ペアリングワイン

テーマは色彩♪色を合わせたワインペアリング

食材の色「五色」をご存知ですか?

白米、芋類、白身魚や鶏肉などの「白」。
ごぼう、黒ゴマ、海藻類などの「黒」。
スイカ、トマト、肉、赤身の魚などの「赤」。
にんじん、かぼちゃ、柑橘類などの「黄」。
ほうれんそうや春菊、にらなど緑野菜の「緑」。

古代中国の「陰陽五行説」から派生した東洋医学では、この「五色」が「五臓」の調子を整えるとされ、今、植物の「色」などに含まれる化学物質「フィトケミカル」にも注目が集まっています。話題になった赤ワインのポリフェノールは、その先駆けだったんですね。素材の色は、それぞれの持つ個性、栄養素の自己アピールなのです。

赤には赤を。白には白を。

お客様から購入されたワインに「どんなお料理が合いますか?」と質問された時、いろいろな選択肢と共に、同じ色同士のペアリングもおすすめするようにしています。

その際、お肉とかお魚とか、そういう区別はなく、素材自体が、または仕上がった料理が同じような色。同じような色彩のハーモニー。

今日は食材の「色」をテーマにしたワインのペアリングをご紹介します。

まずは赤い食材×赤ワインのペアリングから。こちらは「マグロのロースト」。レアな仕上がりのローストビーフをイメージさせる一品です。しょうが×はちみつのまろやかさっぱり仕立て。

▼材料(2人分)
まぐろ (お刺身用1柵)…250g
すりおろし玉ねぎ…1/4個分
にんにくみじん切り…1/2片
しょうが…10g
オリーブオイル…大さじ1/2
塩、黒コショウ…適量
万能ねぎ…適量
水でさらしたオニオンスライス…適量
a:酒…大さじ1
a:しょうゆ…大さじ2強
a:酢…大さじ1
a:水…25ml
a:はちみつ…1強

▼作り方
①キッチンペーパーで軽く水分を取ったまぐろに軽く塩、黒コショウを振っておく。
②フライパンにオリーブオイルを熱して中火でまぐろのすべての面をこんがりと焼き、フライパンから取り出しておく。
③しょうがはみじん切りにして水に5分さらし水気を切っておき、フライパンに玉ねぎ、にんにく、しょうがを入れて炒める。
④香りが出てきたらaを加えて3分程ぐつぐつ煮る。
⑤2のまぐろをスライスし、ソースをかけて、万能ねぎとオニオンスライスを盛り付けて出来上がり。

▶︎エモーション ブルゴーニュ・ルージュ ヴァンサン・ジラルダン

そして、おすすめのペアリングワインはこちらです。フランスブルゴーニュ地方のヴォーヌ・ロマネ、ジュヴレ・シャンベルタンなどの「村名付き」のワインをブレンドすることで「A.O.Cブルゴーニュ」としてカジュアルな価格を実現したお値打ちワイン。

イチゴやフランボワーズをイメージさせるチャーミングなピノ・ノワールとはひと味違った紫がかったルビー色。ラズベリーやブルーベリー、ブラックチェリーのコンポートなどを彷彿させる力強い果実味。

スパイシーでワイルドなローストした樽のニュアンスは、こんがりと焼いたまぐろのロースト、しょうがやにんにくで複雑味を出した醤油のソースにも負けません。

スーッと香るスミレの花の香りが、お食事をエレガントに洗練させることも忘れない、鮮やかなペアリングです。

白、黄色、茶色へのグラデーション
色も味わいもふくよかにひろがるペアリング

こちらは白い食材と白ワインのペアリング。お料理は、ドイツの国境に近いフランス、ロレーヌ地方の郷土料理「キッシュ・ロレーヌ」。ベーコンとグリュイエールチーズが手に入ると、本場の雰囲気さながらに生地から作ってみよう!と思うのですが、いつも手軽に作れる市販の冷凍パイシートで代用してしまいます(^^; 美味しいんですよ。

