ペアリングワイン

旅気分!本格インド料理とワインペアリング

本格インド料理とワインって合うの?

暑い夏にはスパイスの効いたインド料理が無性に食べたくなります。スパイスの風味が強いインド料理とワインって合うの?と思う方もいるかもしれませんが、実はとっても相性良く楽しむ事ができます。

というのも、インド料理などに使うスパイスをよく思い返すと、ワインの風味を表すテイスティングコメントに使われるものばかり。この互いの共通項によって風味を豊かに相性良く楽しむ事ができるのです。

テイクアウトしたり、フードデリバリーして本格インド料理をお家で楽しむ際にはぜひワインを合わせてみてください。

ワインのおつまみにピッタリ!「サモサ」

サモサとは、インドではどの家庭でもお母さんが作る一般的な家庭料理で、ジャガイモ・玉ネギ・豆・ナッツ、レーズン、羊の挽肉などを潰して練ってスパイスで味付けしたものを、生地で三角に包んで揚げたものです。

サモサはインド料理として有名ですが、起源はイラン高原にあるとされ、ペルシア語で三角形を意味する「サンボサグ」という宮廷料理が語源となっています。

余ったカレーのアレンジにも使えますし、ワインのおつまみにもピッタリです!特に相性の良いワインは、スパイスの風味が香るゲヴェルツトラミネールの白ワインです。

スパイシー&フローラルな風味がサモサに華を添える

▶︎ヤルデン・ゲヴェツトラミネール ゴラン・ハイツ・ワイナリー

まるでサモサと相性抜群の調味料のように、スパイスとフローラルな風味が楽しめるワインがこちら。イスラエルのゴラン・ハイツ・ワイナリーのヤルデン・ゲヴェルツトラミネールです。

ライチ、オレンジの果皮、スパイス、アカシアの花、ハチミツのアロマティックでエキゾチックな香り。ピュアでまろやかな果実味に、フレッシュな酸味とゲヴェルツトラミネールらしいほろ苦さが余韻に感じられます。

このワインをサモサと合わせることで、レーズンの甘やかさとワインの果実味、スパイスの風味が同調し、フローラルなワインの風味がサモサに華を添えてくれます。

* 原産国:イスラエル
* 産地:ゴラン高原
* 品種:ゲヴェルツトラミネール
* 生産者:ゴラン・ハイツ・ワイナリー
* 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
* 容量:750ml

世界三大炊き込みご飯の一つ!「ビリヤニ」

ビリヤニとは、米とカレーを層状に重ねて炊き上げた炊き込みご飯のことです。

元を辿るとルーツはイスラム料理ですが、インド各地に広がって各地の特色あるスパイスやハーブ、野菜、肉、魚など様々な種類の具材が使われ、その地方の名前がついたビリヤニが多くあります。

具材によって変わってきますが、今回はポピュラーなチキンビリヤニと合うワインを紹介させていただきます。

相性の良いワインは、スパイスの風味とコクや果実の甘やかさがあるインド産の赤ワインです。

スパイシーな料理と合わせるために造られたワイン!

▶︎サトリ スラ・ヴィンヤーズ

本格インド料理と合わせるのに忘れてはならないのが、インドが誇るスラ・ヴィンヤーズの存在です。

このワインは、メルロを主体にマルベック、テンプラニーリョをブレンドして造られていて、本格インド料理と合わせるのにぴったりな何ともスパイシーな味わい!

ブラックチェリー、プラム、スターアニスなどスパイスの豊かな風味に熟れた果実味と滑らかに溶け込んだタンニンが穏やかに広がります。

このワインを合わせることでビリヤニのスパイス感をより豊かに、カレーにフルーツを加えるとコクが出るように甘やかなコクがプラスされたように感じられます。

ワインの生産地であるインドのディンドリは、神聖な施設の多い土地。涼しく自然豊かで、モンスーンによる多雨がありますが、紅土と玄武石の緩やかな丘は大変水捌けが良くブドウ栽培に適した環境です。

ぜひインドに想いを馳せてワインを味わってみてください。

* 原産国:インド
* 産地:ディンドリ
* 品種:メルロ、マルベック、テンプラニーリョ
* 生産者:スラ・ヴィンヤーズ
* 味わい:甘口☆☆★☆☆辛口
* 容量:750ml

大人気!辛さマイルド&リッチな味わい「バターチキンカレー」

日本でも人気の高いバターチキンカレーは、北インドを代表するリッチな味わいのカレーです。

元々はタンドリーチキンを焼いて余ったソースにトマトやバターなどを加えて作ったものが始まりとされていて、バターや生クリームを使うのでリッチなコクがあり、スパイシーなインドカレーの中でも例外的にマイルドで優しい口当たりが人気です。

相性の良いワインは、リッチでコクの豊かなマロラクティック発酵を施した白ワインやオレンジワインがおすすめです。

トロピカルフルーツの香りがまるでマンゴーチャツネのようなアクセントに!

▶︎ムツヴァネ・カフリ マルト・ヴィレ

このワインは、ジョージアで造られるいわゆるオレンジワインですが、渋味が柔らかく穏やかで、ピュアな果実の風味が豊かなのが特徴です。

ジョージアの北西サメグレロ地方、5人の友人たちと設立したマルト・ヴィレの中心人物であるザザが造ったオレンジワインです。

除梗したブドウをクヴェヴリで約1ヶ月間醸して少しプレス。5ヶ月間発酵し、そのまま3ヶ月間熟成。マロラクティック発酵後、無濾過・無清澄、SO2は容器の洗浄にだけ使い瓶詰めされます。

by National Wine Agency of Georgia

クヴェヴリ内で低温に保たれたまま発酵・熟成を行い、卵型の形状で自然発生する対流がピュアなブドウそのものの旨味を行き渡らせ、ゆるやかに酸化し優しく抽出されたタンニンが溶け込んだ味わいとなります。

アプリコットのコンポート、トロピカルフルーツのチャツネのような香り。穏やかな渋味、程よく全体を引き締める酸味、余韻にはアールグレイティーの風味がふんわりと香り華やかなフィニッシュとなります。

このワインをバターチキンカレーに合わせることで、トロピカルフルーツの香りがまるで、マンゴーのチャツネを添えたかのような甘やかなアクセントとなりスパイス感を引き立て、マロラクティック発酵を経た穏やかでリッチな風味がカレーのコクとマッチします!

* 原産国:ジョージア
* 産地:サメグレロ地方
* 品種:ムツヴァネ・カフリ
* 生産者:マルト・ヴィレ
* 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
* 容量:750ml

世界各国のワインを本格インド料理に合わせてお楽しみいただけると幸いです。

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Haruka Kageyama

JSA Sommelier
The Ritz Carlton Tokyo Azure45や、阿部誠氏が率いる「東京ぶどう酒店」、「サロン・ド・シャンパーニュ ヴィオニス」、フランスのシャンパーニュ地方ランス「Domaine les Crayéres」にて10年以上サーヴィス、ソムリエールとして働く。
現在様々な形でワインを広めるべく雑誌やウェブメディアにて執筆中。 Haruka Kageyamaの記事一覧 

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