キッチンに眠っていませんか?バルサミコ酢を使ったワインに合う料理
「この料理作ってみたい!」と、気分が上がり、買ったはいいけどそれ以降めっきりお世話になることがなくキッチンに眠っている調味料、誰しもひとつはあるのではないでしょうか?
かく言う私も、「一度きり」の関係になってしまった調味料たちがキッチンの引き出しの奥底に眠っております・・(涙)。
そんな調味料のなかでも、多くの方がわかる!と共感する一度きり調味料はバルサミコ酢ではないでしょうか?

イタリア料理をはじめとし、ヨーロッパ料理に多く使われますが、やはり和食が主となることが多い日本の家庭では、バルサミコ酢を活用したお料理が頻繁に登場することは少ないのではないかと思います。
今回の記事では、今晩すぐにでも使っていただける「バルサミコ×ワイン」のペアリングをご紹介します。是非参考にしてみてくださいね。
バルサミコ酢ってなに?

さて、バルサミコ酢レシピをご紹介する前にバルサミコ酢について少し理解を深めていきましょう。
バルサミコ酢といえば、黒みを帯びてやや粘度のあるとろっとしたお酢ですが、そもそも原料はなにかご存知ですか?
もともとお酢は、糖分をもつ原料を一度アルコール発酵させ、その後「酢酸菌」により発酵させたものです。
糖分をもつ原料であれば、お酢をつくることができるので、その原料は「果実」「お米」「穀物」などさまざまです。
日本で代表的なお酢といえば、すし酢などにも使われる「米酢」ですね。米酢のなかでも、玄米を原料とし長期熟成したものは黒酢と言われます。
さて、今回の記事でご紹介する「バルサミコ酢」は一体なにが原料でしょうか?

答えは【白ブドウ】。
なかでも、バルサミコ酢に使用できるブドウは、イタリアの土着品種「トレッビアーノ」のみと法律で決められています。
また、バルサミコ酢を造れる地域は、イタリアの北部に位置するモデナ地区だけ。
バルサミコ酢のなかでも伝統的なバルサミコ酢は、木樽で12年以上長期熟成する必要があり、瓶詰の方法まで細かく規定が定められているのです。

厳選された原料で手間暇をかけて造られたもののみが「バルサミコ酢」を名乗ることができます。
木樽でゆっくりと熟成されるため、他のお酢と比べ味が複雑で栄養価が高いことでも知られています。
ワインと同じく、ブドウ果汁を茎や種と一緒に発酵させるため、ポリフェノールが豊富に含まれています。
そう、ワインと同じ「ブドウ」から造られるバルサミコ酢、もちろんワインとのペアリングもばっちりです。
バルサミコ酢レシピとワインペアリング3選
①覚えておいて損はない「万能バルサミコソース」× ステーキ

▼材料(2~3人分)
◎万能ソース
・バルサミコ酢…大さじ3
・赤ワイン…大さじ3
・しょうゆ…小さじ2
・はちみつ…小さじ2
◎ステーキ
・お好きなステーキ用の牛肉
▼作り方
① 万能ソースの材料を鍋に入れ混ぜながら、量が半分程度になるまで煮詰める。
【ペアリングコメント】
ステーキはそのままワインと合わせてもグッドペアリングですが、バルサミコの酸味とコクが加わることでフルボディのワインとのペアリング度がグッっと上がります。
こちらのソース、お肉との相性はもちろんですが、白身魚やボリュームのあるサラダのソースとしても相性抜群です。
いつもは白ワインを合わせるような食事もバルサミコソースを加えることで赤ワインとのペアリングを楽しむことができますよ。
★合わせたいワイン
ステーキ×バルサミコ酢ソースには、ワインもしっかりコクがある赤ワインを。

▶︎Craggy Range Te Kahu Gimblett Gravels
* 原産国:ニュージーランド
* 産地:北島 / ホークス・ベイ
* 品種:メルロー、マルベック、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン
* 容量:750ml
【ワインの特徴】
熟れたプラムやシナモンなどのスパイスの香りが複雑に絡み合い、このワインの特徴をよく表しています。
味わいは、ブルーベリーやプラムのような果実味に徐々にやわらかいタンニンの渋みが重なりしっかりとした印象です。
ただ単純に力強い味わいではなく、果実味から酸も感じられるので上品な印象です。余韻が長く、贅沢をした気持ちになれる1本です。

ニュージーランドの北島に位置するホークス・ベイは、ボルドーブレンド(カベルネ・ソーヴィニヨンやメルローなどの品種から造られるワイン)をはじめとし、高品質なフルボディの赤ワインの生産地として知られています。
ニュージーランドワイン=ソーヴィニヨン・ブラン / ピノ・ノワールと思っている方に是非試していただきたいワインです。
②常備菜にちょい足しでグッとワインに合う「バルサミコ酢の大人のポテサラ」

