ペアリングワイン

焼肉×赤ワインは本当に合うの?

夏と言えば、焼き肉。

焼き肉と言えば、キンキンに冷えた生ビール!という話はここでは置いておいて、今回は「焼き肉とワインのペアリングについて」深掘りします。

ワイン選びのコツを知って、ペアリングのバリエーションを楽しみませんか?

ワイン愛飲家の焼き肉屋さんあるある

焼き肉とワインのペアリングについて深掘りする前に、ワイン愛飲家と焼き肉屋さんの現状を考えてみましょう。

レストランでは、近年プレート毎のペアリングをするお店が増えてきましたが、焼き肉屋さんで見かけるのはわずか。

また、ワインリストはあってもボトルメニューがほとんどで、愛飲家を満足させるバイザグラスの選択肢は決して多いとは言えないですよね。そこで出てくるのが、ワイン愛飲家あるあるの悩み、~ボトルかグラスか~。

「使い勝手の良いボトルワインを選びたい」

ストイックに美食を極める場合は別として、日常に焼き肉を楽しむ際、一皿一皿ワインを変更するわけにもいきません。何かボトルを1本決めなくてはいけない状況になるわけです。

定番の焼き肉メニューはこのような感じでしょうか。

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例:前菜、タン塩、豚トロ、海老、カルビ、ハラミ、赤身ロース、シメ
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味わいのライトなものから、濃厚なものまでお肉を存分に楽しめるのが焼き肉の醍醐味です。

ではワインは何を合わせましょう?

赤ワインのポイント

赤ワインの持つ甘味や果実味は、肉の脂が持つ自然な甘味を相乗作用で引き立ててくれるメリットがあります。

また、渋み(タンニン)は肉にやや残る動物香をポジティブなものにし、口に残る脂をリンス。さぁ次の肉を食べよう!という気持ちにしてくれます。

一方、その果実味や甘味が強すぎると、淡白なタイプの肉や海鮮類の旨味は感じ難くなってしまいます。また渋味(タンニン)は、ポン酢ダレやレモンとは相反し、ワインも肉もどこかぼんやりした味に感じてしまいます。

例えばタン塩レモンと、濃厚でタンニンがどっしりしたカベルネソーヴィニヨン主体のワインとは相性が良いとは言えませんよね。

私はペアリングを考えるとき、メニューから想定される味わいの要素をヒントにして、それらと相性の良い味わいがバランスよく入っているワインを選びます。主に酸味、甘味、塩味、渋味などが中心です。

では具体的にワインのタイプ別に例をもって説明していきましょう。

スパークリングワイン ~シャンパーニュ~

近頃は肉シャンといった、焼肉とシャンパーニュのペアリングを推すお店を見かけるようになりましたよね。

では、お家で焼き肉をする場合、選ぶスパークリングワインは、シャンパーニュならどれを選んでも良いのでしょうか。

具体的なボトルをピックアップして、私の小さなこだわりをご紹介します。

◆甘味+シュワシュワの使い勝手の良さ
〜セックという選択〜

▶︎テタンジェ・ノクターン・セック・スリーヴァー N.V.

スパークリングワインの甘辛度を示す表記ではBrutと書かれているものが多く見られます。

近年の流行りで超辛口の補糖ゼロのもの等も人気です。ですが、私はお家で焼き肉×シャンのときはセック(辛口を残しつつやや甘口タイプ)を選びます。

このテタンジェのセックは酸味と甘味のバランスが良く、タン塩レモンからロース肉の脂の甘味まで見事にマリアージュしますよ。少しツウな選択ですが、是非お試し頂きたい組み合わせです。

白ワイン ~品種に注目〜

美味しい白ワインは沢山あって迷いますよね。樽の香りが心地よいものや、オレンジなどの柑橘類の香りに癒されるものなど、バリエーションは様々です。

白ワインが飲みたい気分の日、私は品種にフォーカスして選びます。

|品種:ヴィオニエ|

▶︎フランス/コンドリュー:E ギガル

焼き肉と合わせる際、蜜や果実の甘味の余韻+ハーブの香りを感じとれる品種を選びます。またこのようなタイプは温度による香りや味わいの変化が分かりやすく、温度があがるに連れてしっかりしたボディを顕わにします。ちょうど焼き肉の軽→重のメニューの流れとマッチしているのです。とても使い勝手の良い品種と思いませんか?

ロゼワイン、オレンジワイン

個人的には、このタイプのワインを選ぶことが多いです。リーズナブルなのに使い勝手が良く、焼き肉の味わいを活かしてくれるペアリングが出来ます。

|国とタイプ|

▶︎フランス/タヴェルロゼ:E ギガル タヴェル

▶︎イタリア/オレンジワイン:カルロ タンガネッリ:アナトラーゾ

選ぶときのポイントは、タンニンを感じとれる果実味豊かなタイプを選ぶのがポイントです。

やっぱり王道赤ワイン

先にも書きましたが、赤ワインとのペアリングにはポイントがあります。ですが、メニューの味わいの要素を丁寧に考えれば、最初から最後まで素晴らしいマリアージュをする赤ワインは沢山見つかるのです。

|国と品種:アメリカ/ピノ・ノワール|

▶︎アルタ・マリア ヴィンヤード ピノ・ノワール

ピノ・ノワールは世界中で作られていますが、カリフォルニアで作られるアルタ・マリアのピノ・ノワールは、果実味や酸味のバランスが良く、樽の香りやタンニンが控えめながらも飲みごたえのある強さも兼ね備えています。

タンニンがライトなメニューのペアリングを邪魔することなく最初から最後まで楽しむことができる「上品で優秀な焼き肉ワイン」です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。簡単なワインペアリングのコツを知って、ペアリングを楽しめるワインのバリエーションを増やして頂けたら嬉しいです。ただし、ルールやコツも大切ですが、その日の気分も大切にしてくださいね。

ちなみに、私の今の気分は元サッカー選手中田英寿さんプロデュースのイタリア/ランブルスコとハラミです!

▶︎イタリア/ランブルスコ バーチョ カンティーナ チェーチ(Lambrusco Bacio Cantine Ceci)

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Yasuyo Ito

Webライター/日本ソムリエ協会認定 ワインエキスパート/WEST level2 English
アパレルメーカー、広告代理店と異業種へ転職する中、プライベートではワイン愛好家歴20年。
資格取得をきっかけにワイン愛好家のコニュニティーを広げ、「ワインのある暮らし」をテーマにSNS、webメディアなどで執筆中。日本にもっとワイン好きを増やすべく、極力専門用語は使わないのがマイルール。
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