ペアリングワイン

マリアージュに繋げるワインペアリング

今回はマリアージュに繋げるワインペアリングについてお話していこうと思います。

そもそも、ペアリングとマリアージュって何が違うの?言い方が違うだけなんじゃないの?と思われる方も多いですよね。

まずは「ペアリング」と「マリアージュ」の違いについて簡単にご説明していきます。

ペアリングとは?

ペアリングは英語で一対を意味する「pair」に「ing」をつけた現在分詞です。身近なものですとBluetoothでも使われますよね。「接続」や「認証」といった意味合いをもち、2つのものを適切に組み合わせることを指します。

食事に関して使う場合もあくまで「適切な組み合わせ」であり、ここでは結果論はまだありません。

マリアージュとは?

マリアージュの語源はフランス語。単に「婚姻」「結婚」という意味と「二つの異なるもの同士の組み合わせにより新たなものが生まれる」という意味合いで使われます。

食事に関してですと、料理とお酒がお互いに高めあって飛躍的に美味しくなるといったイメージで使われます。

ペアリングの結果論です。想像を超えた感動を得られなければマリアージュとは呼べません。

「このペアリングは合わなかった」という言い方は出来るけれど「このマリアージュは合わなかった」とは言えないのです。

マリアージュに出会う確率を上げるために

食べ物とお酒の組み合わせに挑戦する回数が多いほど、マリアージュに出会えるペアリングを見つけられる確率も勿論上がります。

家では人数が集まらない限り同時に何本も抜栓することは難しいかもしれませんが、私はグラスワインの種類が豊富なお店で外食をすると、赤ワインも白ワインも同時に保持し、テーブルが結婚式の披露宴状態になることがよくあります(笑)。

ワインは調味料のようなものでもあると考えているので、塩でもタレでも食べてみたい時のように、色違いのワインが揃っている状態になり、マリアージュを生み出すペアリングを探す為に料理とワイン同士の婚活お見合いパーティーを繰り広げるのです。

飲み放題等で特別なルールがある場合を除いて、手元にあるグラスは1つじゃないとマナー違反なんてことはありませんから、飲みきりに拘らず、どんどん試してみることをおすすめします。

ペアリングをマリアージュに繋げるコツ

マリアージュに出会えるようにペアリングするコツはずばり「常識から離れること」です。

常識にとらわれていたら、間違いなく美味しくても、今まで以上の感動には出会えないはずです。なぜなら「想定の範囲内」だから。

知っている、想像のつくものだと、新たな感動までには至りません。いわゆる「慣れ」のようなものです。そこまでではあまり印象に残らないペアリングで終わってしまいます。

人はギャップに弱い

人が感動するには必ず「意外性」が非常に重要なスパイスになると感じます。

爽やかで誠実そうな見た目で、話してみたらやはり見た目通りの良い人だった場合と、最初はなんだかとっつきにくそうで愛想の無い人かと思っていたのに、話してみたら実はすごく気さくで優しくて素敵な人だったら、後者の方が印象に残るのではないかと思います。

学生時代、ちょっとワルっぽいけど実は真面目で優しい、みたいなタイプがモテる傾向がありませんでしたか?(笑)ギャップ萌えというやつですね。

話が少し脱線してしまった気もしますが、要するに人はいつでも良い方向のギャップに弱いのです。

魚には白、肉には赤は必ずしも通用しない

マリアージュに出会えるようにペアリングするコツはずばり「常識から離れること」「意外性、ギャップ」と先述しました。

私自身、これとこれはタブー!とされているものをあえてガンガン試しにかかります。何故合わないとされているのかを自らの舌で実験してみる事は非常に大切で、その理由が分かれば一概にタブーと言ってしまうのはナンセンスだという事に気付いたりします。

例えば牡蠣とシャブリは定番と言われますよね。しかし、シャブリAとは合ったのに、シャブリBとは合わなかった、という経験はありませんか?

それを逆手にとると、牡蠣と赤ワインはあまり聞かないかも知れませんが、とある赤ワインとは非常に相性が良い場合があるのです。

その時はシャブリの時よりも意外性を伴う心境も加わり、より良いペアリングの発見になるのではないでしょうか。

実際、魚介類と白ワインを合わせると生臭みが際立ってしまうことが多いです。その理由は科学的な話になってくるので、別の機会に取り上げられたらと思います。

筆者がすすめる、意外だと言われる組み合わせ

こちらでひとつ、私が好きな組み合わせをご紹介致します。

・シェーブルチーズ×山葵×ソービニヨンブラン

シェーブルチーズには爽やかな青い草の香りがある為様々なハーブと相性が良く、酸味も特徴的です。

西洋のハーブの代わりに、日本人に馴染みのある山葵を添え、辛口のソービニヨンブラン(温暖な地域のフルーティーさが際立つものよりも冷涼な地域の爽快な香りを持つタイプが良いです)のワインと合わせると、品種特有のハーブ香と酸味が2つの食材と同調し、元々別の国の物だったとは思えないような一体感が生まれます。大葉を添えても良いですね。

シェーブルチーズと一口に言っても様々な種類がありますから、主張が穏やかなタイプのものならミュスカデとも良く合うでしょう。意外だと思われるのかもしれませんが、モッツァレラチーズとバジルなら定番の組み合わせですから違和感は無いですよね?チーズとハーブの種類が違うだけで、昔から親しまれていたコンビなのです。

常識にとらわれず、常に新しい挑戦を重ね、たくさんの素晴らしいマリアージュに出会える為のペアリングを楽しみましょう!

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松澤 香奈

❁日本ソムリエ協会認定 ソムリエ
❁WSET Level3 pass with distinction
先入観にとらわれず、常に新しい「美味しい!」を発見したい、食べる事と飲む事が大好きな人。
香りや味わい等の「感覚」を誰にでも分かりやすく言葉にして表現することが大切だと思っております。 松澤 香奈の記事一覧 

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