▼材料(19㎝タルト型1個分)
冷凍パイシート…1枚

「具材」
玉ねぎ…1/2個
ベーコンスライス…2枚
スライスハム…2枚
グリュイエールチーズ…20g
ゴルゴンゾーラドルチェ…10g
オリーブオイル…大さじ1

「卵液」
生クリーム 200ml
牛乳 60ml
全卵 2個
塩、白コショウ、ナツメグ 少々

▼作り方
①ベーコン、ハムは2㎝程に切る。チーズ2種は5mm程に小さく切る。玉ねぎはみじん切りにしてフライパンにオリーブオイルをしき、きつね色になるまで炒める。
②ボウルに卵液の材料を入れて、よく混ぜる。
③パイシートに①の具材を敷き詰め、②の卵液を流し入れ、190℃に予熱したオーブンで25分焼いて出来上がり。

▶︎フランソワ・ヴィラール レ・コントゥール・ド・ドポンサン ヴィオニエ

おすすめのペアリングワインはこちらです。このドメーヌが醸す「コンドリュー」と同等のブドウを使用したヴィオニエ100%のコスパの高い一本。

終始白い花の香りをまとうフラワリーな印象ながら、非常にフルーティーで、ワインの色味は黄色。オレンジ、かりん、柑橘系フルーツのコンポートなどの果実味が厚みのあるしっかりとしたボディに溶け込む華やかな一本です。

ワインのたっぷりとしたまろやかなボディ×やさしく濃厚なクリームソース。上品な樽香×こんがりと焼き上げたキッシュの香ばしさ。白、黄色、茶色と部分ごとに変化するキッシュの味わいに寄り添う、ふくよかでミルキーなペアリングです。

文字通りサーモンピンクの素材とワインに夏野菜を添えて

最後はピンク×ピンク。ロゼワインのペアリングを。今回のお料理は「スモークサーモンと夏野菜の素揚げ」。ミックスハーブで臭みを消したスモークサーモンをメインに、ブラックオリーブ、とうもろこし、アスパラガス、かぼちゃなどの旬の野菜を、水で薄―く溶いたてんぷら粉にくぐらせてカラッと揚げるだけ。後は揚げたてを岩塩でいただく簡単料理です。

▶︎ジェラール・ベルトラン コート・デ・ローズ ロゼ

こんなシンプル&ナチュラルなお料理にはこちらのワインを。何年か前に、ガラスのコルクで封印された、ちょっとトキメキを感じるボトルに乙女心を刺激され衝動買い。

「HEDONISM(E)」“快楽主義”という名のワインだと後から知りましたが、その挑発的なネーミングとは裏腹に、キラキラなボトルの中身は非常に素直で、バランスも良く、お料理との相性を選ばないロゼワインの万能選手でした。

それ以来、この“オーガニックワイン界のリーダー”と呼ばれるジェラール・ベルトランのロゼワインを楽しみにしているのですが、今回のこのロゼも期待を裏切らないフレッシュでチャーミングな一本。薔薇をデザインした美しいワインです。

みずみずしさの奥から香る薔薇のドライフラワーのような香り×スモークサーモンの乾いた旨味、すくすく育った夏野菜×すくすく育ったワイン。健康的な夏の一日を満喫したい日にぜひどうぞ。(ボトルは素敵なフラワーベースになりますよ♪)

Yuko Imai

ボーダレスなお酒の楽しみ方を見つけると心躍るソムリエ兼唎酒師、お客様の欲しいものを探し出すことに至福の喜びを感じるワインアドバイザー、その道のプロフェッショナルな方々とコラボしながらお酒を楽しむ会の企画運営など、いつも冒険の旅の行き先を探しています。
一日も早い健やかな日々の訪れを心から願いながら。 Yuko Imaiの記事一覧 

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