コスパ抜群!おうちで始めるワインペアリングのススメ
「ワインのペアリングをしてみたいけど、美味しいワインって高いし、合わせる料理も作れるか不安・・・。」
そんなお悩みをお持ちの方、いらっしゃいませんか?
そんな方にぜひおすすめしたいのは「チリワイン」です!

チリワインをおすすめする理由は2つ。
まず1つ目は、「値段の安さ」です。
チリでは、効率化を進める大規模ワイナリーが多いことで、ワインの製造コストが低く抑えられています。
また、2019年に日本との関税が撤廃されたことで、ワインを他の国よりも安く輸入することが可能になりました。
これらのような理由から、日本ではチリワインを安く購入することが出来るのです。
そして、2つ目の理由は、「豊富な果実味と少ない渋み」です。
チリのブドウ畑は、「豊富な日照量」「昼夜の寒暖差」「降雨量の少なさ」と三拍子揃った典型的な地中海性気候のためブドウは良く熟し、果実味満点で渋みが少ないワインに仕上がります。

味も美味しくて値段も安い、まさに、おうちで飲むワインに最適です。さらに、普段食卓に並ぶような家庭料理にも合わせやすいので、かなりコスパの良いワインペアリングを楽しめます。
それでは今回は、家庭料理に合わせたチリワインペアリングを3つご紹介します!
①ポテトサラダ × 樽シャルドネ

定番のお惣菜といえば「ポテトサラダ」ですよね。ジャガイモのホクホク感と野菜の甘み、マヨネーズで和えたなめらかな口当たりが病みつきになります。
このポテトサラダにおすすめなのは、「樽を使ったシャルドネ」のチリワインです。

* 原産国:チリ
* 産地:カサブランカヴァレー
* メーカー:テラ・ヴェガ
* 品種:シャルドネ100%
* タイプ:辛口
* 容量:750ml
チリの中でも特に寒流の影響を受け、冷涼な産地で知られるカサブランカヴァレー。
ここで育ったシャルドネから造られたワインは、すっきりとした西洋梨や白桃などの果実の風味に加え、ほんのりとクローブやシナモンなどの香り。
しっかりとしたコクと余韻も感じながらも、ほど良い酸のおかげで全体的にまとまりのある仕上がりになっています。
このワインをポテトサラダと合わせることで、ジャガイモなどの根菜のコクや風味とワインの果実味がマッチします。
さらにワインの樽熟成によるほのかなスパイスの香りがポテトサラダの風味に複雑さをもたらすことで、さらに奥行きのある味わいを楽しめるペアリングとなりますよ!
★ペアリングの効果が高まる!お手軽アレンジポイント
①ポテトは熱々のうちに下味をつける。
②ほんの少しのシナモンとクローブを加えて風味をプラス。
③キュウリなどは塩でもんで余分な水分を抜く。
④マヨネーズを和えるのはしっかり粗熱を取ってから。一緒に、レモン汁をひとたらし。
⑤ソテーしたベーコンを加えることで旨味がアップ。
以上5点のコツで、ワインとの相乗効果もグッと上がります!
②餃子 × ロゼスパークリング

パリッと焼いた皮の香ばしさと、噛むとあふれ出る肉汁!
餃子が食卓に並ぶとみんなの顔がほころぶ、家庭料理のスター選手ですよね。
この餃子に合うおすすめのワインは、、

