ペアリングワイン

インド人もびっくり?!タンドリーチキンとワインのペアリング

タンドリーチキンをワインと楽しむ

スパイスの香りが食欲をそそり、ピリっとした辛さが堪らないタンドリーチキン。インド北西のパンシャーブ地方の王朝料理だったものが広まりました。

表面が赤いのはスパイス、食紅やパプリカパウダーを加えているからです。食紅を加えてまで赤く着色するのは、インドで赤は幸運を呼ぶ縁起の良い色とされているからです。日本では赤くないタンドリーチキンも多く見かけますね。

タンドリーチキンは、本来はタンドールと呼ばれる円筒形の土窯で焼き上げたものです。スパイスを加えたヨーグルトに漬け込んだ鶏肉を金串に刺し吊り下げて焼きます。タンドールはとても高温で、外はパリッと中はジューシーに焼き上がります。

合わせるワインは、スパイス感がポイントで、ゲヴェルツ・トラミネールや、シラー、ムールヴェドルといったスパイス香が特徴のブドウを使ったワインや、守備範囲の広いオレンジワインがおすすめです。今回は、おすすめのインドの赤ワインも紹介させていただきます。

ギウアーニ ルカツィテリ・クヴェヴリ

ジョージアで創業年がわからないほど昔からワイン造りを営む家族経営のワイナリー。クヴェヴリを用いて、伝統と革新的な技術を組み合わせてワイン造りを行い洗練されたワインを生み出しています。

レモンコンフィ、グレープフルーツ、アプリコット、紅茶、アカシアの花の蜜や、フローラルでミルキーな香り、滑らかな口当たり、豊かな果実味に、ライム果汁のようなフレッシュな酸味、スパイシーでアプリコットの果皮を思わせるしっかりしたタンニンがあり、出汁のような旨味がじんわりと感じられます。

ジョージア料理でもスパイスを多く使用し、タンドリーチキンに似た料理も存在します。そして、オレンジワインを合わせると、意外にもまろやかでコクが増します。スパイスとヨーグルトたっぷりでぜひお試しください。

▶︎ギウアーニ ルカツィテリ・クヴェヴリ

* 原産国:ジョージア
* 産地:カヘティ
* 品種:ルカツィテリ
* 生産者:ギウアーニ
* 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
* 容量:750ml

ブラッケンブルック シャングリラ・ゲヴェルツ・トラミネール

ニュージーランド最長の日射量を誇るネルソンで、アロマティックなワインを造り出すワイナリーブラッケン・ブルック。ネルソンはニュージーランドで引退した人々が住みたいと願う街No.1としても知られています。そのことから、ワイン名をシャングリラと名付け、アーティストが多く住む街柄を活かしてエチケットは風景画家の第一人者Marilyn Andrews氏が手掛け、素敵なネルソンの景色が描かれています。

このワインは、ニュージーランドの理想郷にて生産されるゲヴェルツ・トラミネールを使ったワインです。ライチ、グレープフルーツ、花梨の蜂蜜漬け、バラ、生姜、クローブのアロマティックでスパイシーな香り、豊かな果実味にねっとりした甘み、穏やかな酸がじんわりと広がり、グレープフルーツの果皮のような心地良いタンニンが全体を引き締めます。

よくカレーにも合わせられるゲヴェルツ・トラミネールですが、タンドリーチキンとの相性も抜群。ワインのスパイスと蜂蜜のような風味がプラスされてリッチな味わいに感じられます。

▶︎ブラッケンブルック シャングリラ・ゲヴェルツ・トラミネール

* 原産国:ニュージーランド
* 産地:ネルソン
* 品種:ゲヴェルツ・トラミネール
* 生産者:ブラッケンブルック・ヴィンヤード
* 味わい:甘口☆☆★☆☆辛口
* 容量:750m

シャトー・ド・サンコム コート・デュ・ローヌ・レ・ドゥー・アルビオン

ジゴンダスの天才と称される14代目ルイ・バリュオール氏のシャトー・ド・サンコム。コスパの良いコート・デュ・ローヌはスパイシーでブラックベリーのコンポート、レーズンなど凝縮感のある黒系果実の香り、ジンジャーブレッド、ナツメグ、クローブなどスパイシーな香りも豊かで、鞣し革や動物的ニュアンスがほのかに香ります。

凝縮感のある果実味とスパイシーな風味、豊かな酸とタンニンがありつつも全体的によく纏まり、艶かしさを感じさせる滑らかな赤ワイン。タンドリーチキンとスパイス香と果実味豊かな赤ワインはまるでソースのようにしっくりくる組み合わせ。スパイスの風味はより豊かになります。

▶︎シャトー・ド・サンコム コート・デュ・ローヌ・レ・ドゥー・アルビオン

* 原産国:フランス
* 産地:ローヌ
* 品種:シラー、グルナッシュ、ムールヴェドル、カリニャン
* 生産者:シャトー・ド・サンコム
* 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
* 容量:750m

スラ・ヴィンヤーズ・サトリ

インドを代表するワイナリーのスラ・ヴィンヤーズ。このワインは、スパイスの効いたインド料理にも合うアロマが凝縮された単一品種ではないワインを造りたいというスラの情熱から生まれたワインです。

プラムや、ドライレーズン、アニスやクローブなどスパイスの豊かな香り、滑らかな口当たりに、豊かな果実味と甘み、フレッシュな酸と溶け込んだタンニンがしなやかに続きます。

単体で飲むには個性的で好みが分かれるかもしれませんが、タンドリーチキンや、スパイスの効いたインド料理との相性は抜群で、是非お試しいただきたい1本です。

スパイスの風味が増長し、果実感豊かな甘みが辛さを中和し、コクが豊かに感じられ、余韻にもスパイスが香る素敵なペアリングです。

▶︎スラ・ヴィンヤーズ・サトリ

* 原産国:インド
* 産地:ナシク・バレー
* 品種:メルロー、マルベック、ジンファンデル
* 生産者:スラ・ヴィンヤーズ
* 味わい:甘口☆☆★☆☆辛口
* 容量:750m

様々な国のワインと料理を合わせて、新しい美味しさを発見しましょう。
楽しいワインライフをお過ごしください。

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Haruka Kageyama

JSA Sommelier
The Ritz Carlton Tokyo Azure45や、阿部誠氏が率いる「東京ぶどう酒店」、「サロン・ド・シャンパーニュ ヴィオニス」、フランスのシャンパーニュ地方ランス「Domaine les Crayéres」にて10年以上サーヴィス、ソムリエールとして働く。
現在様々な形でワインを広めるべく雑誌やウェブメディアにて執筆中。 Haruka Kageyamaの記事一覧 

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