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おすすめ!古くて新しいシャブリ・プルミエ・クリュ

シャブリ・プルミエ・クリュ

コート・ドールのプルミエ・クリュならご存知の方も多いですが、意外と知られていないのがシャブリのプルミエ・クリュ。シャブリ自体の知名度は高いのですが、グラン・クリュ以外の畑の名前や個性をご存知の方がなかなかいないのが現状です。

シャブリのプルミエ・クリュはグラン・クリュよりも様々な土壌タイプや、斜面の向きがあり、多様な個性があり、実はとても面白い産地なのです。

シャブリ・プルミエ・クリュは、スラン川の右岸、左岸で分けられています。右岸は土壌が粘土質の割合が多く、やや重めのタイプが多くあり、左岸は東向きの畑がプルミエ・クリュで、軽快なタイプが多いです。

畑の位置や土壌、傾斜も様々で、一概には言えませんが、一つの指標にはなります。40のクリマがあり、主要なブドウ畑のグループを17に分けています。そして、79のリュー・ディがありますが、生産者はより知名度の高いクリマ・グループ名で販売していることがほとんどです。

日本では、昔から白ワインといえばシャブリのことを指す時代があったほどで、昔流行ったワイン産地として古いイメージがあるかもしれません。しかし、近年ではシャブリのワインとしてイメージされる香りや味わいを覆すようなワインを造る新しい世代の生産者が出てきています。

栽培方法もビオディナミやビオロジックに取り組む生産者が出てきており、機械収穫を行う生産者が多いですが、グラン・クリュやプルミエ・クリュは手摘みを行うといった生産者も増えてきていて、年々進化しています。

シャブリ・プルミエ・クリュのワインを飲んで、個性豊かなプルミエ・クリュのワインの魅力を感じていただけると幸いです。

シャブリ・プルミエ・クリュ・ラ・フォレ ドメーヌ・ヴァンサン・ドーヴィサ

ラ・フォレは、スラン川の左岸に位置し、モンマンを名乗ることも可能ですが、ヴァンサン・ドーヴィサではラ・フォレと表記しています。フォレとは『森』の意味があり、開墾前は森であったことから名付けられました。

南東向きの斜面で朝の日照に恵まれ、様々な色調の粘土質土壌がモザイク状に入り組み熱を長時間保つ特性があります。ワインは果実味が豊かで、リコリスのような甘やかな香りや白い花のブーケを想わせるフローラルな香りが特徴です。

シャブリの二大巨頭の一つであるヴァンサン・ドーヴィサは、1930年から続くドメーヌで、もう一方の巨頭フランソワ・ラヴノーとは義理の兄弟です。シャブリの伝統的な醸造方法を守り、今ではあまり見かけなくなったフィエットと呼ばれる132リットル入りのオーク樽で熟成を行っています。

2002年からはビオディナミに取り組んでいて、『目に見えて土壌のバランスが改善され、病気が減り、腐敗果も少なくなった』と語っています。昔ながらに守り続けるものもありながら、進化を続けています。

商業的なシャブリのドメーヌでは機械収穫が主ですが、ヴァンサン・ドーヴィサでは全て手摘みでの収穫を行い、品質への拘りが詰まっています。

▶︎シャブリ・プルミエ・クリュ・ラ・フォレ ドメーヌ・ヴァンサン・ドーヴィサ

* 原産国:フランス
* 産地:シャブリ
* 品種:シャルドネ
* 生産者:ドメーヌ・ヴァンサン・ドーヴィサ
* 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
* 容量:750ml

シャブリ・プルミエ・クリュ・ビュトー ドメーヌ・フランソワ・ラヴノー

スラン川左岸のモンマンの丘陵の標高が高い場所にあるビュトーは、白や青のキンメリジャンの泥灰岩や粘土質土壌が広がります。フォレと同じくモンマンを名乗ることが可能ですが、本来のビュトーの名で販売されています。

南東向きの斜面でブドウがよく熟し、風が吹き抜ける涼しいテロワールもあり、ミネラルの風味が豊かなどっしりと骨格のしっかりしたワインが出来ます。ビュトーのワインは若いうちには、ミネラルが硬く閉じていて、10年以上熟成させてこそ真価を発揮します。

シャブリ二大巨頭のうちの一つフランソワ・ラヴノーは、ヴァンサン・ドーヴィサと並び長命で旨味の溢れるワインを造ることで知られています。あまり手に入ることが少ないワインなので、是非今の機会にいかがでしょうか?

