ペアリングワイン

秋鍋に合うおすすめワイン

スーパーに豊富な「鍋の素」シリーズが並び始めたら、夏の終わりを感じます。秋と言えば、「鍋」が美味しくなってくる季節ですね。

「水炊き」「カニ鍋」「キムチ鍋」「豆乳鍋」「石狩鍋」「トマト鍋」そして「すき焼き鍋」などなど。秋になると各家庭や飲食店で、仲間とテーブルを囲んで、美味しいお酒と一緒に鍋を楽しむのが行事の一つでもあります。

今回は、鍋に合うおすすめワインのペアリングPart1として「水炊き」「カニ鍋」「キムチ鍋」に合うワインをご紹介します。

鍋とワインのペアリングで押さえておきたい2つのポイント

色々な鍋があるけれど、ワインを一緒に飲むならどんなものを選びますか?鶏肉を入れたから「白ワイン」、すき焼きだから「赤ワイン」と、「まぁ、なんとなく・・」で選んでいるようでしたら、もう少し掘り下げてワインペアリングを楽しんでみませんか?

では、いったい何を基準に選べば良いのでしょうか。色をポイントに選ぶのも良いと思います。白い(もしくは、透明の)鍋だから白ワイン、赤い(茶色い)鍋だから赤ワインと。ですが、今回はもう少し掘り下げて味わいの点からワイン選びをするポイントをお伝えしたいと思います。

ポイントはたった2つ。

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*鍋と同じ味わいのワイン

*辛鍋にはオレンジワインかナチュール系
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では、具体的にどのようなワインが良いのでしょうか。代表的な鍋料理とワインの組み合わせをご紹介します。

鍋と同じ味わいのワイン編「水炊き、カニ鍋」×「ドサージュ低めのシャンパーニュ」

「水炊き」や「カニ鍋」には、やはりポン酢ではありませんか?ポン酢の酸味とワインの酸味、ここにフォーカスしてワインを選ぶとペアリングに失敗することはないはずです。

この「ポン酢」とバランスよくペアリングするワインとしておすすめしたいのが「ドサージュ低めのシャンパーニュ」です。

ドザージュとは、シャンパーニュの瓶内二次発酵で生じた澱を取り除いた後に、糖分を含んだリキュールを添加して最終的な糖分調整をすることです。

では 「ドサージュ低めのシャンパーニュ」とは、一体どのように選べば良いのでしょうか。シャンパーニュには甘辛度を見る指標のようなものがラベル(エチケット)に書いてあるのはご存じでしょうか。

「Brut」や「Extra-Brut」といった表記です。ワイン好きの皆様なら見たことありますよね。この辛口表記にも色々種類があります。

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*Brut Nature(ブリュット・ナチュール)
*Pas Dose(パ・ドゼ)
*Non Dose(ノン・ドゼ)
*Dosage Zero(ドサージュ・ゼロ)
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これらの表記はどれもドライ(辛口)で、キリッとした酸を感じます。ですが、店頭やオンラインショップで見かけることが少ないかもしれません。

そこで一番よく見かけるのは、
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「Brut(ブリュット)」です。
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こちらも、ドライ(辛口)で、心地よい酸を感じます。ですが、ワインによって辛口の度合いが様々なので、今回はピンポイントで「Brut(ブリュット)」の中からおすすめを1本ご紹介します。

▶︎ブリュット レゼルヴ NV ルクレール ブリアン

このルクレール・ブリアンは、数年前から注目されているワイナリーです。注目されている理由は、醸造責任者の敏腕ぶりにもあります。

味わいはさることながら、デュヴァル・ルロワの醸造責任者として長年従事してきたエルヴェ・ジュスタン氏の集大成ともいえるワイナリーであるという点が注目されている理由の1つです。

ドライな中にも果実の甘み、香ばしい余韻もあり、数年先も楽しめるポテンシャルを持っています。今回はこのドライな酸を「水炊き」や「カニ鍋」と共に楽しんで頂きたいので、数年待つことなく、早めに飲んでペアリングを楽しんでくださいね。

* 原産国:フランス
* 産地:シャンパーニュ
* 生産者:ルクレール・ブリアン
* 品種:シャルドネ / ピノ・ノワール / ムニエ
* 容量:750ml

辛鍋編「キムチ鍋」×「オレンジワイン」

スパイシー鍋代表の「キムチ鍋」には、飲み物は何を合わせますか? ビールも良いのですが、炭酸で少しお腹が張ってしまいますので、ワインと合わせてお腹いっぱい旨辛「キムチ鍋」を楽しむの良いかもしれません。

昔、知り合いのワイン友達から「辛いものにはワインは合わないよ」と言われた事があります。確かに辛すぎるものには不向きですが、旨味、味噌の甘味、白菜の甘みが合いまった旨辛「キムチ鍋」にはよく冷やしたワインも合うんですよ。

ワインの表現の中に「スパイシー」という表現をよく使いますが、この「スパイシー」と「キムチ鍋」のスパイシーはタイプが異なります。唐辛子の舌を刺激するスパイシーさには、優しく、どこか中東・アジアを思わせる香りをまとったワインがおすすめです。

中東・アジアを思わせる香りをまとったワインとは、ワインから得られる香りに薬草や薬膳料理に使われるようなスパイス、例えば「八角」や「シナモン」「クミンシード」のような香りのことを言います。オレンジワインやナチュール系のワインには、そのような香りが存在することが多いです。

▶︎マカシヴィリ・ワイン・セラー・ムツヴァネ・ヴィジアニ・カンパニー

オレンジワインの発祥とも言われるジョージアで造られるワインです。ジョージアは、今となっては一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

伝統的な土器「クヴェヴリ」。このクヴェヴリで造られるワインには、八角やシナモン、クミンの様な香りがあります。

また、このムツヴァネ種というジョージアの土着品種は、柑橘の風味や、ぽってりした優しさも併せ持ちますから辛味がまろやかになり、味わいの余韻とワインの果実味を楽しむことが出来ますよ。

* 原産国:ジョージア
* 産地:カヘティ
* 生産者:ヴィジアニ・カンパニー
* 品種:ムツヴァネ種100%
* 容量:750ml

いかがでしたでしょうか。 今回は「鍋に合うおすすめワインのペアリングpart1」ということでご紹介いたしましたが、鍋の種類はまだまだ沢山あります。次回は「豆乳鍋」「石狩鍋」「トマト鍋」「すき焼き鍋」にフォーカスしてみたいと思います。

美味しい料理と美味しいワインのペアリングで、皆様の秋の食卓が豊かなものとなりますように。

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Yasuyo Ito

Webライター/日本ソムリエ協会認定 ワインエキスパート/WEST level2 English
アパレルメーカー、広告代理店と異業種へ転職する中、プライベートではワイン愛好家歴20年。
資格取得をきっかけにワイン愛好家のコニュニティーを広げ、「ワインのある暮らし」をテーマにSNS、webメディアなどで執筆中。日本にもっとワイン好きを増やすべく、極力専門用語は使わないのがマイルール。
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