和食とイタリア料理の意外な共通点とは?イタリアのお肉料理はどうして定着しない!?
ちかごろは空前の肉ブーム!肉食女子という単語もすっかり定番に…
もともと男女ともに大人気のお肉料理ですが、エイジングビーフにコールドビーフと、新素材がぞくぞく登場していますね。
けれど一方でイタリアンの代表的な肉料理というと、すぐには思い浮かばないのではないでしょうか?
今回は和食とイタリアンの共通点をピックアップ!そのうえで、日本人にとってパスタやピザの存在がいかに大きいのかを考えてみたいと思います。
和食とイタリアンはどちらもユネスコ無形文化財!そっくりな食事への姿勢
2013年、日本の「和食」がユネスコの無形文化財に登録されたのは記憶に新しいですね。
農林水産省がかかげる和食の特徴は4つあります。
①多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重
②健康的な食生活を支える栄養バランス
③自然の美しさや季節の移ろいの表現
④正月などの年中行事との密接な関わり
実はあまり知られていませんが、2010年、イタリア料理もアドリア海沿いの「地中海の食事」として(スペイン・ギリシャ・モロッコ共同提案)、ユネスコ無形文化財に登録されているのです!
地中海料理の定義は、以下のとおり。
①穀類、魚類、その保全・加工・消費に関わる風景から食事に至る技術、知識、習慣及び伝統に基づく社会的慣習
②魚介類、穀類、乳製品、野菜、果物類等をバランス良くとり、油脂分は肉類を少量、オリーブオイルを中心として摂取するもの
③本料理は、コミュニティの健康、生活の質、より良い生活に資するもので、適量のワインを交えながら、ゆっくりとコミュニケー ションする食事スタイルを含む
「海外における食文化の世界無形遺産登録の動向」(農林水産省より引用)。
海沿い、というだけじゃない!
和食とイタリアンって、なんだかとっても似ている気がしませんか?!
材料や調味料はちがうかもしれない…
けれど食に対するスタンスがそっくりなのです!
定着したおなじみのイタリア料理!!でもパスタとピザ以外は…野菜と魚とデザートだけ??
これまで数多くのイタリア料理が日本へ輸入・紹介されてきました。新しい順に誰でも知っている超有名なメニューを並べると、こんな感じ!
・バーニャカウダ
・カルパッチョ
・カプレーゼ
・ティラミス
ここで個人的におもしろいと思うのは、ひとつもお肉料理がないということ。
バーニャカウダはもともとピエモンテ州の鍋料理。アンチョビ・ニンニク・オリーブオイルをあわせた熱いソースで、野菜や、ときには火を通した肉や魚をつけて食べます。
カプレーゼは、モッツァレラチーズとトマト、ハーブのサラダですし、ティラミスはマスカルポーネチーズを使った冷たいデザート。
例外はカルパッチョで、正確には冷製肉料理ですが、日本人の言うカルパッチョはたいてい「鮮魚のカルパッチョ」をさすようです。ではアクアパッツァなら!…って、それもお魚料理ですね(笑)
どうして日本のイタリアンでは、お肉料理だけが定着しないの?
バーニャカウダやカルパッチョが有名になった一方で、不思議なことに、イタリアンの肉料理の名前は、日本に浸透しません。 たとえばこんな感じ…。
・タリアータ (薄切りのレアステーキ)
・コトレッタ (ミラノ風のポークカツレツ)
・カチャトーラ (猟師風の鶏の蒸し煮)
名前を聞いて、ぱっと料理をイメージできる人は少ないのではないでしょうか? きっとどれもどこかで見たことある料理です。しかし、肝心の名前が定着しない。
『なんとなく洋っぽい肉料理、でもおいしい!だってお肉大好きだもん!!!』
…というのが、いかにも日本人的かも。
かく言う私もワインと合う肉料理ならなんでもOK派です (笑)
個人的に考察すると、イタリアンの肉料理が定着しない理由はやっぱり…
①メインとしてのパスタやピザ(炭水化物)が強すぎる!
②日本人のヘルシー志向
ではないでしょうか?
でも、特に①だと思います。イタリア料理の人気は根強いです。ですがそれはつまり、日本人の生活になじみすぎちゃっているということ。
パスタ、ピザ、リゾット、フォカッチャなどは、形や味はどうであれ、コンビニでも普通に売られているわけで。この普及率には勝てっこない!
バーニャカウダやカルパッチョという料理名が日本に定着したのは、結局それらの食べ方やビジュアルがものめずらしかったから…というのが大きいのでしょうね。
せっかくの肉ブームに乗れるのかイタリアン!?今後の動向を見守っていきたいと思います(笑)
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