ペアリングワイン

今こそ飲んでみたい!温故知新ヨーロッパワインおすすめ4選

この記事をお読みのワインラバーの皆さまは、既にいろいろな国のワインをお飲みだと思いますが、今回は、ワイン造りの長い歴史を持ちながらも、なじみのないヨーロッパの国をメインに、おすすめワインと一緒にご紹介していきたいと思います。

ブドウ酒の神が生まれた国

皆さまはルーマニアと聞いて何をイメージされますか?私は、ドラキュラ、コマネチ・・・そしてワインです。

ルーマニアのワインの歴史は、なんと6000年前にまでさかのぼります。古代ギリシャ神話のブドウ酒の神であるバッカスが、ダキア(現在のルーマニア南部)で生まれたと言われているほどの歴史があります。

そのルーマニアのワインは、19世紀にはパリでブームになる程ヨーロッパで絶賛されていたのですが、共産主義時代に他国への自由貿易が禁止されていたことから、長い間そのほとんどが自国内だけで消費されていました。

それがここ近年、国際的に多くの賞を受賞するなど、その実力を広く世界に知らしめつつあるのです。

▶︎ヴァイン イン フレイム ピノ・ノワール ブドゥレアスカ

ピノ・ノワールらしい、赤い果実のチャーミングな香り、まろやかなタンニン。私が、このワインの一番素晴らしいと思うところは、何よりも「品の良さ」です。

色、香り、味、全て品が良いのです。まるでそれは、ルーマニアの古城に住む、自分を主張し過ぎないけど、芯のしっかりした、品の良い美しいお姫様のよう(*私の勝手なイメージです)。

もちろん、白身のお肉との相性は良いですが、週末の夜に好きな映画を見ながら、チーズと一緒にゆっくりと味わいたいワインです。

原産国:ルーマニア
生産地:ムンテニア
品種:ピノ・ノワール100%
アルコール度数:13%以上14%未満
容量:750ml

紀元前に、もうソムリエがいた国

ギリシャにおけるワインの歴史は古く、紀元前3000年にはクレタ島やサントリーニ島でワインが取引されていた証拠が見つかっています。

古代ギリシャ人は「symposia(シンポジア)」と呼ばれる社交行事で、ワインを飲みながら哲学的なテーマを話し合い、その場でワインをサービスしたのが「oenochooi(エノホイ)」と呼ばれるソムリエの原型だそうです。

ギリシャワインは、国際品種に頼りすぎることもなく、長い歴史を持つ土着品種を使い、産地の風土を表すユニークなワインが造られ続けていることから、この20年間、世界から注目されているのです。

▶︎ミロナス ワイナリー アシルティコ

サントリーニ島の主要ブドウ品種であるアシルティコ100%のワインです。爽やかな柑橘系の香りと、しっかりとしたミネラル感。海に囲まれた島のワインであることと、3カ月もの間、澱とともに熟成されたことから、魚介類と合わせても生臭くなりにくいワインです(*生臭さのメカニズムについては、こちらをお読みください。

原産国:ギリシャ
生産地:アッティカ
品種:アシルティコ100%
アルコール度数:13.5%
容量:750ml

知る人ぞ知る良質なワインの国

最近モルドバワインの名をよく耳にすることから、どんな国かと私なりに調べてみました。ワインとは関係ありませんが、一昔前にはやった不思議な感じのダンスミュージック「恋のマイアヒ」を歌っているO-Zone(オゾン)が、モルドバ出身だそうです。

さて、ヨーロッパの中でも最貧国と言われているモルドバですが、ワインの歴史はとても古く、紀元前3000年から既にワイン醸造が始まっていました。ブドウ栽培には恵まれた土壌と気候によって良質なブドウが生産されています。

ブドウの品質の良さ、歴史ある醸造技術に加え、最近では海外資本のワイナリーも多くなってきて、モルドバワインのレベルは年々上がってきています。

事実、プルカリ・ワイナリーというモルドバで最も有名なワイナリーでは、イギリスやルーマニアの王室御用達のワインを造っています。

ロシアの経済制裁の影響で、近年モルドバワインは欧米や日本にもたくさん輸入されていますので、皆さまもぜひこの機会に飲んでみてはいかがでしょうか?

▶︎ラダチーニ ブラン・ド・カベルネ

黒ブドウであるカベルネ・ソーヴィニョン100%で造られた、とても珍しい「白ワイン」。白ワイン特有のフレッシュさやキレがあると同時に、黒ブドウ由来の豊かな香りと味わいに奥行きが感じられます。

生産国と製法の珍しさに加え、思わず「ノマノマイェイ」と歌いたくなるようなお手頃な価格。ワインラバーとしては、もうこれは試さない訳にはいかないのでは?

原産国:モルドバ
生産地: ステファン・ヴォーダ
品種:カベルネ・ソーヴィニヨン100%
アルコール度数:13%
容量:750ml

ワインと言えば・・・の国

どんなにワインに興味がない人でも、ワインの産地でフランスを知らない人はいないかと思います。古代ローマ人によって、ブドウ栽培はマルセイユに伝えられ、その後、紀元1世紀にはローヌ地方へ、2世紀にはブルゴーニュ地方、ボルドー地方へと伝わって行きます。 その後、キリスト教の普及に伴い、ミサ用のワインがあちらこちらで必要になったことから、ブドウ栽培とワイン造りがフランス全土に急速に広まりました。

上記でご紹介した3国に比べると、ワインにおけるフランスの歴史はそれほど古くありませんが、ワイン造りに適した気候や土壌、そして歴史やワイン法の制定など、さまざまな要素が相まって(ここでお話しするのにはあまりにも多過ぎで)、フランスは世界一のワイン大国となりました。

▶︎コート・デュ・ローヌ VV ドメーヌ ダンデゾン

フランス産の中でも、おうちで飲むデイリーワインとして特におすすめなのが、コート・デュ・ローヌ地方の赤ワインではないでしょうか。濃縮感のある果実味と、まろやかさ、早飲みタイプの赤ワインなので、価格も含め手軽に飲めます。

使用品種であるシラーは、スパイシーなソースとの相性も良いので、私はお好み焼きや焼きそばともよく合わせます。濃縮感はあっても飲み疲れせずにスルスル飲める(いや、飲め過ぎて困るほどの)赤ワインです。

原産国:フランス
生産地:コート・デュ・ローヌ
品種:シラー100%
アルコール度数:13.5%
容量:750ml

まとめ

ワインを通じて、遠く離れた国のことを知る。これもワインを飲む醍醐味の一つだと思います。今は世界中の人が行きたい所へ自由に行けない時期ですが、ぜひこの期間を活かして、普段あまり馴染みのない国をちょっと調べたり、その国のワインを試してみてくださいね!

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佐野 朱美

J.S.A. ワインエキスパート / WSET Lev.2
ワインショップ、バー、ワインのインポーターで働きながら、最近はライターとしても活動中。
ワインの楽しさを幅広く知ってもらうため、常に初心に立ち返ることを心がけています。
個人的には、人もワインも、少しクセがあるほうが好きです。 佐野 朱美の記事一覧 

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