今さら聞けないワインペアリングの基本の'き'
秋本番、食欲の秋になりましたね。今やワイン好きの方はもちろん、そうでない方へも浸透してきたワインペアリング。
ところで、仮にホームパーティに招いた友人から「最近よく聞くけどペアリングって何?」と聞かれたらどのように答えますか?
ワインをより深く知っているからこそ、改めて聞かれると困ったりしませんか?周囲からワインに造詣が深いと思われているだけに言葉選びにも慎重になりますよね。
今回は、改めて質問されても困らない!「ワインペアリングの基本のき」についてシェアしたいと思います。
ワインペアリングの基本の'き'
上述した質問「ペアリングって何?」に対して私はいつもこのように答えます。開口一番はこのフレーズ「お料理をワインと一緒に楽しむということです」と。
シンプルで短い言葉ですが、ワインに詳しくない方へもスッと頭に入ってくるフレーズだと思っています。ただ、それは言わずもがな誰もが知っていることですよね。
ですから、私は後に「ただ一緒に飲んで食べるのではなくて、お料理とワインに相乗効果が得られマリアージュ(より美味しく変化)するのを楽しむことがペアリングの醍醐味と思ってます」と言葉を付け加えます。
お料理の香り・味わいの余韻と、相性の良いワインが混ざりあうことで、両方の良さが引き立つと一層楽しい時間をすごせますよね。
“より美味しく”を叶える基本的なたった2つの法則
では「より美味しくなるペアリングはどのようにして見つけるの?コツは?」という質問が来そうですよね。そんなとき、私は簡単な2つのルールを伝えます。
◆1つ目◆同調(色、土地、香り、味わいなどが似たもの)の法則
◆2つ目◆
対極の法則(例:甘い+辛い)
大きく分けてこの2つを基本にペアリングを考えていけば、大体カバーできるはずです。後者は少しテクニックと経験が必要かもしれませんが、前者の同調は簡単なので是非色々試してみてください。
「白ワインには魚、赤ワインには肉」とは限らないから楽しい
ときどき、ビストロの隣のテーブルからこのような声が聞こえてくることがあります。「肉だから、そりゃ赤でしょ!」と。確かに世間一般的に知られている「肉だから赤」の組み合わせ。ですがワインを好きになり、深く知っていけばいくほど、その常識に違和感を覚えるようになっていくことでしょう。
例えは、写真のようなスペアリブにホワイトクリームソース、またはクリーミーなマッシュポテトが添えられている場合、私ならクリーミーな(マロラクティック発酵をした様な)白ワインを合わせます。例えばカリフォルニアのシャルドネ等をセレクトします。
濃厚でタンニンが豊富なフルボディータイプの赤ワインを合わせると、肉の旨味とは合うかもしれませんがソースのクリーミーさを感じ取ることが難しくなり、少し残念です。
ソースで楽しむペアリング!超簡単!
私の定番ソースレシピ2つ
我が家は夫もソムリエということもあり、ワインを楽しむ時間をとても大切にしています。お料理とのペアリングを考えるのはもはやルーティン。
「このワインを飲みたいからこの料理を作る」
「この料理を食べたいからあのワインを飲もう」
など考えるのも楽しい時間です。ですが、そんなに計画的にいく日ばかりではありません。
「白ワイン買ったあとに、特売の豚肉が美味しそうだから…」というシーンもよくある話です。そんなときに私がつくるソースをご紹介します。
〜白ワインと豚肉のペアリングの日〜
ゴルゴンゾーラチーズとクルミのホワイトソース
≪材料(2人分)≫
*ゴルゴンゾーラチーズ…30~40g(量はお好みで)
*ローストしたクルミ…お好みで
*牛乳(あれば)
≪作り方≫
①フライパンにゴルゴンゾーラチーズを入れます(弱火)
②チーズの表面がプクプクしてくるので、クルミを入れてヘラで混ぜ合わせます。
③2の状態で完成ですが、お好みで牛乳(大さじ1程度)を溶いても良いです。
ソースが出来たら、オーブンでグリルした厚切りの豚肉にかけて完成です。
ペアリングは濃厚でクリーミー、バターのニュアンスも感じ取れるシャルドネと合わせて、ペアリングの相乗効果で完成させたいところ。例えば以下が手頃で「家ワイン」に丁度良いと思います。
▶︎オー・ボン・クリマ シャルドネ サンタ・バーバラ ツバキラベル(カリフォルニア/シャルドネ)
〜赤ワインと豚肉のペアリングの日〜
ブルーベリーと赤ワインのソース
≪材料(2人分)≫
*ブルーベリージャム…大さじ2(量はお好みで)
*赤ワイン…大さじ2
*濃い口醤油…大さじ1.5
≪作り方≫
①材料を全てボウルに入れて、そこに豚スペアリブを入れて漬け込みます。(30分~60分程度)
②フライパンには油をひかないで豚肉を焼きます (中弱火)。結構ソースが飛び散るので軽く蓋をするのをおすすめします。
③中まで火が通ればOK(不安なようでしたら、その後190℃のオーブンで10分程度焼くと良いでしょう。
④フライパンに残ったソースを少し煮詰め、お皿に盛りつけたスペアリブにかければ出来上がりです。
ペアリングは果実味豊かで、シルキーなタンニンを感じとれるメルローや優しいカベルネソーヴィニヨンブラン辺りと合わせたいところです。
▶︎ルチェンテ ルーチェ デッラ ヴィーテ(イタリア/トスカーナ)
▶︎CHラグランジュのセカンド/レ・フィエフ・ド・ラグランジュ(フランス/ボルドー)
いかがでしたでしょうか。ペアリングの法則と言ってもワインも料理も嗜好品。ルールにとらわれることなくご自身の嗜好を大切にしてくださいね。
そのうえで、今回ご紹介したお料理とワインのペアリングの基本の‘き’を知って更に美味しい世界を楽しんで頂けましたら嬉しいです。
また一つ深くワインの世界へハマりますよ。ペアリングは楽しい!
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Webライター/日本ソムリエ協会認定 ワインエキスパート/WEST level2 English
アパレルメーカー、広告代理店と異業種へ転職する中、プライベートではワイン愛好家歴20年。
資格取得をきっかけにワイン愛好家のコニュニティーを広げ、「ワインのある暮らし」をテーマにSNS、webメディアなどで執筆中。日本にもっとワイン好きを増やすべく、極力専門用語は使わないのがマイルール。
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