▶︎シャブリ・プルミエ・クリュ・ビュトー ドメーヌ・フランソワ・ラヴノー

* 原産国:フランス
* 産地:シャブリ
* 品種:シャルドネ
* 生産者:ドメーヌ・フランソワ・ラヴノー
* 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
* 容量:750ml

シャブリ・プルミエ・クリュ・ヴォー・ド・ヴェイ ドメーヌ・ランクロ

ヴォー・ド・ヴェイは、スラン川左岸のシャブリの町の西側にある少しマイナーなプルミエ・クリュです。1978年に新たに認められたクリマの一つです。東向き斜面で斜度が52度もあり、冷涼で引き締まったミネラルとキレのある酸が全面にでているのが特徴です。

メゾン・パスカル・ブシャールの当主の父をもつロマンとダミアンの兄弟は、今注目を集めるニュー・ジェネレーションの造り手です。ワイン造りの考えの違いから、父のドメーヌを継がずに、畑のみを譲り受けて兄弟でドメーヌ・ランクロを2016年に立ち上げました。

栽培はビオロジックで、ビオディナミのプレパラシオンを散布し試行を開始しています。プルミエ・クリュの収穫は手摘みで、糖度を高めるまで待って遅めに収穫します。そして、自然酵母を用いて発酵させたり人為的介入を極力省いて、栽培、醸造されています。

このドメーヌのヴォー・ド・ヴェイは、他のドメーヌのものより華やかで、トロピカルフルーツの香りがあり、まるでヴィオニエのようなアロマティックな香りがします。

ワインのストラクチャーも遅く収穫されている影響もあり、豊かな果実味が感じられますが、引き締まったミネラルとキレのある酸のヴォー・ド・ヴェイらしさも感じられます。

▶︎シャブリ・プルミエ・クリュ・ヴォー・ド・ヴェイ ドメーヌ・ランクロ

* 原産国:フランス
* 産地:シャブリ
* 品種:シャルドネ
* 生産者:ドメーヌ・ランクロ
* 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
* 容量:750ml

シャブリ・プルミエ・クリュ・モン・ド・ミリュー ドメーヌ・ル・ヴァン・ドゥー

スラン川の右岸に広がるモン・ド・ミリューは、『モン・ド・ミリューを飲めばその年のシャブリの出来が分かる』とも言われるほどシャブリの指標になっているクリマです。モン・ド・ミリュー=中間の山の意味で、かつてはブルゴーニュ公国とシャンパーニュ国の境界線に位置していたことから名付けられました。

古木が多くあり、真南を向いているために日照が豊かなので凝縮した果実味があり、よく熟したミラベルやエキゾチックフルーツの香りが感じられるのが特徴です。風が吹き抜ける位置にあり、豊かな酸とミネラルが感じられ、長熟にも向いています。

ドメーヌ・ル・ヴァン・ドゥーは、恐らくシャブリで最も小規模の生産者で、畑は全て合わせて1ha未満。2014年が初ヴィンテージの注目の造り手です。当主のヴァレリーの本業は画家で、ワインのエチケットもヴァレリーが描いています。

醸造学校に通っていないヴァレリーですが、同じ自然派のアリス・オリヴィエ・ド・ムールなど周囲からのアドバイスを受けてワイン造りに挑戦し、造り上げたワインは驚くほどの凝縮感があり、白い花や蜂蜜の香りに、熟度の高い蜜っぽさが感じられます。

▶︎シャブリ・プルミエ・クリュ・モン・ド・ミリュー ドメーヌ・ル・ヴァン・ドゥー

* 原産国:フランス
* 産地:シャブリ
* 品種:シャルドネ
* 生産者:ドメーヌ・ル・ヴァン・ドゥー
* 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
* 容量:750ml

シャブリ・プルミエ・クリュ・モンテ・ド・トネル ドメーヌ・ビヨー・シモン

モンテ・ド・トネルは、スラン川の右岸グラン・クリュが一線に並ぶその延長線上に位置していて、グラン・クリュに比べて傾斜は浅いですが、日照は同じように良くまるでミラベルを想わせる豊かで熟度の高い果実味が感じられます。そして、白色粘土の他にも白い小石が多く混じっていてミネラルの風味も豊かに感じられるのが特徴です。

1815年創業の歴史ある造り手のビヨー・シモンは、シャブリの中でも樹齢が高く良い区画の畑を所有しています。このモンテ・ド・トネルは、蜂蜜やミラベル、パッションフルーツの豊かな香り、熟度の高い果実味に、キレのある酸と旨味が穏やかに広がります。モンテ・ド・トネルのミネラルの硬質さからあと5年〜10年以上の熟成が理想です。

▶︎シャブリ・プルミエ・クリュ・モンテ・ド・トネル ドメーヌ・ビヨー・シモン

* 原産国:フランス
* 産地:シャブリ
* 品種:シャルドネ
* 生産者:ドメーヌ・ビヨー・シモン
* 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
* 容量:750ml

シャブリ・プルミエ・クリュの魅力を感じていただけると幸いです。

Haruka Kageyama

JSA Sommelier
The Ritz Carlton Tokyo Azure45や、阿部誠氏が率いる「東京ぶどう酒店」、「サロン・ド・シャンパーニュ ヴィオニス」、フランスのシャンパーニュ地方ランス「Domaine les Crayéres」にて10年以上サーヴィス、ソムリエールとして働く。
現在様々な形でワインを広めるべく雑誌やウェブメディアにて執筆中。 Haruka Kageyamaの記事一覧 

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