▶︎コノスル スパークリングワイン ロゼ ヴィーニャ・コノスル
* 原産国:チリ
* 産地:ビオビオヴァレー
* メーカー:コノスル
* 品種:ピノ・ノワール 100%
* タイプ:辛口
* 容量:750ml
チリ南部の冷涼なエリア、ビオビオヴァレーというところで造られたロゼ・スパークリングです。
こちらのワインは、シャルマ方式という大きな密閉耐圧タンク内で二回目の発酵をさせる製造方法で造られており、空気に出来るだけ触れさせないことでブドウ品種本来の香りが楽しめます。
ピノ・ノワール特有の華やかな赤い果実の香りとしっかりとした酸が特徴で、餃子の皮の香ばしさや餡のジューシーなうま味と甘みにぴったりのペアリングです!
★ペアリングの効果が高まる!お手軽アレンジポイント!
今回はワインペアリングをより楽しむ為に、添える醤油もひと手間加えて、「コク旨バルサミコ醤油」を作ってみましょう!
【材料】
・バルサミコ酢……30㏄+10cc
・醤油……30㏄
【作り方】
・バルサミコ酢30ccを小鍋に入れ、弱火で煮詰める。

・とろっとしてきたら醤油を加え、一煮立ち。

・火からおろし、粗熱を取ってから10ccのバルサミコ酢を加える。

以上です。この方法で作ったバルサミコ醤油の利点は3つ。
①バルサミコ酢の凝縮感とコクが増す。
②醤油も火を入れることでまろやかに。
③最後に火を入れていないバルサミコ酢を加えることで、ほど良い酸味とフレッシュな果実感をプラス。
この、コク旨バルサミコ醤油を付けて餃子を食べれば、ワインとのペアリング効果もぐっと高まりますよ!
③肉じゃが × メルロー

はい、最後は肉じゃがです。家庭料理といえば、と聞いたら肉じゃがを挙げる人も多いのではないでしょうか?
豚肉、野菜、しらたきにしっかりと染み込んだ、醤油やみりんのコクと甘み。白いご飯が進む、おかずの王様です。
それではこちらにもワインをチョイスしてみましょう!

* 原産国:チリ
* 産地:セントラルヴァレー
* メーカー:エスプエーラス
* 品種:メルロー 100%
* タイプ:辛口
* 容量:750ml
良く熟したチェリーやブラックベリーの凝縮感のあるフルーツの香りに加え、ふんわりと黒コショウやシナモンのニュアンス。
味わいはしっかりとした果実味が感じられ、タンニンは穏やかで滑らかな口当たりです。豊かなコクで心地よい余韻を楽しめます。
肉じゃがのしっかりとしたうま味がワインの果実味によってぐっと引き立ち、また、チリのメルロー特有のまろやかさが、醤油や砂糖の甘辛さと上手くバランスを取っています。じんわりと、身体に染み入るペアリングですよ!
★ペアリングの効果が高まる!お手軽アレンジポイント!
・肉じゃがのそれぞれの素材のうま味を最大限に引き出すため、水や出汁は使わずに素材の水分だけで作る。
・日本酒を赤ワインに変えるとワインとの相性が良くなり、コクも出る。
・肉と野菜は軽く炒めて、余分な水分を抜く。調味料を加えたらしっかりと蓋をして、旨味を逃さない。
・砂糖はお好みよりもやや控えめに。こうすることでワインの果実味がより一層アップ。
以上のように、料理もワインと一緒で余分な水分は足さない・引かない。これがうま味を引き出すポイントです!

いかがでしたでしょうか?今回ご紹介した、3つのチリワインと家庭料理のペアリング。
今までは難しいと思っていたワインペアリングも、グッと身近に感じられたのではないでしょうか。
安くて美味しいコスパの良いチリワインと、着飾らない普段の家庭料理のペアリング。ぜひご家庭でも、「おうちペアリング」を始めてみてくださいね!

料理人
JSA認定ソムリエ
横浜で20年以上、料理人としての研鑽を積む。ソムリエ資格も持ち、料理人目線でのペアリング、ソムリエ目線でのペアリング、それぞれの視点から、料理とワインの最良の相性を追及し、メニュー作成に取り入れている。
リピーターゲストに直接自らが作った料理をサーヴし、相性の良いワインを勧める事も。好きなものは、料理(イタリアメイン)・お酒全般 (特にワインとシングルモルト)・バー・トレイルランニング・西洋画(ゴッホ・ロートレック)・花・読書(夏目漱石・江戸川乱歩・京極夏彦)
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