▼材料(2~3人分)
・じゃがいも小~中…3~4個
・玉ねぎ…1/2個
・にんにく…1欠片
・ベーコン…2スライス
・バルサミコ酢…大さじ1
・マヨネーズ…大さじ3
・塩/黒こしょう…少々
*お好みで他のお野菜や、ハムなどで代替えしてもOK
▼作り方
① じゃがいもを適当な大きさに切り、玉ねぎは2mm程度にスライスし水に浸す、にんにくも2mm程度のスライスにする。
② じゃがいもは串が通る位まで、茹でるか蒸し器で蒸す。
③ ベーコンは5mm程の厚さに切り、油をひかずフライパンで香ばしくなるまで炒める。ベーコンから油が出てきたらにんにくを投入し炒める。
④ じゃがいもが柔らかくなったら、マッシュ状にし①の玉ねぎ、③のベーコンを加える。
⑤ ④にマヨネーズ、バルサミコ酢、塩コショウを加え和える。
【ペアリングコメント】
日本の家庭料理の定番、ポテトサラダ。日本のポテサラレシピには、お酢を加えることが多いですが、このお酢をバルサミコ酢に変えるとグッとワインとのペアリング度が上がります。
加えるバルサミコ酢の量を少し増やしてしっとりコクのある味わいのポテサラに仕上げれば、ロゼやオレンジワイン、軽めの赤ワインにもピッタリです。
また入れる具材もベーコンをカモのローストに変えてみたりすると、アレンジ次第で合わせるワインの幅も広がります。
★合わせたいワイン
大人なポテサラにはスモーキーな白ワインを。

▶︎Chardonnay Opou Vineyard The Millton Vineyards
* 原産国:ニュージーランド
* 産地:北島 / ギズボーン
* 品種:シャルドネ
* 容量:750ml
【ワインの特徴】
こちらのワインは、フレンチオークの新樽で発酵したのち、マロラクティック発酵(ワインの酸をまろやかにする発酵方法)しているので、ふくよかな味わいの白ワインです。
蜂蜜のような芳醇な甘い香りとナッツのような香り、オレンジのような柑橘系の果実の香りも感じれます。
味わいは、口に含むと柑橘系のフレッシュな味わいが広がりますが、すぐにやわらかく丸みのある芳醇な味わいへと変わっていきます。
個人的には、ニュージーランドのシャルドネは非常にコスパが良いと感じています。
スモーキーな白ワインというと、あまり得意でないという方もいらっしゃるかと思いますが、樽の主張が強すぎずフレッシュさとのバランスが非常に良いワインなので、樽嫌いの方にも是非飲んでみていただきたい1本です。
冷蔵庫には入れず、常温で味わってみてください。
③上級者向け?「フルーツ×バルサミコ酢」イチゴのバルサミコ酢マリネ

▼材料(2~3人分)
・イチゴ…8~10個
・バルサミコ酢…大さじ2
・砂糖…大さじ1
・黒こしょう…少々
・レモン果汁…小さじ1
*お好みでバニラアイス
▼作り方
① イチゴ以外の材料をボウルに入れよく混ぜる。
② ①へイチゴを投入し1時間程冷蔵庫で寝かせる(イチゴが変色してしまうので4時間以上は寝かせないこと)
【ペアリングコメント】
ニュージーランドのカフェメニューで何度かみかけたこの組み合わせ。サラダのみならず、アイスクリームのトッピングとして出てきたことがあり、予想外の組み合わせにはじめは驚きましたが、予想を裏切るグッドマッチングに嬉しビックリしたことを今でも覚えています。
こちらのマリネは、サラダに合わせても良いですし、ご紹介したようにバニラアイスの上にトッピングしてもOK。
ワインに合わせるおつまみがマンネリ化してるな~と思う方に是非おすすめしたいペアリングです。
★合わせたいワイン
イチゴの酸味とバルサミコ酢のコクに、ピノ・ノワールを。

▶︎Ted Pinot Noir (Mount Edward)
* 原産国:ニュージーランド
* 産地:南島 / セントラル・オタゴ
* 品種:ピノ・ノワール
* 容量:750ml
【ワインの特徴】
ワインのエチケット(醸造家のダンカン・フォーサイス氏はデヴィット・ボウイの大ファンだそう)のように個性が溢れるワインです。
アメリカンチェリーやブルーベリーのような芳醇さを感じるブラックベリーの香り、ナツメグのようなスパイスの香り、ハーブ系のニュアンスも感じられます。
味わいは、果実味の凝縮感があり酸味も感じられますが、徐々にやさしいタンニンの渋みが現れ、バランスが取れています。

セントラル・オタゴは、世界最南端のワイン産地として知られています。ニュージーランドでは全国でピノ・ノワールが栽培されていますが、セントラル・オタゴのピノ・ノワールはしっかりとした味わいが特徴です。
そのため、バルサミコ酢のような濃厚な味わいにもよく合います。ピノ・ノワールの酸味がイチゴともぴったりです。
おわりに

いかがでしたでしょうか?今回は、バルサミコ酢レシピとニュージーランドワインのペアリングをご紹介しました。
レシピはどれも簡単で材料さえ揃えばその日に試せるものばかりです。
冬に飲みたいしっかりめのワインにピッタリなバルサミコ酢ペアリング、是非お試しください。

【お家で楽しむワイン提案のワインエキスパート】
ニュージーランドワイン好きが高じて、ワイナリー・ブドウ畑巡りをする為ニュージーランドへ移住。
都内ワインインポーターにて星付きレストランにもワイン紹介をしてきた経験を活かし「お家でも気軽に楽しめるワイン時間」を提案しています。
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