ペアリングワイン

1,000円以下で買えるおススメ白ワイン7選

ワインを飲むときはいつだって美味しいワインを飲みたいと思うのは当然ですが、いつも高価なワインばかり買えるほどお財布の中身に余裕がない…

でもスーパーやコンビニで買えるような安いワインはハズレばかりなので、本当に美味しいワインを飲もうと思ったらやっぱりある程度の出費は仕方ない…

このように思っている方はかなり多いのではないでしょうか?

そこで、年間3000本以上のワインを試飲する筆者が自身の舌で納得した、冷蔵庫に常備しておきたい千円以下の白ワインを紹介します!

おすすめ白ワイン1
リーズナブルで美味しいオーガニック

▶︎パブロ・クラロ シャルドネ ドミニオ・デ・パンクタム

生産地:スペイン・ラ・マンチャ
タイプ:白・辛口
品種:シャルドネ100%

よく、「オーガニックワインは美味しくない」という方がいますが、その美味しくないという理由は、慣行農法のものに比べると凝縮感に欠けるからということが多く聞かれます。

実際、商業的にオーガニックを標榜するワインには、オーガニックであることばかりが前面に出て、その中身について触れられることは二の次になっているケースが多く感じられます。

その点こちらのワインは、ビオディナミ&オーガニック農法を実践しつつもすっきり辛口で飲み口は優しく芯はしっかりとしているので、薄っぺらいような印象は受けません。

品種はシャルドネですが、いわゆる南国系トロピカルフルーツや樽感とは無縁で、品種の個性というよりはとにかく日常用に楽しめる飲み飽きしない白ワインを作ろうという意図がよく見て取れます。

オーガニックやサステナブルが主流となってゆく今後のワインの世界においては、単純にそれを標榜するだけでは不十分で、中身がしっかりと伴っているかを消費者は判断する必要がある時代が来ていると、非常に感じます。

おすすめ白ワイン2
難しくペアリングを考えなくてもOKな1本

▶︎カスティーリョ デ メナーラ ソーヴィニヨン ブラン フェリックス・ソリス・アヴァンティス

生産地:スペイン・カスティーリャ=ラ・マンチャ
タイプ:白・辛口
品種:ヴェルデホ、ソーヴィニヨン・ブラン

私自身オーガニックワインに対しては「オーガニックワインだから美味しいという訳ではなく、美味しいワインがたまたまオーガニックだった。」という姿勢であるべきだ、という信念を持っておりますが、このワインはまさにその理念を体現しているような一本です。

すっきりと柑橘系の優しくフルーティーな口当たりで、また「安ワイン」にありがちなネガティヴな要素も見当たらず、そのうえ食事との相性を考えなくてもよく、水替わりにするすると飲めるので日常の食卓にぴったり。

ワインを難しくしている要素の一つとして、フードペアリングを考えなくてはならないという部分がありますが、ビールやハイボールを飲むときは、甘いものなど「これをつまみにビール飲んでも美味しくないだろうな」と容易に想像のつくもの以外はペアリングなど考えることはありません。

そのくらいの感覚で、合う料理を探すよりも合わない料理を探すことがペアリングの第一歩となるような、そんなお手軽ワインです。

おすすめ白ワイン3
冷蔵庫に常備しておきたい1本

▶︎シン・マール シャルドネ ボデガ・エル・エステコ

生産地:アルゼンチン
タイプ:白・辛口
品種:シャルドネ100%

毎日の食卓に、上品にではなくガブガブと飲むことが相応しい白ワインです。

千円以下のワインはどれだけ美味しいかを求めるかよりも、「どれだけ美味しくないと感じるネガティヴな要素がないか」を探すことに焦点を定めるべきだと私は考えますが、その点でこちらは及第点。

美味しくないと感じるワインをけなすよりも、「この価格でこの味なら十分」と感じられる喜びを噛みしめるべきだと思っております。

そしてこのラベル。なんだかレトロっぽいところもあり、派手さはないものの印象深く、一度目にしたら忘れることはないであろうものなので、ワイン自体の名前は覚えていなくとも、スーパーマーケットに行って「あのワイン」とすぐ思い出せるのがリピート買いするためのポイントとなることでしょう。

スーパーマーケットワイン、というとワインのヒエラルキーで価格面では最も低層に位置することは間違いありません。それを卑下する人はグランヴァンも何もかも同列に見てしまうので、安ワインの一言で済ませてしまいます。

価格ありきでいろいろな制約があるからこそのクリエイティビティが生まれる、マーケティングの賜物といえるワインが裾野をばっちり支えているのです。

おすすめ白ワイン4
安旨ワイン界のトップに君臨する白

▶︎コノスル ゲヴュルツトラミネール ビシクレタ レゼルバ

生産地:チリ
タイプ:白・辛口
品種:ゲヴュルツトラミネール100 %

安旨ワイン界の銀河系集団コノスルのエントリーレベル、ビシクレタ(スペイン語で自転車の意)シリーズ12種類の中で、一番美味しいのはどれかと言われれば、私はゲヴュルツトラミネールをNo.1に挙げたいです。

