今飲んでおきたいビオワイン5選
最近なにかと話題のビオワインですが、皆さまはどんな印象をお持ちでしょうか?型にはまらない個性的なものが多く、品種や色、香りも様々です。
今回は、今飲んでおきたいビオワインを国別に5つご紹介させて頂きたいと思います。
宮城県川崎町のワイナリー「Genchi」
1つ目は、日本のビオワイン、宮城県川崎町のワイナリー「ファットリア アル フィオーレ」NECOシリーズ「Genchi」です。
ファットリアアルフィオーレ代表の目黒浩敬氏は、元仙台で知る人ぞ知るイタリアンレストランのオーナーシェフで、かつてテレビ番組「情熱大陸」にも出演されたことがあります。
震災など様々なきっかけで、現在の地に人が集まる場として農園をつくるというコンセプトの一環として、ワイナリーを立ち上げました。
もちろんぶどうも作っています。2017年までは、山形のグレープリパブリックさんのワイナリーでワイン造りをしていましたが、この2018ヴィンテージから、宮城県の廃校をリノベーションした自身のワイナリーで醸造を開始しています。
NECOシリーズは、亜硫酸などの添加物は一切使用せず、原材料「ぶどう」だけで造られています。その中でも、この「Genchi」は、非常にアロマティックで、ナチュラルな香水のような香りに特徴があるワインです。
品種は、日本ワインでよく使われているナイアガラ、ネオマスカットや、ロザリオビアンコという大粒の高級食用ぶどう品種がブレンドされています。
レモングラスのような、ハーブの香りが心地よく少し苦味のある余韻が非常に心地よいワインです。1年くらい寝かしても変化が楽しめそうなワインです。
イタリア フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州「ラディコン オスラーヴィエ」
2つ目は、イタリア フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州「ラディコン オスラーヴィエ」です。
自然派ワインの巨匠といわれるスタンコ・ラディコン氏の造るワインです。ラディコン氏は、オレンジワインを世界に広めた重要な人物の1人でもあります。
残念ながら2016年にスタンコは他界し、現在は息子のサシャが継承しています。オスラーヴィエとは、ラディコンの貯蔵庫がある地域のことを指します。
こちらのワインは、シャルドネ、ピノ・グリージョ、ソーヴィニヨンの3種類をブレンドしています。白ワインと思えない深い色合いと、タンニンがあり、日本の出汁のような深みのある味わいでクセになるワインです。
シェリー種のようなニュアンスも感じられます。白ワインは赤ワインのような深みや熟成感の趣がないという概念に疑問を持ち、こだわりつづけたラディコンならではの熟成感が味わえる1本です。
フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州で栽培の盛んなリボッラ・ジャッラという品種で造ったラディコンのワインもオススメです。
フランス アルザス地方「サヴール」
3つ目は、フランス アルザス地方の「ドメーヌ ビネールのサヴール」です。アルザス地方コルマール近くにあるこのドメーヌは古くからの名門の一家ですが、現在の生産者クリスチャン ・ビネール氏は、自然に最も近い状態でのワイン造りを目指し無農薬を徹底しSO2もほとんど使用しておりません。
「サヴール2018」は、リースリング、ゲヴェルツトラミネール、シルヴァネール、オーセロワという、アルザス地方を代表する品種のブレンドとなっており、白桃のような香りで、トロッとした質感のワインです。
アルザスらしいスッキリした酸もあり、コストパフォーマンス抜群の1本です。クリスチャン・ビネール氏のワインには、独特の心地よい香りと風味があり、他の品種やロゼワインなどもオススメです。
アメリカ カリフォルニア州「ラブ・ホワイト」
4つ目は、アメリカ カリフォルニア州のワイナリー「ブロック・セラーズのラブ・ホワイト」です。
生産者のクリス・ブロックウェイ氏が、自らソノマやナパ、あるいはオレゴンにまで質の良い有機栽培やビオディナミのぶどうを車で運んでくるそうです。
すぐに運搬したぶどうでワインが造れる利点から、彼のワイナリーは交通の便がよい倉庫街に位置しており、都市型ワイナリーと呼ばれています。
こちらの白ワインは、品種はマルサンヌ、ルーサンヌ、グルナッシュブラン、ピクプールといった、フランス ローヌ地方で良く使われる品種のブレンドとなっています。樽を使用した、カリフォルニアらしい緩やかな酸のコクのある白ワインです。
ビオワインの中では、濁りなどのない綺麗なワインで、独特のビオワインがちょっと苦手な方にも受け入れやすいワインです。なによりも、エチケットの小さなハートが可愛くて、贈り物にも最適ですね。
オーストラリア サウスオーストラリア州「ブロゼ」
5つ目は、オーストラリア サウスオーストラリア州「イエティ アンド ザ ココナッツのブロゼ」です。
生産者は、イエティことデイヴ・ゲイヤールと、ココナッツことコーエン・ジャンセンで、醸造はデイヴが行い、販売はココナッツが行う分業スタイルをとっています。
彼らのワインには、エチケットにイエティという、ヒマラヤに住むと言われているUMA(未確認動物)が描かれており、デイヴの自画像ともされています。
パステル調のほんわかしたイラストが多く、味わいも優しく包んでくれるようなほっとするワインで女性に大変人気です。
このワインの品種は、ゲヴェルツトラミネール、グルナッシュ、カベルネフランのブレンドで、若干のタンニンが感じられいつもより骨格のある風味です。
ワイン名の「ブロゼ」は、「B’Rose」と綴られ、男のロゼと称しているのが、うなづけます。
いかがでしたか?なにか気になるものは見つかったでしょうか?
お気に入りの1本が見つかったら、同じ生産者の他のワインを飲み進めてみるのも、ワインの楽しみ方の1つです。是非お試しください。
《関連記事》
・格付けなんか気にしない!自由を愉しむビオワイン
・おいしいビオワインに出会うための4つのトピックス
・ビオワインとオーガニックワインの違いとは?
日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート
365日違うワインを呑むをモットーに、自然派ワインを毎日嗜んでいます。
造り手さんの思いや製造工程に興味があり、人と地球に優しいワインを大切にその良さを伝えるワインセミナーを不定期で開催しています。
時本 早緒里の記事一覧
新着口コミ
ワインペアリングを楽しめるお店、レストランを探す
都道府県から探す