ペアリングワイン

ニュージーランドのワイン産地を巡る旅~南島後編~ 

4回に分けてご紹介しています、ニュージーランドのワイン産地を巡る旅も今回で最終章となります。

さて、ニュージーランド最大のワイン産地マールボロを楽しんだ後は、ニュージーランド観光のハイライトとも言える南島の大自然を満喫しながら、ワイン産地を巡りましょう。

マールボロ地方の町の中心「ブレナム」から車で南下していくと「カイコウラ」という東海岸線に位置する町を通ります。カイコウラはホエールウォッチングやドルフィンウォッチングなど海の動物たちを間近に見ることのできるエリアです。

海岸線を走っていると、アシカの群れが生息しており日本では中々みるこのない光景にワクワクしてきます。そして、カイコウラを抜けて1時間半ほど車を走らせると見えてくるワイン産地が「カンタベリー地方」です。

今後ますます注目なカンタベリーエリア

【代表的なブドウ品種】
・ピノ・ノワール、リースリング、ピノグリ

カンタベリー地方はワイン生産地としての規模は国内で3番目となり、大きく3つのエリアに分かれています。(詳しくは前回の記事をご覧ください。)

カンタベリー地方はピノ・ノワールで高い評価を得ていますが、リースリングもまた国内外で非常に高い評価を得ています。緯度は、北半球のトスカーナとほぼ同じ距離にありますが、テロワールは大きく異なります。

この緯度からくる強い日差しはブドウの熟成を進め、その一方で海岸から吹く冷たい風はこの土地に冷気を持ち込み、エレガントなワインに欠かせない酸性度をブドウにもたらします。

【日本でも買えるカンタベリー地方おすすめワイン①】

▶︎Pegasus Bay ARIA Late Picked Riesling

・産地:カンタベリー
・ワイナリー:Pegasus Bay(セラードア併設)
・品種: リースリング
・容量:750ml

こちらのワインは以前もご紹介させて頂いた私のおススメワインです。甘口ながら、余韻にミネラル分が加わりますので飲み疲れしないワインで、甘口が得意でない方にも是非一度試して頂きたいそんなワインです。

味わいは、林檎の蜜やアプリコットなどの厚みのある華やかで熟した果実の香りとスイカズラやジャスミンなどの甘美なアロマが混ざり合い、甘さだけではなく品を兼ね備えたワインです。

【日本でも買えるカンタベリー地方おすすめワイン②】

▶︎BLACK Estate Black Estate Home Pinot Noir

・産地:カンタベリー
・ワイナリー:Black Estate(セラードア併設)
・品種: ピノ・ノワール
・容量:750ml

Black Estateはワインの試飲ができるセラードアの他にワイナリーツアーや隣接したB & Bに泊まることも出来ます。ヴィンヤードやワイナリーで働いたらこんな生活かな?とワイン造りやワインに携わる人達をより身近に感じられる経験となるでしょう。

ご紹介させていただくワインは、化学物質を一切使わずビオデナミ農法で造られているワインです。ブルーベリーやプラムなどのアロマの印象に、口に含むと中程度のボリュームを感じます。

十分なタンニンとそれをサポートする豊かな果実味があり、かすかに土壌のニュアンスを感じ、ビオデナミ農法で造られたワインから自然のパワーを感じます。

ニュージーランドを代表する観光名所の数々

さて、ニュージーランドの自然に心も癒されてきた頃ではないでしょうか。カンタベリーをさらに南下すると「クライストチャーチ」に到着します。ここでは少々シティライフを覗いてみませんか?

クライストチャーチは、ニュージーランドで3番目に大きな都市で、イギリスからの移民がベースとなって作り上げたこの街は石造りの建物と2011年のカンタベリー地震後に建てられたモダンなビルとが入り混じります。

エイボン川でのバンティングや世界第3位の広さを誇る広大なハグレー公園をただただ散策する。それだけで心が穏やかになることでしょう。

また、街には創作料理を出すレストランがあり移民国家であるニュージーランドならではの「ウェスタンスタイル」だけではない各国料理からインスパイアされた「ニュージーランド料理」を楽しむことができます。

クライストチャーチを出たら、最終ワイン産地へ向かいます。その途中に、是非訪れたいのがニュージーランドの大自然を感じられる2つの場所。

まずは、世界一の星空との呼び声も高い「テカポの星空」。外灯の明るさや数を制限したり町全体で美しい星空を守る運動を行っている為、山の頂上にあるマウントジョン天文台ではプラネタリウムに勝るほどの数の星たちをその目で見ることができます!