コノスル・ビシクレタシリーズの素晴らしさは、信じられないほどの低価格でありながらも綺麗で上品な作りをしており、さらに各品種の特性がしっかりと感じられること。

個人的には品種に重きを置いてワインを選ぶことを最重要点とはしていませんが、品種名を冠したワインにおいては、その品種特性をしっかりと表現しているところに意義があると思っています。

ゲヴュルツトラミネールという覚えづらく発音しづらい名前から、一般の方にはさほど馴染のない品種ではありますが、ライチのような芳香とどことなく東洋的なエキゾチックな味わいで、ワインのプロの中では非常に人気のある品種です。

おすすめ白ワイン5
リースリングの素晴らしさに目覚める1本

▶︎コノスル リースリング ビシクレタ レゼルバ

生産地:チリ
タイプ:白・やや辛口
品種:リースリング100%

安旨ワイン界の銀河系集団ともいえるコノスルですが、その中でもエース格の一つがこのリースリング。難しいことを言わせてもらうと、このリースリングはタイプでいえば南オーストラリアのクレア・ヴァレーに近いです。

リースリングの産地といえばフランスのアルザスやドイツのラインガウをまず思い浮かべますが、それらのリースリングは冬の厳しさを感じさせる、静謐さを秘めているタイプ。どちらかといえば寒い時期に楽しむ方がベター。

それに対しクレア・ヴァレーは涼やかで爽快な感じ。ペトロール香(石油のような香り)が強く、夏に楽しみたいタイプ。

リースリングが好きという方は前出のヨーロッパのものだけで終わってしまうことがあるので、南半球のリースリングに目を向けることでその世界はさらに開ける、そのための足掛かりとしてコノスルから入ってもらえたらよいなと思います。

おすすめ白ワイン6
赤だけじゃない!ボルドーの白

▶︎シャトー・ムゼン・ブラン

生産地:フランス・ボルドー
タイプ:白・辛口
品種:ソーヴィニヨン・ブラン100%

ソーヴィニヨン・ブランの銘醸地と言えば、フランスのロワールとニュージーランドのマールボロが筆頭に挙げられ、夏草のような香りとシトラス系の爽快な酸味が溢れるタイプの味わいを想起します。

フランス・ボルドーもその銘醸地に挙げられる産地であることに間違いありませんが、近年では低単価の白は売れないからという理由で白ブドウの樹を引っこ抜き、より販売につながる黒ブドウの樹に植え替えていると聞きます。

ロワールやマールボロのような性格のはっきりとしたソーヴィニヨン・ブランと違い、ボルドー・ブランには控えめで優しい性格なので、追いやられてしまうのも仕方がないことかもしれません。

しかし毎日寄り添いたいのはこういった穏やかなタイプ。主張が強くない分どのような食事にも幅広く対応できるので、いつでも冷蔵庫に常備しておきたい1本です。

おすすめ白ワイン7
ピノ・グリージョ入門編

▶︎ピノ・グリージョ ロックブルック

生産地:アメリカ・カリフォルニア
タイプ:白・辛口
品種:ピノ・グリージョ88%、リースリング11%、その他1%

日本人のワイン愛好家に、「有名な白ブドウ品種を3つ挙げてください」と質問したら、「シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、リースリング」という答えが返ってくるでしょう。

同じ質問をアメリカ人にしたら、「シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、ピノ・グリージョ」と返ってくることでしょう。

アメリカや南半球でピノ・グリージョが人気がある理由は、ボリュームがあって果実味がしっかりと感じられるから。シャルドネとの共通項はあるけれど、シャルドネは南国系のフルーツの要素が強い点に比べて、ピノ・グリージョは北方系のフルーツの要素が強いところに違いがあり、白桃のような甘味が感じられるところが人気の理由です。

このピノ・グリージョは難しいことは抜きにして、ほのかな甘みと果実のボリューム感を味わえる、非常に優れた一本。ピノ・グリージョの味わいに対するイメージが分からない方は、まずこの一本から始めてみるとよいでしょう。

おわりに

最後までご覧いただきまして、誠にありがとうございます。

毎日の食卓を彩る1本として、失敗しないワイン選びのための一助となれば幸いです。

また、「もっとワインに詳しくなりたい!」という意識をお持ちの方にも、こちらで紹介したワインはぶどう品種の特徴がよく出ているものが多いので、1本ずつ飲み比べてみるのもよいでしょう。

あなたのワインライフがより豊かになることを、願っています。

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秋元 賢介

日本ソムリエ協会認定ソムリエ
大手ワインショップや個人経営のワインショップの店長として、通算15年に渡り店頭にてワイン販売に従事。現在はナチュラルワイン専門のインポーターにて営業職。専門用語を如何に使わずにワインの魅力を一般消費者に伝えるかと、有名無名に関わらず安くて美味しいワインの発掘に腐心し続けている。
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