ペアリングワイン

新しいトレンド!合言葉は『ビュバビリテ!』

ビュバビリテとは?

自然派ワインの生産者の元を訪ねると、よく聞く言葉『ビュバビリテ』。何を意味するかというと、スルスルと飲みやすいことを指します。

飲みやすいワインと言ってしまうと、日本語での印象ではチープで甘ったるいワインを想像しがちですが、ビュバビリテは全く異なります。

もっとピュアでミネラルやエキス感のある味わいで、スルスルと飲みやすく、身体に優しく沁み込むような心地良くナチュラルなワインのことです。

凝縮感が高くボディのしっかりしたスタイルが流行った時代がありましたが、時代の経過とともに薄旨系が流行り、そしてビュバビリテのスタイルのワインが増えています。

粘性や色調、香りやアタックの印象からは想像の出来ないような味わいの広がりがあったりと、様々な表情を楽しまさせてくれるのも大きな魅力ですね。

家飲みする機会が多い今は、スルスルと飲めるビュバビリテワインのリラックス感がおすすめです。そして、ナチュラルなワインには太陽のエネルギーや土壌などのテロワール、生産者の想いなど様々なエネルギーが詰まっています。

自然の脅威や病害など様々な障害がある中で、生産者の強さは素晴らしく、毎年どんな環境や逆境でも負けない強さが、ワインにも宿っているように感じます。

まるでエネルギードリンクのようなワインを、日々の癒やしやエネルギー補給の一つに加えてみるのはいかがでしょうか?

マルセル・ラピエール

自然派の神様と称されるマルセル・ラピエール。ビュバビリテはここから始まったとされています。

今はマルセルの長男マチュー・ラピエールがその意思を継いでいます。

▶︎レザン・ゴーロワ

モルゴンの樹齢の若いガメイを用いて、ステンレスタンクで発酵・熟成。モーリス・シネが手掛けたエチケットからも感じられるように、丸かじりのブドウのようなフレッシュで親しみさやすさいっぱいの仕上がりです。

* 原産国:フランス
* 産地:ボージョレ
* 品種:ガメイ
* 生産者:マルセル・ラピエール
* 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
* 容量:750ml

ドメーヌ・リヴァトン

酒精強化ワインリヴザルトの産地として有名な産地ですが、現在は人気に翳りが見られていて倒産する醸造所も多くあります。そのため、高樹齢のブドウが植わるブドウ畑の多くが売られ、この過酷な地でのワイン造りに挑戦する人だけが、素晴らしい畑を手に入れることが出来ます。

リヴァトンは、乾燥した大地から驚くほど瑞々しいエネルギーに満ちたワインを生み出している素晴らしい生産者です。

▶︎ポワル・ダン・ラ・マン

『掌の毛』という名のユニークなキュヴェ名ですが、怠け者という意味があります。グルナッシュ、シラー、カリニャンを使って造られたロゼワインで、フレッシュレモン、摘みたてのイチゴ、ローズペタルなど可憐な印象の香り。

フレッシュで瑞々しくチャーミングな果実味に、柑橘果皮のような苦味とスッキリした酸味がキレの良い味わいです。最初は少し還元するので、早めの抜栓かエアレーションがおすすめです。

暑い日に冷やしていただきたい親しみやすさとキレの良さがとっても心地良いロゼワインです。

* 原産国:フランス
* 産地:ルーション
* 品種:グルナッシュ、カリニャン、シラー
* 生産者:ドメーヌ・リヴァトン
* 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
* 容量:750ml

レイナルド・エオレ

オルレアンの地で2haのブドウ畑で自らの哲学をもってワイン造りを行っているレイナルド・エオレ。周囲の生産者が驚くほどの超密植ですが、この密植によって土壌のミネラル=大地のエネルギーをより吸収できると考えられています。

▶︎テール・ド・シリス

レイナルド・エオレ曰く、シリス土壌はワインにキレのあるミネラルとフィネスを与えるそう。16年は遅霜の影響を受け、収量の減少がありましたがアロマティックな仕上がりでおすすめのヴィンテージです。

洋梨やムスクの芳しい香り。ピート、焦がし砂糖のニュアンスも感じられ、出汁のような香りも。抜栓したては閉じていますが、徐々にミネラルとフィネス、優しくも濃密な旨味エキスが口内を満たします。

大地のエネルギーを感じさせる素晴らしいワインです。

* 原産国:フランス
* 産地:ロワール
* 品種:シャルドネ、ロモランタン、ソーヴィニョン・ブラン、ムニュ・ピノ、ピノ・グリ
* 生産者:レイナルド・エオレ
* 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
* 容量:750ml

ドメーヌ・ガングランジェ

自然派ワインのスター生産者シュレールの従兄弟であるガングランジェ。シュレールのようなスタイルのワインを造るつもりがないと語っていたのは過去のこと。今は自身もSO2に敏感になり、使用を躊躇するようになるまで感覚が変わってきているそうです。

▶︎ビル

上述の理由でサンスフルにて仕上げられたビル。サンスフルであることも身体への染み渡り方や、飲みやすさに影響してきます。18年はミルデューによって収量減の難しい年でしたが、仕上がりは素晴らしいです。

グレープフルーツ、クエッチなど酸の豊かなフルーツ、火打ち石や磯の香り。ブドウ本来の瑞々しくピュアピュアな果実味にエキス感、そしてギューっと目の詰まったミネラル!これはもうエネルギーの塊じゃないかと感じられるほど、展開する味わいと感覚の変化に心を奪われてしまいました。

* 原産国:フランス
* 産地:アルザス
* 品種:リースリング、シルヴァネール
* 生産者:ドメーヌ・ガングランジェ
* 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
* 容量:750ml

Haruka Kageyama

JSA Sommelier
The Ritz Carlton Tokyo Azure45や、阿部誠氏が率いる「東京ぶどう酒店」、「サロン・ド・シャンパーニュ ヴィオニス」、フランスのシャンパーニュ地方ランス「Domaine les Crayéres」にて10年以上サーヴィス、ソムリエールとして働く。
現在様々な形でワインを広めるべく雑誌やウェブメディアにて執筆中。 Haruka Kageyamaの記事一覧 

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