ペアリングワイン

ニュージーランドワインを世界に広めた「クラウディ・ベイ」とは?

皆さん、今まで飲んだことのある・聞いたことのあるニュージーランドワインをいくつ覚えていますか?まず一番始めに上がってくるワイナリーは「クラウディ・ベイ」ではないでしょうか?

私自身も、恥ずかしながらニュージーランドへ行く前に日本で飲んだことがあるニュージーランドワインは「クラウディ・ベイ」とその他ワインショップで目にする数種類のワインのみでした。

ニュージーランドワインを愛する私としては、もっともっと沢山のニュージーランドワインを皆さんに知って頂きたいと思う気持ちがあります。

今回はそんな中「ニュージーランドワイン」を語る上では避けて通れないニュージーランドワインを世界に広めたといっても過言ではない「クラウディ・ベイ」ワイナリーをご紹介していきたいと思います。

この記事を読んで頂いた後に皆さんが少しでもニュージーランドワインを手に取ってみたい!と思っていただけるきっかけとなれば嬉しいです。

ニュージーランドワインの可能性を世に広めた立役者「クラウディ・ベイ」

クラウディ・ベイの歴史は1985年から始まります。当時オーストラリアで既に名声を集めていた「ケープ・メンテル(現在、同MHD傘下)ワイナリー」の醸造責任者デイヴィッド・ホーネンさんがマールボロ地方に訪れた際、1970年代からマールボロ地方で栽培が始まっていたソーヴィニョン・ブランを飲んで「これは新しいスタイルだ!」と大感激。

その勢いのまま1985年「クラウディ・ベイ ソーヴィニョン・ブラン」を生産しました。その後、旧世界のソーヴィニョン・ブランとのスタイルの違いが受け「トロピカルフルーツ×グラッシー」さがニュージーランド ソーヴィニョン・ブランの代名詞となり、ニューワールドのソーヴィニョン・ブランとして確固たる地位を築きました。

また、ニューフェイスで歴史が浅いながらも「ニュージーランドワイン=高品質」のイメージを作り上げた背景のひとつには2003年にMHD(モエ ヘネシー ディアジオ *ルイ・ヴィトン、ドンペリやモエシャン等世界各国の‟ラグジュアリー“を取り扱う世界最大グループ)に買収されたことが挙げられるでしょう。

現在140近くあるマールボロ地方のワイナリーも2000年代初めには35軒ほどしか存在していませんでした。そんな世界の中でも小さな小さなワイン村のワイナリーが「ヴーヴクリコ」や「クリュッグ」などのワイン産業のトップカンパニーと同じ傘下に入ったことで「マールボロ地方の」そしてまた「ニュージーランドの」ワイン産地としての可能性を確固たるものにしたといえるでしょう。

実際にマールボロ地方でみた「クラウディ・ベイ」

実際に、ニュージーランドのワイナリー巡りをし「クラウディ・ベイ」のヴィンヤードで収穫のお手伝いをさせて頂いた筆者が実際にみて聞いたことをお話します。

「手摘みにこだわる」

ニュージーランドのブドウ収穫時期である3~4月にマールボーロ地方にて収穫のお手伝いをしていたのですが、そこには各国から集まったハンドピッキングチームが150名以上。皆で力を合わせてハサミを使ってブドウをカットしていきます。

とても失礼なことをいいますと、いくら「手摘み」を謳っていてもすべてを手摘みで行っているのか?という半信半疑の気持ちでおりました・・がこれは紛れもない事実でありました。(笑)

いくら人数が多いとは言え、広大なヴィンヤードを持つ「クラウディ・ベイ」では、私語が多い人は注意されるという日本人の私ですら驚く業務効率とスピード感!さすが、世界的ブランド。

実際にワインメーカーの方にニュージーランドワインのトップカンパニーとなったことについてお話を伺った際「大きな組織に入ることで他人からの見方が変わることもある。しかし、ニュージーランドワインの可能性が広がるのであればそのきっかけになることを誇りに思います」とおっしゃっていました。

クラウディ・ベイ ワイン ラインナップ

現在、主要で取り扱っているラインナップは計6種類。

<メインラインナップ>

Sauvignon Blanc

Pinot Noir

Chardonnay

<上級キュヴェ ラインナップ>

TE KOKO(Sauvignon Blanc)

TE WAHI(Pinot Noir)

<スパークリングワイン>

PELORUS

今回はその中でも上級キュヴェのラインナップ
TE KOKO(Sauvignon Blanc)、TE WAHI(Pinot Noir)について紹介していきます。

▶︎TE KOKO

TE KOKOはメインラインナップのソーヴィニョン・ブランとは全く別の製法で造られます。マールボロ地方の6つの異なるヴィンヤードから厳選されたソーヴィニョン・ブランを収穫し、圧搾された果汁はフレンチオーク(新樽8%)で発酵され、15ヵ月間熟成させます。

その為、ソーヴィニョン・ブランのフレッシュ&グラッシーさが少し落ち着きボリューミーな印象です。リンゴや桃などの熟した果実とグアバなどのパッションフルーツの果実味、そしてしつこすぎないトースト等様々なアロマが混ざり合い複雑味を持つワインです。新たなソーヴィニョン・ブランの可能性を見せてくれます。

*原産国:ニュージーランド
*畑:マールボロ地方
*品種:ソーヴィニョン・ブラン
*容量:750ml
*ペアリング:
クラウディHPでは世界の食材とのペアリングが紹介されており、このTE KOKOは日本の鰹節との相性が良いと紹介されています。個人的には鰹節のような繊細ながらしっかりと海のパワーを感じる食材はもちろん、ガツンとしかし素材の旨みを100%活かす鉄板焼きで伊勢エビやホタテなどと合わせて頂いたらベストマッチではないかと思います!

▶︎TE WAHI

TE WAHIはマールボロ地方ではなく南島オタゴ地方のピノ・ノワールから造られます。マールボロ地方のピノ・ノワールと比べてしっかりとタンニンがありパワフルな印象。その力強さはワインの色味にも表れ、黒々としたガーネットに近いルビー色と言えるでしょう。

熟したプラムにスパイシーさが加わりタンニンによりワインの骨格がしっかりとしておりワインのポテンシャルの高さを物語っています。これもまたピノ・ノワールの可能性をひしひしと感じさせてくれる1本です。

*原産国:ニュージーランド
*畑:オタゴ地方
*品種:ピノ・ノワール
*容量:750ml
*ペアリング:
世界の料理とのペアリングでは中国の北京ダックとのペアリングも紹介されています。また、イタリアの黒トリュフなどのペアリングも紹介されておりリッチなテイストのお食事と合わせて頂きたいワインです。日本料理とのペアリングなら、たっぷりとタレに漬けた鰻の蒲焼ともバッチリマッチすることでしょう!

クラウディHPを覗くとその他世界各国の食材とのペアリングが紹介されています。日本の食材とのペアリングも紹介されていますので是非参考にしてみてはいかがでしょうか。

「クラウディ・ベイ」ワインを飲んだことのある方も、ない方も今週は是非ニュージーランドワインを代表するワイナリー「クラウディ・ベイ」のワインをお手に取ってみてはいかがでしょうか?

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高橋 宗子

【お家で楽しむワイン提案のワインエキスパート】
ニュージーランドワイン好きが高じて、ワイナリー・ブドウ畑巡りをする為ニュージーランドへ移住。
都内ワインインポーターにて星付きレストランにもワイン紹介をしてきた経験を活かし「お家でも気軽に楽しめるワイン時間」を提案しています。 高橋 宗子の記事一覧 

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