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ニュージーランドのワイン産地を巡る旅~南島前編~

さて、北島・南島に分けてご紹介しています「ニュージーランドのワイン産地を巡る旅」は南島へと南下してきました。

北島にも沢山の素敵な場所がありますが、皆さんが「ニュージーランドと言えば」という問いに思い描く風景の多くは南島に集結していることも間違いないでしょう。

前回の北島最南端のワイン産地「マーティンボロー」からは、首都ウェリントンからフェリーを使って南島へ渡ることをおススメします。

北島ウェリントンから南島の港町「ピクトン」へはフェリーで約4時間の旅です。南島が近づいてくると入り江が入り組む美しいマールボロサウンドが見えてきます。

ピクトンは日本の田舎の港を彷彿とさせる小さな町でなんだかホッと一息つきます。さぁ、ピクトンを拠点に南島のワイン産地巡りをスタートさせましょう!

ニュージーランド南島ワイン産地〜前編〜
①タスマン海に面し潮風を感じる港町 ネルソン

【代表的なブドウ品種】
・ピノ・ノワール、ソーヴィニヨン・ブラン

ピクトンから車で約2時間タスマン湾に面した町が「ネルソンです」。以前の記事でもご紹介しております通り「Sunny Nelson!」と言われるほど日差しのパワーを感じられる町です。

ネルソンは小さいながらも「アートの街」としても知られており、個人のギャラリーや焼き物を作るアーティストなどが多く暮らしています。

特に、毎週日曜に行われる「サンデーマーケット」では野菜やフルーツなどの青果物、地元人達が造った蜂蜜や石鹸、日本人の方が造っているお味噌やオイルやローションなどのビューティーグッズまで幅広く売られていますのでお土産にも最適です。

また、スープやチャイ、各国の料理の屋台も出ていますので食を楽しみたい方にもおすすめです!(ニュージーランドでは各地でサタデーマーケットやサンデーマーケットが行われていますので是非チェックしてみてくださいね)

また、ネルソンからタスマン湾沿いに車で1時間ほど走ると国内外で人気のトラッキングコース「エイベルタスマン国立公園」、そこから1時間半程で秘境「ゴールデン・ベイ」へ行くことができます。どちらも嫌でも自然のパワーを感じる神秘的な場所です。是非、ネルソンを訪れた際には立ち寄ってみてくださいね。

【日本でも買える ネルソン地方おすすめワイン】

▶︎Neudorf Tiritiri Sauvignon Blanc

・産地:ネルソン地方
・ワイナリー:Neudorf winery(セラードア併設)
・品種:ソーヴィニヨン・ブラン
・容量:750ml

40年前、ニュージーランドにワイン産業が根付く前にTimさんとJudyさんご夫婦はネルソンでワイン造りを始めました。この地にどんな品種が根付くかも分からなかったお二人は様々なブドウを栽培しては研究を重ねてきました。これが彼らがパイオニアと言われる理由です。

現在はシャルドネ、ピノ・ノワール、リースリング、ソーヴィニヨン・ブラン、そしてアルバリーニョを栽培しており、すべてのワインは国内外で非常に高い評価を得ています。

ご紹介するソーヴィニヨン・ブランはお二人の絶え間ぬ努力が詰まった、上級でエレガントなスタイル。レモンやライムのような柑橘類の酸味とハーブのニュアンスは繊細で、テクスチャーも滑らかで、良いワインに出会えた!思えるそんなワインです。

②生産量第一位 世界に認められたソーヴィニヨン・ブランの産地マールボロ

【代表的なブドウ品種】
・ピノ・ノワール、ソーヴィニヨン・ブラン

いよいよ、ニュージーランド最大のワイン産地「マールボロ地方」のご紹介です。マールボロ地方へは、南島の最北端の港町「ピクトン」から車で30分程で到着します。

マールボロ地方の中心は「ブレナム」、人口約30,000人という小さな町ですがこの町の多くの人たちがワイン産業に携わっています。2000年代に35軒ほどだったワインカンパニーも現在では140近くに成長しています。

ブレナムの町の西側にワイナリーが集まっており、ワイナリーツアーを予約してバスで回ることも出来ますし、自転車をレンタルして自分の好きなワイナリーに絞って回ることも出来ます。数日掛けてお気に入りワイナリーを探すのも楽しいでしょう!

