ペアリングワイン

ワインのプロも唸る!ニュージーランドの絶品ワイン紹介

プレミアムワインの時代へ

世界的に人気のあるニュージーランド マールボロのワイン。マールボロと名乗れば売れてしまうので、規定の85%以外は他の地域のブドウが混ぜられていながら、マールボロの名で販売されていたり、収穫量の多い年には、大量のワインを流通させてしまい、生産過剰による品質の低下や、流通過多で市場価値が下がってしまうという自体にも陥っています。

多くの生産者から、マールボロのワインを守るために、GIニュージーランドの原産地呼称では守りきれないので、新しい原産地呼称の基準を設けようという動きがあり、漸く2018年6月にアペレーション・マールボロ・ワイン(AMW)が登録されました。

今後のニュージーランドワインも、プレミアムワインがより成長していく流れだと思われます。ソムリエとしても、一消費者としても、そういった品質への拘りのあるワインを飲んで、消費することで支えていきたいという思いが強くあります。

今回は、そんなプレミアムワインの中でも絶品の味わいで、是非飲んでいただきたいニュージーランドワインを紹介させていただきます。

マルサンヌ ケンブリッジ ロード

マーティンボローで一番最初に有機栽培に取り組んだことでも知られるケンブリッジ・ロード。

ニュージーランドワインの型にはまらないスタイルで、自然なワイン造りを行なっているので、『新たなる古典』と称されています。

このマルサンヌは、ニュージーランドのビオディナミのパイオニアであるミルトン・ヴィンヤーズのマルサンヌを全房発酵、長期間果皮浸漬させたオレンジワインです。

杏、洋梨のタルト、ブリオッシュ、ジャスミンのアロマティックな香り、豊潤な果実味に、穏やかな酸味、塩味がかったミネラルがセイブリーで、リッチでコクのあるスタイル。なかなか見かける機会が少ないワインなので、見つけたらラッキーです。

相性料理は、豚肉のシャルキュトリーや、ホタテ貝や、白身魚のムニエルです。

▶︎マルサンヌ ケンブリッジ ロード

* 原産国:ニュージーランド
* 産地:マーティンボロー
* 品種:マルサンヌ
* 生産者:ケンブリッジ・ロード
* 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
* 容量:750ml

ミルトン ヴィンヤーズ シュナンブラン テ アライ ヴィンヤード

ニュージーランド北島のギズボーン近郊のテ・アライ川の川岸に位置するワイナリーで、ニュージーランドにおけるビオディナミのパイオニアです。

ニュージーランドのシュナン・ブランといえば、ミルトン・ヴィンヤードが最も有名で、世界的にも高い評価を受けています。個人的には、潮風を受けて育ってほんのり塩味のするヴィオニエもとってもおすすめです。

グレープフルーツ、蜜リンゴ、パッションフルーツ、白い花、生姜の香り、滑らかで少しオイリーな質感、豊かな果実味が有りながらも、ジワジワと広がる旨味を伴う酸、柑橘果皮を想わせるほろ苦味がありドライな味わいです。

豚の生姜焼きとよく合うので、ぜひお試しください。

▶︎ミルトン ヴィンヤーズ シュナンブラン テ アライ ヴィンヤード

* 原産国:ニュージーランド
* 産地:ギズボーン
* 品種:シュナン・ブラン
* 生産者:ミルトン・ヴィンヤーズ
* 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
* 容量:750ml

マテズ・ヴィンヤード・シャルドネ クメウ・リヴァー

ニュージーランドで、ブルゴーニュスタイルのシャルドネのワインを造らせたら右に出るものはいないとさえ言われているクメウ・リヴァー。

ニュージーランド初のマスター・オブ・ワインになったマイケル・ブラコヴィッチ氏がワインメーカーを勤めています。

エステートも良いのですが、最もオススメなのが、マテズ・ヴィンヤードのシャルドネです。

まるでモンラッシェを彷彿とさせる芳醇で複雑性のある香りなのですが、飲んでみるとニュージーランドらしい爽やかさも持ち合わせていて、余韻も重くならずに愉しめる魅力があります。

相性料理は、あん肝煮です。

▶︎マテズ・ヴィンヤード・シャルドネ クメウ・リヴァー

* 原産国:ニュージーランド
* 産地:オークランド
* 品種:シャルドネ
* 生産者:クメウ・リヴァー
* 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
* 容量:750ml

