ペアリングワイン

もう試しましたか?ロシアワインとロシア料理のペアリング

最近「ロシアワイン」というキーワードを耳にしませんか?少し前、ニュースでも話題になったロシアの法律で、その名前を耳にされた方は多いかもしれません。その驚愕の法律とは「ロシア国産のスパークリングワインのみを、シャンパンと呼称する」というもの。

しかし、驚きつつもロシアのワインに興味を持った方もいらっしゃるのではないでしょうか。かくいう私もその一人で、すぐにロシアワインを手に入れるべく動いた次第です。

今回は、今チェックしておきたいロシアワインとペアリングをご紹介します。

ロシアワイン産地の気候

ロシアの気候にはどのようなイメージを持っていますか?曇り空、-50℃の氷点下、みんなばっちり防寒、ウォッカで身体を温めるなどの寒冷気候のイメージではありませんか?

私自身そのように思っていましたが、インポーターの方のお話を聞くうちにそのイメージは一掃されました。 ロシアのワイン産地(特に有名な産地はクラスノダール地方)を地図上で確認すると、東欧諸国のあたりで黒海沿岸。

緯度はフランスのボルドー地方と変わらない北緯45度に位置し、ワイン発祥の地として有名なジョージア(グルジア)もすぐ近くで、年間を通して比較的温暖な気候です。

やっぱりロシアワインにはロシア料理がおすすめ

代表的なロシア料理といえば「ボルシチ」「ピロシキ」、あとはロシアの西側や東欧周辺の料理として「ビーフストロガノフ」「アイスヴァイン」が頭に浮かびます。

イタリアンやフレンチ、中華料理などに比べると食卓に並ぶ機会は少ないかもしれませんが、その分、旅する気分で愉しめるというものです。

初めてのロシアワインではありましたが、私がペアリングの参考にしたのは味わいの「同調」です。

【酸味】
ビーツを使った綺麗な赤い色をした「ボルシチ」は、肉の旨味にビーツとサワークリームの酸味が食欲をそそる料理です。「ボルシチ」の酸味とワインの持つ果実の甘酸っぱさが絶妙に同調します。

【旨味・塩味】
具材のたっぷり入ったパン生地を油でカラッと揚げた「ピロシキ」は、揚げたパンの香ばしさと、具材の塩味、旨味が特徴の料理です。そこにしっかり冷やした、ロシアのスパークリングワインを合わせましたら、また一口、また一口と食がすすむ素晴らしいペアリングになりました。ロシアのスパークリングワインにある青りんごの香りやハーブの香り、ミネラル感・旨味などが、ピロシキの具材の旨味を引き出し、美味しさをアップグレードしてくれたような感じでした。

出来立てジューシーなピロシキにおすすめのスパークリングワイン

▶︎アブラウドゥルソ ロシアンスパークリングワインブリュット NV

インポーター資料によると、「ロシア皇帝およびその家族のみしか飲むことを許されなかった伝説のワイン」。

このワイナリーの歴史は古く、1870年、当時のロシア皇帝により創設され、フランスの専門家チーム指導の下、ロシア皇帝提供用としてスパークリングワインを製造していたそうです。現在では民営化され、ロシアを代表するワイナリーとなっています。

ハーブや白い花のアロマティックなニュアンスとキリッとした酸があり、味わいはとても爽やか&フレッシュな印象です。

*原産国:ロシア
*生産者:アブラウ ドゥルソ
*品種 :ピノ・ブラン、ピノ・グリ、シャルドネ
*容量 : 750ml

「ビーツ」を使ったお料理におすすめのスパークリングワイン

▶︎シャトータマーニュ レゼルバ エクストラブリュット

*原産国:ロシア
*生産者:クバンビノ
*品種 :シャルドネ、リースリング
*容量 : 750ml

こちらも歴史深く、1956年創設。今回ご紹介するワインに使われている品種はシャルドネとリースリングですが、このワイナリーはブドウの保護と繁栄のために、多くの土着品種の栽培に取りかかっているそうです。

土着品種を大切にしているこのワイナリーのワインからは、土地の特徴が感じ取れるのではないかと注目しているワイナリーでもあります。

製法は瓶内二次発酵。爽やかでフレッシュ&ドライな口当たりではありますが、比較的温暖な場所で造られていることもあり、ほんのり熟成感も感じ取れますよ。

ロシア料理には欠かせない、ビーツの酸味と良く合います!旨味や酸味をしっかり味わえるので、ビーツを使ったポテトサラダや、和風に作ったビーツのきんぴらなど優しい味付けの料理と良くペアリングします。

「ボルシチ」といかがですか?黒海沿岸のロシア白ワイン

▶︎リクリア ルカツィテリ

*原産国:ロシア
*生産者:レフカディア
*品種 :ルカツィテリ
*容量 : 750ml

皆さんも一度は聞いたことのある「黒海」。このワイナリー「レフカディア」は、その黒海沿岸で造られています。黒海沿岸の気候も比較的温暖な為、味わいには厚みを感じられ、ハチミツの余韻や果実味豊かなワインに仕上がっています。

このワインは、ボルドーのシャトームートン・ロートシルトで20年間醸造長を務めたパトリックレオン氏が手がけたそうで、味わい・ポテンシャル共に期待できます。

葡萄品種は、ジョージアワインでも良く登場するルカツィテリを使用しています。酸味、甘み、旨味、苦み、塩味など全ての要素を踏まえると、サワークリームをトッピングしたボルシチにぴったりです。

いかがでしたでしょうか。ロシアワイン飲んでみたくなりませんか? 広大な土地を持ったロシアですが、ワインに関しては日本ではまだあまり知られていない素晴らしいワイン文化があるんですね。

これまで日本では入手できなかったワインが色々と入ってきている今、旅する気持ちで楽しんでみたくなりませんか?

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Yasuyo Ito

Webライター/日本ソムリエ協会認定 ワインエキスパート/WEST level2 English
アパレルメーカー、広告代理店と異業種へ転職する中、プライベートではワイン愛好家歴20年。
資格取得をきっかけにワイン愛好家のコニュニティーを広げ、「ワインのある暮らし」をテーマにSNS、webメディアなどで執筆中。日本にもっとワイン好きを増やすべく、極力専門用語は使わないのがマイルール。
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