ペアリングワイン

赤ワイン好き必見!ニュージーランド・カンタベリーワイン

秋らしい風が吹き始めたと同時にスーパーにも秋の食材が仲間入りしてきた今日この頃、ワイン好きの皆さんもデイリーワインを白から赤へシフトチェンジする季節ではないでしょうか?

赤ワイン好きの皆さんは、ワインを選ぶときに何を基準にされていますか?好きなブドウの品種?産地?それともワインメーカーでしょうか?私自身も割と好きなワインをリピートしがちなのですが、心のどこかに「新しいお気に入り」に出会いたい!という気持ちありませんか?

今回は、そんな方におススメなニュージーランド・南島に位置する「カンタベリー」地方の赤ワインをご紹介していきたいと思います。

「ニュージーランドワイン=ソーヴィニョン・ブラン」というイメージをお持ちの方に是非是非試して頂きたい失敗なしのラインナップです!

カンタベリー地方のワインの特徴

カンタベリー地方とは、ニュージーランド南島の中でも一番大きなエリアで「花の都クライストチャーチ」「世界一の星空テカポ」「世界自然遺産マウントクック」などを含む、ニュージーランドを訪れた際には見逃せないスポットが詰まったそんな地方です。

クライストチャーチから車で45分程で北カンタベリー地方のワイナリーへ訪れることができます。このカンタベリー地方の西側にはサザンアルプスがあり、ここから見る朝焼けと夕焼けは何とも言い難いほど美しいです。

このサザンアルプス山脈を境に大きく気候が変わり、海に近いカンタベリー地方のブドウ畑は日中と夜の寒暖差が大きくブドウの成熟に適した気候といえます。

カンタベリー地方に初めてワイン用ブドウが入植されたのは1977年とニュージーランドの中でも新しいワイン産地と言えるでしょう。ニュージーランドのワイン産地の中でも小規模ワイナリーが密集したエリアですが、近年世界的に評価が上がりワインの値も高騰し始めています。

特に評価が高いのが「ピノ・ノワール」。ニュージーランドでも珍しい石灰岩粘土質土壌がピノ・ノワールに適した土壌であること、そして日中は温暖ですが夜になると冷え込むことから適度な酸を生み出すことができ、ニューワールドの大味なピノノワールとも一線を画した存在と言えるでしょう。

カンタベリーのワイン産地

1)WAIPARA – GLASNEVIN
このエリアは、ワイパラ川の程近くに位置しています。川の近くのテロワールということもあり石と砂利質で暖かい日はこの小石と砂利が土壌を熱します。川からの影響を受けた土壌はミネラルを豊富に含んでおり、水はけがよいという特徴を持っています。

2)WAIPARA – OMIHI
このエリアはワイパラバレーの北東に位置し、海抜約100〜200メートルの粘土と石灰岩の土壌からなる丘があります。丘の頂上にはいくつかの異なる石灰岩があり、炭酸カルシウムが堆積している粟ぷん粘土ロームがあり、これらの土壌はブドウにミネラル・濃度を与えます。

3)WAIKARI
このエリアはワイパラ渓谷の内陸部にありOMIHIを北東とするとWAIKARIはワイパラバレーから北西に位置しています。この地がワイン産地として発見されたのは1990年代後半。標高が海抜250〜300mと他2つのエリアよりもさらに標高の高い場所に位置しています。純粋な白亜質の石灰岩から石灰に富んだ粘土や海底の海緑岩・緑砂に至るまで土壌が広がっています。

カンタベリー地方おススメワイン3本

Pegasus Bay Maestro (Merlot Cabernet Malbec)
お医者さんであったアイヴァンさんが、ワイン好きが高じてガレージでワイン造りを始めたのがペガサスベイの始まりです。このカンタベリー地方の中でもパイオニア的な存在で、カンタベリーワインの評価を押し上げた第一人者とも言えるでしょう。ロバート・パーカー氏が選ぶNZトップ5ワイナリーにも選出されています。

このMaestroは良年にのみ造られるリゼルヴァ的存在で、2年間の熟成を経てリリースされます。濃いガーネット色で、煮詰めたプラムのような凝縮感が重め赤ワイン好きの心をくすぐります。ブラックベリーの果実感に加えてバニラやほのかな杉のニュアンスが続きます。豊かな風味が口の中に溢れ、余韻には心地良いタンニン分も加わり複雑味があり品のある味わいです。

*産地:カンタベリー / ワイパラ ヴァレー
*品種:メルロ、カベルネ・ソーヴィニヨン、マルベック
*容量:750ml

Mountford Estate Pinot Noir
同カンタベリー地方にワイナリーを持ち、日本でも人気の高い「小山ワインズ」の小山竜宇さん。ニュージーランドで醸造学を学んだのち、2007年から2012年Mountford Estateにてアシスタントを務め、その後欧米のワイナリーなどで経験を積みました。その後、ニュージーランドに戻り、現在はMoutfordを買収し、小山ワインズの傘下として運営しています。

このMountford Estateのピノ・ノワールもニュージーランドらしい果実味のボリュームと心地よい酸が非常にうまく溶け込んだワインです。黒スグリなどの小さい黒果実そしてドライハーブやほのかに香るオークの上品な香りが立ち、余韻にかけては引き締まった酸がワインの味わいをまとめます。

*産地:カンタベリー / ワイパラ ヴァレー
*品種:ピノ・ノワール
*容量:750ml

GreyStone Waipara PinotNoir
除草剤、殺虫剤等は一切使わない100%オーガニックを貫くワイナリーです。ワイナリーの歴史は新しく2000年に放牧地だった土地を購入し、ファーストヴィンテージは2008年です。Grey stoneのピノ・ノワールは、カンタベリー地方のピノ・ノワールが世界的に評価される理由を身を持って感じさせてくれるワインです。

一般的なニュージーランドのピノ・ノワールよりも複雑さがあり、繊細なニュアンスのあるワインです。 カシスやブラックベリーの果実、そしてなめらかできめ細かい酸が余韻に続き非常にエレガントな印象です。

*産地:カンタベリー / オミヒ ヒルズ
*品種:ピノ・ノワール
*容量:750ml

まとめ

どちらのワイナリーも小規模ながら、ワインとブドウと真摯に向き合い、そしてこの豊かな自然に恵まれた土地を守りながらワイン造りをするという生産者の思いがニュージーランド・カンタベリー地方のワインのポテンシャルを上げているのだと実感します。

また、カンタベリーはグルメも豊富!マールボロ地方から南下し、カンタベリー地方の最北に位置するカイコウラはニュージーランドでも随一のクレイフィッシュ(伊勢海老)の産地、そしてクライストチャーチから小一時間で行けるフランス移民によって開拓されたアカロアはキングサーモンで有名です。

是非、ニュージーランドを訪れた際はカンタベリー地方でワインと食を堪能してみてはいかがでしょうか。

高橋 宗子

【お家で楽しむワイン提案のワインエキスパート】
ニュージーランドワイン好きが高じて、ワイナリー・ブドウ畑巡りをする為ニュージーランドへ移住。
都内ワインインポーターにて星付きレストランにもワイン紹介をしてきた経験を活かし「お家でも気軽に楽しめるワイン時間」を提案しています。 高橋 宗子の記事一覧 

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