グレイ・ワッキ・ワイルド・ソーヴィニヨン・ブラン

クラウディ・ベイの醸造長を務めたケヴィン・ジュッドが独立し、始めたグレイ・ワッキ。経験を活かした素晴らしいワインを造りだしています。

このキュヴェ は、除梗せず、野生酵母による発酵が行われたワインで、奥行きがあり、爽やかさだけではないソーヴィニヨン・ブランの魅力が詰まっています。

グレープフルーツ、ライチ、アプリコット、青草、アカシアの花の蜜、ローストセサミ、ヴァニラの複雑性のある香りが広がり、厚みがあり豊かな果実味、酸も豊かで、グレープフルーツの果皮を想わせる心地よい苦味と共に長い余韻に繋がります。

樽発酵を行なっていることもあり、クラウディ・ベイのテココと似た印象も受けますが、よりフレッシュで豊潤な果実味が感じられます。

相性料理は、じゃがいものハーブソテー、白身魚のごま焼きなどです。

▶︎グレイ・ワッキ・ワイルド・ソーヴィニヨン・ブラン

* 原産国:ニュージーランド
* 産地:ワイラウヴァレー
* 品種:ソーヴィニヨン・ブラン
* 生産者:グレイ・ワッキ
* 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
* 容量:750m

セレシン・エステイト ソーヴィニヨン・ブラン

映画『ハリー・ポッター3』を手掛けた映画監督マイケル・セレシンが、1992年に設立したワイナリーです。マール・ボロでの、ブドウ栽培の先駆者としても知られています。

ビオディナミ、手摘みによる収穫など拘りの詰まったワイン造りをしています。エチケットには、そんな手作業の拘りを表して、手形がデザインされています。

パッションフルーツ、パイナップルの弾けるトロピカルフルーツの香りに、濡れた石、青草の爽やかな香り、ジューシーな果実味に、フレッシュな酸、豊かなミネラルが全体を引き締めます。

相性料理は、ソムタムのサラダ、山菜の天ぷらなどです。

▶︎セレシン・エステイト ソーヴィニヨン・ブラン

* 原産国:ニュージー・ランド
* 産地:マール・ボロ
* 品種:ソーヴィニヨン・ブラン、セミヨン
* 生産者:セレシン・エステート
* 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
* 容量:750ml

クスダ・ワインズ シラー

ニュージーランドで活躍する日本人醸造家の先駆けになった楠田浩之さんのクスダ・ワインズのワインは、世界中のワインラヴァーが欲しがる入手困難なワインです。美しすぎるシラーは、誰も真似ができないように感じられます。

ブラックべリー、プルーン、菫の花の砂糖漬け、ローズペタル、クローヴ、腐葉土の香り、滑らかな口当たりに、ピュアな果実味とシームレスでエレガントな酸、キメ細やかで繊細なタンニンがよく纏まり、長い余韻へと続きます。

相性料理は、しっとりと火を入れた鳩肉のローストなどです。

▶︎クスダ・ワインズ シラー

* 原産国:ニュージーランド
* 産地:マーティンボロー
* 品種:シラー
* 生産者:クスダ・ワインズ
* 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
* 容量:750ml

クスダ・ワインズ ピノ・ノワール

DRCを彷彿とさせるピノ・ノワールは、世界中で入手困難。クスダ・ワインズといえば、このピノ・ノワールが最も有名で、楠田浩之さん自身が最も好きなブドウ品種も、ピノ・ノワール。

いつかこのピノ・ノワールで世界でもトップレベルのワインを造りたいと夢を掲げて、本当にその通りになった素晴らしいワインです。

フランボワーズ、チェリー、菫の砂糖漬け、ローズペタル、森の下草、アールグレイの香り、滑らかな舌触り、口に含むとほんのり冷んやりと感じさせ、ピュアで瑞々しい果実味、シームレスな酸と穏やかなタンニンが結びつき、華やかな香りが鼻から抜け、余韻も長く続きます。

相性料理は、ロゼ色に焼き上げた鴨のローストなどです。

▶︎クスダ・ワインズ ピノ・ノワール

* 原産国:ニュージーランド
* 産地:マーティンボロー
* 品種:ピノ・ノワール
* 生産者:クスダ・ワインズ
* 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
* 容量:750ml

どのワインも今の蒸し暑い時期的にも、おすすめのワインです。お召し上がりいただくと、きっとニュージーランドワインがもっと好きになりますよ。

楽しいワインライフをお過ごし下さい。

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Haruka Kageyama

JSA Sommelier
The Ritz Carlton Tokyo Azure45や、阿部誠氏が率いる「東京ぶどう酒店」、「サロン・ド・シャンパーニュ ヴィオニス」、フランスのシャンパーニュ地方ランス「Domaine les Crayéres」にて10年以上サーヴィス、ソムリエールとして働く。
現在様々な形でワインを広めるべく雑誌やウェブメディアにて執筆中。 Haruka Kageyamaの記事一覧 

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