ペアリングワイン

ワイン×コミュニケーション!『レミーのおいしいレストラン』に出てくるワインの話

「スー、カチャ、スー」。

ディズニーのアニメ『レミーのおいしいレストラン』のDVDをセットしました。

今回は、『レミーのおいしいレストラン』に出てくるワインについて、お話します。

わたし:「レミーのおいしいレストランを知っている?」

夫:「知らないなぁ」

大まかなあらすじは次の通り。

主人公のレミーは、フランス料理界の頂点に立つシェフのグストーに憧れている小さなネズミ。

グストーの死後、パリにあるグストーの店に行きます。そこには、グストーの息子のリングイニがいました。

リングイニは、料理が苦手。そこで、レミーは、リングイニのコック帽の中に隠れ、リングイニの髪の毛を引っ張って手足を操り、フランス料理を作り始めます。

もちろん、ネズミのレミーが料理をしていることは秘密。レミーの腕は抜群で、評論家も大絶賛。

しかし、衛生局は、キッチンにネズミ(レミーとその仲間)がいると知り、グストーの店を閉鎖します。

その後、リングイニ、恋人のコレット、レミーは、ビストロ「La ratatouille」をオープンします。

レミーは、天才リトルシェフとして、腕を振るい、店は大盛況。Finです。

『レミーのおいしいレストラン』は、ワインのシーンがいっぱいです。ワインは、フランスの日常に欠かせないものだからでしょう。

登場するワインの中で、特に目を引くのは、高級な赤ワイン「シャトー・ラトゥール1961」と「シャトー・シュヴァル・ブラン1947」。ディズニーはワイン通ですね。

ボルドーの威厳ある赤ワイン「シャトー・ラトゥール」

「シャトー・ラトゥール」は、ボルドー・メドック地区の格付け第1級の5大シャトーのひとつ。フランスが誇る最高の赤ワインです。有名なので、エチケットはどこかで見たことがあるでしょう。

14世紀に建てられた「塔」が描かれています。フランス語の「ラ・トゥール」は、日本語の「塔」という意味。「塔」がシャトー名になっています。

「シャトー・ラトゥール」は、カベルネ・ソーヴィニヨン主体で、色が濃く、コク深い味わい。少なくとも7~8年くらいは熟成させなければ、飲み頃にはなりません。ワイン通が飲むなら、15年以上熟成させたものがおすすめです。

『レミーのおいしいレストラン』に登場する「シャトー・ラトゥール1961」を見てみましょう。

グストーの後任のシェフがワインを飲みながら話をしようと、リングイニを誘っています。

ふたりは、「シャトー・ラトゥール1961」で乾杯。エチケットがチラチラ見えますが、本物そっくりです。

シェフがリングイニを誘った目的は、リングイニとレミーの秘密を探ること。

シェフは、リングイニに46年もの(2007年時点)の高級ワインをどんどん注いで、勧めます。

飲んで、酔って、口が軽くなれば…と考えたのでしょう。しかし、リングイニは、何もしゃべらず。とうとうボトルは空っぽに…。

わたし:「46年ものだって!」

夫:「アニメだからね」

わたし:「本当にあるよ。飲み頃のピークは過ぎているかも?」

夫:「・・・」

知る人ぞ知る!至高の赤ワイン「シャトー・シュヴァル・ブラン」

「シャトー・シュヴァル・ブラン」は、ボルドー・サンテミリオン地区の最上の格付けのプルミエ・グラン・クリュ・クラッセAです。

この赤ワインは、カベルネ・フランを主体にメルローをブレンドしたもの。芳醇で調和のとれた逸品です。熟成すると甘くなるといわれています。

『レミーのおいしいレストラン』に登場する「シャトー・シュヴァル・ブラン1947」を見てみましょう。

ドラキュラを彷彿とさせるフランスの評論家のアントン・イーゴが、今、話題のリングイニ(本当はレミー)の料理の腕を確かめるために、グストーの店にやってきます。

アントン・イーゴは、「このわたしを一番の得意技で倒して見せろ」と言い、「シャトー・シュヴァル・ブラン1947」を注文します。

リングイニの料理が何かわからないままの状況で、ワインをセレクト。

この60年もの(2007年時点)の高級ワインにふさわしい料理でなければ、腕を認めないという勢いです。

最後にボトルは空っぽになりました。

「シャトー・ラトゥール1961」と「シャトー・シュヴァル・ブラン1947」のボトルが空っぽになったのは、おいしくて飲み干してしまうという意味でしょう。

ワインが登場する映画って、ほかにもあるの?

ワインが登場する映画は、ほかにもあります。

まずは、大ヒットした映画『タイタニック』。豪華客船のディナーのシーンでシャンパンが出てきます。

ひとりひとりのグラスに「モエ・エ・シャンドン」が注がれます。お皿にはキャビア…。素敵なマリアージュですね。

「モエ・エ・シャンドン」は、1974年、ワイン商のクロード・モエによって設立されたモエ・エ・シャンドン社のシャンパン。 ワイン好きなら、いつも傍らに1本はあるでしょう。

夫:「モエ・エ・シャンドン・・・。いいね」

わたし:「さすが、豪華客船!」

次に、『バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生』です。

実業家のブルース・ウェイン(バットマン)が夜中に悪夢を見て、飛び起きるシーンがありますが、飛び起きたあと、ワイングラスの赤ワインをグイッと飲みます。

気持ちを静めるためでしょう。ベッドサイドには「シャトー・マルゴー1945」がたたずんでいます。

その横には、ルイ・ロデレール社のシャンパンがあります。お金持ちはゴージャスですね。

わたし:「高級ワインばかり!」

夫:「バットマンはお金持ちだね」

実在するワインが映画の中に登場すると、心がワクワクします。

ボトルの形やエチケットに目を凝らし、表情が緩みます。ワインのシーンは、絵になりますね。

わたし:「ワインショップに行ってきます」

夫:「無駄遣いしないように」

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高階 明子

フリーライターとして活動中。
日本ソムリエ連盟のソムリエ資格、チーズコーディネーター協会のチーズコーディネーター資格をもっています。
ワインショップでソムリエをした経験もあります。
大のワイン好き!夫と二人暮らし。
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