが飲みたい!」と思い立って、今すぐワインを買おうと思っても、近所にはソムリエさんのいるようなワインショップは無いし、やっぱり近所にあっていつでもすぐ買えるスーパーやコンビニで買うしかない…

でも、スーパーやコンビニの棚に並んでいるワインのどれが美味しい分からないし、なんとなくで選んで失敗することもしばしば…

そんなあなたのために、こちらの記事ではスーパーやコンビニで気軽に買える、千円以下のおススメの赤ワインを紹介します。

おすすめ赤ワイン1:その名の通りピッツアにぴったりの赤ワイン

▶︎ピッツア・ラヴァーズ NV ソチエタ・アグリコーラ・フォッサ・マーラ

原産国:イタリア
生産地:フリウリ・ヴェネチア・ジューリア
タイプ:赤・ミディアムボディ
品種:メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン
アルコール度:11.5%
容量:500mℓ

この手のマーケティング感溢れるワインは見掛け倒しで中身が伴っていないことも多いのですが、こちらのワインはちゃんと「あ、ピッツア食べたい」となる味です。その要因は嫌味の無い果実味の中に、フレッシュなハーブの香りの印象があるため。

トマトソース系のピッツアなら全般いけますが、特におすすめなのはマリナーラ。オレガノを効かせたところにピタッとはまります。

コロナ禍で内食が多くなっている昨今にあっては、デリバリーのピッツァとともにこのワインがともに届けられたら、感染を危惧して外食にわざわざ出る必要がなくなってしまう、そんな楽しみに溢れる赤ワインです。

おすすめ赤ワイン2:ソフトな飲み口の赤ワイン

▶︎カスティーリョ デ メナーラ テンプラニーリョ グランセレクション フェリックス・ソリス・アヴァンティス

原産国:スペイン
生産地:カスティーリャ=ラ・マンチャ
タイプ:赤・ミディアムボディ
品種:テンプラニーリョ100%
アルコール度:13.5%
容量:750mℓ

その昔、「赤ワインはポリフェノールがたくさん含まれているので健康に良い」という理由で、それまでワインに見向きもしなかった人々(特に高齢者)が、いきなり赤ワインを飲み始めるという現象が起こったことがありました。

薬効を期待してワインを飲むというのはいささか奇妙ではありますが、それによってワインの消費量が格段に増えたことは間違いありません。

ただ、赤ワインに馴染みの無かった方が飲むには、それまで流通していたワインはタンニンが強すぎたり、廉価で品質の良いものがなかったお蔭で、妙に甘い「国産」ワインが出回ってその消費量が増える分、数少ない「ちゃんとした」ワインはスーパーの棚から欠落してしまった、という事態に陥りました。

さて時代は変わり、癖のないソフトな飲み口の優しい赤ワインが800円で手に入れられるようになりました。薬効にだけ期待するのは本望ではないですが、今こそあの頃のポリフェノール云々でワインを飲んでいた方々に、「ただ美味しいから」というシンプルな理由でワイン活動を再開していただきたいものです。

おすすめ赤ワイン3:日常的に楽しめるボルドー

▶︎シャトー・グラン・パ

原産国:フランス
生産地:ボルドー
タイプ:赤・フルボディ
品種:メルロ70%、カベルネ・ソーヴィニヨン30%
アルコール度:13%
容量:750mℓ

私は国地域を問わずコストパフォーマンスに優れたワインを発掘することを一番の喜びとして感じるタチなので、はっきり言ってボルドーは敬遠していました。

というのも、2000年以降グレートヴィンテージと持て囃される度に、パーカーポイントが礼賛され、またチャイナマネーがワイン市場を席捲したことにより、ボルドーの特に格付けシャトーは価格がそれまでの何倍にも吊り上がってしまい、とても飲み物の域を超えてしまったからです。

それによりすべてのボルドーワインが高級であるように情報操作され、質と価格が伴わないものが多かったので、意図的に飲むことを避けていました。また同時にそれまでほとんど口にする機会のなかった国や地域から、魅力あふれるワインがどんどん出てきたこともボルドーから遠ざかった理由の一つです。

しかし、ボルドーを勝手に避けていたのは自分の方で、ちゃんと意識を持っている生産者は地に足をつけて確実なワイン造りをしていると考えさせられました。

格付けシャトーのような崇高さはありませんが、旧来のボルドーワインが持つ素朴な香りと豊かな果実味、そして上品なタンニンが楽しめる逸品です。

おすすめ赤ワイン4:この価格で味わえる上品なボルドー

▶︎レ・ヴィーニュ

原産国:フランス
生産地:ボルドー
タイプ:赤・ミディアムボディ
品種:メルロ80%、カベルネ・ソーヴィニヨン20%
アルコール度:13%
容量:750mℓ

美味しいワインとそうでないワインの差は紙一重のところかもしれない。廉価なボルドーワインは平板で芯が定まらないものが結構あるが、こちらのレ・ヴィーニュに関しては、ともすると他の大多数と同様に平板になってしまいそうなところをぐっと上品に昇華させ、そういったワインとは一線を画するような味わいに仕上がっています。

古き良きメドックやサンテミリオンの素晴らしさを知らず、盲目的に「金賞ボルドー」を選んでいる人々にとって、「ボルドーって銘醸地と聞くけれど、私には美味しいと感じなかった」みたいな意見をよく聞くことがあるが、それは非常に勿体ないことだと思ってしまいます。

