おしゃれなフィンガーフードのワインペアリング
パスタやメイン料理を食べる前に楽しむ「アペリティーボ」。おつまみを食べながらワインを飲み、おしゃべりする時間です。これから始まる楽しい食事のプロローグであるアペリティーボでは、様々なフィンガーフードが登場します。
今回は、イタリアのフィンガーフードとそのワインペアリングをご紹介します。
アペリティーボとは
アペリティーボとは、狭くは「食前酒」という意味のイタリア語ですが、食事の前におつまみとワインを楽しむという、イタリアの重要な食文化です。
ホームパーティーやガーデンパーティー、レストランでのパーティーのときは、必ずこのアペリティーボがあり、人々はおつまみを食べながらワインを飲み、会話を楽しみます。
クリスマスやイースターなど、家族で集まる伝統行事のときも、まずは、アペリティーボ。複数の種類のおつまみを食べながら、ワインを飲みます。
おつまみは、チーズやサラミなどのシンプルなものから、おしゃれなフィンガーフードまで様々です。目をも楽しませてくれるフィンガーフードがあると、気分も盛り上がり、ワインもよりおいしく楽しむことができます。
そんなおしゃれなフィンガーフードをふたつご紹介します。
ほうれん草とジャガイモのフィンガーフードとワインペアリング
ジャガイモはもっともアレンジがきく食材のひとつで、イタリア料理でも欠かせません。アーモンドをまわりにつければ、やわかいジャガイモとカリカリのアーモンドのコントラストがたまらないフィンガーフードのできあがりです。
【ほうれん草とジャガイモのフィンガーフードのレシピ】
▼材料(4人分)
ジャガイモ…300g
ほうれん草…100g
卵…1個
小麦粉…大さじ1
ニンニク…1片
オリーブオイル…大さじ1
塩胡椒 適量
アーモンド…70g
① 鍋で、ジャガイモを皮ごとゆでる(約30分)。
② ジャガイモがやわらかくなったら、皮をむき、マッシャーでつぶす。
③ つぶしたニンニクとオリーブオイルをフライパンに入れ、弱火で熱する。ニンニクの香りが出てきたら、ニンニクを取り除き、ほうれん草を炒める。
④ ほうれん草がやわらかくなったら、しぼって、みじん切りにする。
⑤ ボウルに②と④、卵、小麦粉、塩胡椒入れ、混ぜる。
⑥ アーモンドをみじん切りにする。
⑦ ⑤を一口サイズにまるめ、⑥をまわりにつける。
⑧ 180度のオーブンで約30分焼く。
ほうれん草が入ることで野菜のうまみも感じられるこのフィンガーフードには、イタリアのスパークリングワイン、プロセッコがぴったり。
世界的にもブームのプロセッコは、ほんのり甘口のものから辛口までありますが、フィンガーフードと合わせるには、辛口のものをチョイス。さわやかな泡と野菜のうまみが、パーフェクトにマッチングします。
おすすめは、ベッレンダの「サン・フェルモ プロセッコ・コネリアーノ・ヴァルドッビアーデネ・スペリオーレ ブリュット」。ベッレンダは、ヴェネツィアの北約60キロにあるコスモ家が経営するワイナリー。コスモ家は、18世紀からブドウの栽培をおこなっており、1986年にベッレンダを創設しました。
プロセッコの「サン・フェルモ」は、ブドウ畑に隣接した教会から名付けられたワンランク上の「スペリオーレ」。フラワリーな香りやリンゴの香りで、ミネラル感を感じるキリッとした辛口のプロセッコです。
リコッタチーズとオリーブのサーモン・フィンガーフードとワインペアリング
リコッタチーズは、おつまみからデザートまで、多用される食品です。イタリア人は、リコッタチーズのソフトな食感とミルクの濃厚さが大好き。
リコッタチーズをスモークサーモンで巻いたフィンガーフードは、とても人気のある一品。オリーブのアクセントがイタリアらしい味わいです。
【リコッタチーズとグリーンオリーブのサーモン巻きのレシピ】
▼材料(2人分)
スモークサーモン…約3枚
リコッタチーズ…100g
グリーンオリーブ…6個
バジル…3~4枚
白ごま…適量
シブレット…2~3本
▼作り方
① オリーブをみじん切り、バジルを粗みじん切りにする。
② ボウルにリコッタチーズと①を入れ、混ぜる。
③ サーモンに②をのせ、巻く。まわりにごまをつける。
④ シブレットで結んで出来上がり。
シブレットがない場合は、あさつきで代用することができます。また、スモークサーモンでなく、生のサーモンでも作ることができます。
合わせるワインは、ハーブのニュアンスもあるソーヴィニョンブランがぴったりです。おすすめは、サン・ミケーレ・アッピアーノの「ラーン ソーヴィニョン アルト・アディジェ」。
サン・ミケーレ・アッピアーノは、トレンティーノ・アルトアディジェ州のワイン協同組合で、1907年に設立されました。ブドウの品質を管理し、高品質なワインを造り、世界的に高い評価を受けているイタリア屈指の生産者協同組合です。
ソーヴィニョンブランの「ラーン」は、白い花やパイナップル、はちみつの香りが感じられ、ミネラル感が口の中に広がる爽快な味わいです。
まとめ
おしゃれなフィンガーフードは、華やかで、会話も盛り上げてくれる料理です。ぜひワインを飲みながら、アペリティーボ・タイムを楽しんでください。
イタリア在住ワインコーディネーター
2003年にフィレンツェに料理&ワイン留学。
2004年よりフィレンツェ在住。イタリアソムリエ協会ソムリエ資格保持。
トスカーナのワイナリーツアーを企画・主宰し、通訳案内もしている。
1日の終わりに、手作り料理とワインをペアリングすることが何よりの楽しみ。
▶︎フィレンツェ・イン・タスカ
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