【マールボロ地方ワインを一度に楽しむならここ】

ブレナムの町の中心にWINE STATIONというマールボロ地方のワインを一挙に楽しめるテイスティングスペースがあります。南島を周回する鉄道の駅でもありその名の通り「ワインの駅」となっております。

こちらではマールボロ地方の様々なワインが揃っており、ワインマシーンから好きなワインをテイスティングすることができます。

【日本でも買える マールボロ地方おすすめワイン①】

▶︎Mahi Marlborough Sauvignon Blanc

・産地:マールボロ地方
・ワイナリー:Mahi Winery(セラードア併設、予約のみ受付)
・品種:ソーヴィニヨン・ブラン
・容量:750ml

マールボロ地方のソーヴィニヨン・ブランで新たな味に出会いたい!という方に是非試して頂きたいのがこちらの「Mahi」ワイナリーです。

BrainさんとNicolaさんはフランス、ハンガリー、そしてチリでワイン造りに尽力し、ニュージーランドに戻ったその後2001年にファーストヴィンテージをリリースしました。

フレッシュでハーブ香の強いニュージーランドを代表するソーヴィニヨン・ブランとは少し違ったキャラクターを持つこのワインは、発酵の段階で澱に触れる時間を長くし、ワインにさらに複雑さが加わり独自の味わいを生み出しています。

トロピカルフルーツの熟した果実のニュアンスから、口に含むとフレッシュな柑橘系果実に変化していきます。フレンチオークの旧樽で樽醗酵させたものとフリーランジュースを醗酵させたものを最終的にブレンドすることで、シンプルフレッシュだけではない深みや複雑味を備えたワインに仕上がっています。

【日本でも買える マールボロ地方おすすめワイン②】

▶︎TWR Marlborough TORU

・産地:マールボロ地方
・ワイナリー:Te Whare Ra Winery(セラードア併設)
・品種:ゲヴェルツトラミネール、リースリング、ピノ・グリ
・容量:750ml

Te Whare Raはファミリー経営で営まれる小さなワイナリーですが、国内でも有名レストランのワインメニューにオンリストされるなど非常に評価の高いワインを造っています。

Te Whare Raワイナリーで是非おすすめしたいのがこちらの「TORU」という白ブドウ3種のブレンドです。アルザスワインに触発され、マールボロ地方のアロマティックワインの可能性を探求し続けているそうです。

こちらのワインはアカシアなどの白い花やフレッシュな林檎系果実、そしてエキゾチックなスパイスの香りが印象的です。林檎の蜜やライチなど層のある味わいに、余韻に掛けてミネラル感が現れます。

【日本でも買える マールボロ地方おすすめワイン③】 ▶︎EALANDS ESTATE WINEMAKER'S RESERVE

・産地:マールボロ地方
・ワイナリー:YEALANDS ESTATE(セラードア併設)
・品種: ピノ・ノワール
・容量:750ml

EALANDS ESTATEはサスティナブルなワイン造りが浸透するニュージーランド国内でも特にサスティナブル農法に力を入れているワイナリーと言えるでしょう。

ニュージーランド国内で一番日照時間が長いというマールボーロ地方の特徴を生かし、ソーラー発電をしたり剪定した枝からエネルギーを作り出すなど、様々な取り組みが行われています。ワイン造りだけではなく、サスティナブルでオーガニックな考え方など、ニュージーランドならではのワイン造りに対する考え等を学ぶことができるでしょう。

ご紹介するワインは、シングルヴィンヤードのみから造られるリザーヴワインです。熟した赤い果実と花の特徴を示すエレガントなピノ・ノワールは、日本で飲んだら1万円前後するワインに引け劣らないレベルです。

ビールも美味しいニュージーランド

実はニュージーランドは、クラフトビールも非常にクオリティが高く、世界各国にホップを輸出していることでも有名です。その地方ごとにBreweryが点在しており、イギリスの植民地であったニュージーランドはパブ文化が根付いています。「家飲み用に1リットル単位でクラフトビールを買っていく」なんてこともしばしばです。

ニュージーランドを訪れた際は是非、ニュージーランドクラフトビールにも挑戦してみてくださいね。

《関連記事》
ニュージーランドのワイン産地を巡る旅~南島後編~
ニュージーランドのワイン産地を巡る旅~北島前編~

高橋 宗子

【お家で楽しむワイン提案のワインエキスパート】
ニュージーランドワイン好きが高じて、ワイナリー・ブドウ畑巡りをする為ニュージーランドへ移住。
都内ワインインポーターにて星付きレストランにもワイン紹介をしてきた経験を活かし「お家でも気軽に楽しめるワイン時間」を提案しています。 高橋 宗子の記事一覧 

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