そういった早合点は別にワインに限ったことでもなく、同じような例で言えば、博多にあるすべてのとんこつラーメンのお店が美味しいというわけでもないし、東大生が全てクイズ王というわけでもないというのと一緒です。

すべてのものを一つのカテゴリー内で同一の特性を持つものとしてまとめ上げてしまうのではなく、そのカテゴリーの中にある一つ一つを吟味していくことが、必要なのです。

おすすめ赤ワイン5:千円以下のカベルネ・ソーヴィニヨン決定版

▶︎カーサ・コレッタ カベルネ・ソーヴィニヨン

原産国:アルゼンチン
生産地:メンドーサ
タイプ:赤・フルボディ
品種:カベルネ・ソーヴィニヨン100%
アルコール度:13%
容量:750mℓ

ちゃんと酸がしっかり乗っていて、上品なカベルネ・ソーヴィニヨンであり、千円以下で楽しめるなら十分合格点だなというのが第一印象。

高価なカベルネは深遠さ、奥行き、構造といった立体的な造形美でそのクオリティを判断すべきですが、リーズナブルなカベルネにそこまで求めるのは酷で、もっと表面的な部分を求めるべきです。

一番重視するのは青臭さやケミカルさといったネガティブな要素が感じられないこと。そこを及第点とし、果実味や酸などを直感的に感じ取れることをプラスの要素として捉えてゆくことが大切なのではと思います。

高級ワインもテーブルワインも同じ評価軸で捉えるのは、無理があると思っています。カジュアルに楽しめるワインには、カジュアルさを想起させるイメージをボトルの中から感じさせることこそ、長く愛され続けるワインである秘訣ではないでしょうか。

おすすめ赤ワイン6:古き良きシラーズらしさ溢れる1本

▶︎ロックブルック シラーズ

原産国:アメリカ
生産地:カリフォルニア
タイプ:赤・フルボディ
品種:シラーズ76%、ルビーレッド15%、マルベック5%、その他4%
アルコール度:12.5%
容量:750mℓ

シラーとシラーズは似て非なるものだと思っています。フランスの北ローヌに端を発するシラーは本来、綺麗でエレガントなタイプの赤ワインを生み出す品種です。

近年、シラーズもそういったシラーの傾向に引っ張られるようエレガント系に向かっていっているように見られますが、シラーズに求めたいのは、昔ながらのオーストラリア産が持つイメージの、ブラックペッパーのようなスパイシーな香りと、時にジャミーとも表現される濃厚な黒系ベリー類の果実味。

このシラーズは落ち着いた印象ながらも、果実味たっぷりでタンニンもしっかり。千円以下で楽しめるシラーズとしてはかなり上出来と言えます。

おすすめ赤ワイン7:千円以下で楽しめるピノ・ノワール

▶︎ロックブルック ピノ・ノワール

原産国:アメリカ
生産地:カリフォルニア
タイプ:赤・ミディアムボディ
品種:ピノ・ノワール76%、メルロ9%、ルビーレッド5%、レフォスコ3%、マキシン・ルージュ3%、その他4%
アルコール度:12.5%
容量:750mℓ

ピノ・ノワール愛好家はブルゴーニュ以外の土地においてもブルゴーニュのようなテイストを求める傾向にあります。私は他のブドウ同様、その土地ごとの個性を尊ぶべきだと考えます。

ピノ・ノワールならば、アメリカのオレゴンにはオレゴンの良さがあるし、ニュージーランドのセントラル・オタゴだってブルゴーニュとはまた違う個性や魅力があるのです。

まして低価格のピノ・ノワールにブルゴーニュ感を求めるのは酷としか思えません。価格ありきで作られ、到底ピノ・ノワールには向いていないであろう土地で作られたものは茎っぽい、青っぽいニュアンスが感じられるものが大半です。でもピノ・ノワールで安いからという理由で売れてしまう。これは良くない傾向です。

その点こちらのピノ・ノワールは千円以下で買える決定版。先に言っておきます。エレガンスばかりをピノ・ノワールに求めてはなりません。「こういうピノ・ノワールもあるのね、でも確かにこれで千円以下なら納得だな。」そういう気持ちで臨んでほしい一本です。

おわりに

最後までご覧いただきまして、誠にありがとうございます。

かつては赤ワインというと、とにかくボディに厚みがあることや、フルボディであることが良しとされている時代がありました。

そして、千円以下で買えるようなリーズナブルな赤ワインにもそれを求められていましたが、高級ワインの模倣品のようなものばかりが乱立する結果を招いてしまいました。

人々の嗜好やワイナリーの方々のたゆまぬ努力の結果、「これで本当に千円しないの!?」と思わず唸ってしまうような、濃厚さばかりを求めない赤ワインがどんどん生まれています。

ですので、こちらの記事で紹介したワインを筆頭に、次々といろいろな種類のワインにチャレンジしていただきたいです。

あなたのワインライフがより豊かになることを願っています。

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秋元 賢介

日本ソムリエ協会認定ソムリエ
大手ワインショップや個人経営のワインショップの店長として、通算15年に渡り店頭にてワイン販売に従事。現在はナチュラルワイン専門のインポーターにて営業職。専門用語を如何に使わずにワインの魅力を一般消費者に伝えるかと、有名無名に関わらず安くて美味しいワインの発掘に腐心し続けている。
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