ターコイズブルーが鮮やかなテカポ湖の近くに佇む石の教会も静寂さの中に神秘的な雰囲気を感じることができますので是非訪れてみてくださいね。

テカポの星空を堪能したら、世界自然遺産に登録されている「マウントクック国立公園」へ。360℃圧巻の山々に囲まれ、その地にいるだけで全身に自然のパワーとエネルギーを感じます。

最終ワイン産地 ニュージーランド ピノ・ノワールのパイオニア オタゴ地方

ニュージーランドワイン産地巡りの最終地点は、世界最南端のワイン産地と言われる「オタゴ地方」です。オタゴ地方は6つのエリアに分かれており、現在では80近くのワイナリーが点在しています。

ニュージーランドがピノ・ノワールの一大世界産地として認められるきっかけとなったのがこの「オタゴ地方」です。国内最南端に位置するこの地域の冷涼な気候がそれまで考えられなかった南半半球での繊細なピノ・ノワールの栽培を成功に導きました。

オタゴ地方でピノ・ノワールの可能性を見出したニュージーランドはその他各地でピノ・ノワールの栽培が広まったと言われています。

【日本でも買えるオタゴ地方おすすめワイン】

▶︎Felton Road Pinot Noir Calvert

・産地:セントラル・オタゴ
・ワイナリー:Felton Road(セラードア併設※事前予約&平日のみ対応)
・品種:ピノ・ノワール
・容量:750ml

ニュージーランド国内でもいち早く2002年からビオデナミ農法を取り入れたワイナリーです。国外のワイン誌でも軒並み高得点をたたき出しており、ニュージーランドナンバーワンワイナリーと評価する評論家も存在するほどです。

ダークチェリーやカシスの熟した果実のニュアンスに木樽からくる杉やカカオのニュアンスがワインに複雑味が広がります。余韻まで続くこの複雑さはこのワイナリーの評価を認めざるを得ない味わいです。

旅も最終盤へ

さぁ、満足いくまでワイン産地巡りをしたら最後の最後に忘れてはならないのが世界遺産にも登録されている「ミルフォードサウンド」。

まさに、クライマックスにふさわしいスポットと言えるでしょう。氷河が何億年もの時間をかけ、周囲の山々を削りとり長さ約16kmにも及ぶ入り江という形へと変えました。

ミルフォードサウンドへは、ニュージーランドで一番のリゾート地「クイーンズタウン」を拠点として向かいます。バスツアーでのんびり道中を楽しむも良いですし、フライトで贅沢に空からニュージーランドの自然のスケールの大きさを堪能するも最高です!

クイーンズタウンには、ギフトショップやレストランやホテルが立ち並びますので旅の終わりにホテルでお気に入りのワインを開けてゆっくり過ごすのも良し、レストランへ出向き回り切れなかったワイナリーのワインを楽しむのも良し。思い思いの時間を旅の思い出と共に、ニュージーランドらしくゆっくりとお過ごしください。

まとめ

今回は主要な観光スポットをメインにご紹介しましたが、ニュージーランドにはまだまだお伝えしきれていない魅力で溢れています。

私の記事では今後もニュージーランドとニュージーランドワインの魅力を皆さんにお届けしていきたいと思っておりますで、是非チェックしてくださいね!

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高橋 宗子

【お家で楽しむワイン提案のワインエキスパート】
ニュージーランドワイン好きが高じて、ワイナリー・ブドウ畑巡りをする為ニュージーランドへ移住。
都内ワインインポーターにて星付きレストランにもワイン紹介をしてきた経験を活かし「お家でも気軽に楽しめるワイン時間」を提案しています。 高橋 宗子の記事一覧 

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