ペアリングワイン

「とりあえず泡」ではない!スプマンテのペアリング力!

ワインと食事を楽しむとき、最初の1杯に、スパークリングワインを飲んでいる人、多いのではないでしょうか。

フレッシュでさわやかな、よく冷えた泡は、食前酒として、のどを潤すにも、食欲増進にも最適です。食事のプロローグとして、最高の演出をしてくれます。

でも、最初の1杯だけで終わらせてしまってはもったいない!イタリアでは、食事の間にスプマンテを飲むこともポピュラーです。スプマンテには、偉大なるペアリングの力があるのです。

スプマンテは食前酒ではなく、食中酒として楽しめる泡

食中酒として、料理とペアリングできるスプマンテの代表格は、フランチャコルタとトレントDOC(ドック)。どちらも、瓶内二次発酵のシャンパーニュ製法のため、芳醇な香り、きめ細かい泡立ち、ふくよかな味わいです。

フランチャコルタでは、Ca’del Bosco(カ・デル・ボスコ)の「フランチャコルタ・ブリュット・キュヴェ・プレステージ」は、ほどよい酸味が心地よく、とても人気です。繊細なブーケがあり、料理とペアリングができます。

トレントDOCでは、Ferrari(フェッラーリ)の「ペルレ・ミレジム」 は、不動の人気があります。フェッラーリの定番の「フェッラーリ・ブリュットNV」ではなく、「ペルレ・ミレジム」です。余韻が長く、エレガントな味わいで、料理をいっそう引き立ててくれます。

スプマンテはフリットと相性抜群

では、どんな料理を合わせるのでしょうか。スプマンテのきりっとした酸味は、フリットと相性抜群です。ストラクチャーのあるスプマンテは、揚げ物のしっかりとした味わいにも負けません。さわやかな発泡性は、カラっと揚げたフリットの油とぴったり合い、ワインも料理も進みます。

イタリアでは、ポルペッティーネという、小さい丸い形をしたフライボールをよく合わせます。これには、ミートボール、チーズボール、シーフードボール、野菜ボールなど、いろいろな種類のものがあります。その中でも、気軽に作ることができるミートボールの作り方をご紹介します。

【ミートボール・ポルペッティーネ】

▼材料(4人分)
牛ひき肉…200g
パン粉…大さじ2
牛乳…大さじ2
パルミジャーノチーズ…大さじ2
卵…1個
塩・胡椒…少々
ナツメグ(あれば)…少々
油(揚げる用)

▼作り方
①パン粉に牛乳をかけて、ふやかす。
②①に牛ひき肉、パルミジャーノチーズ、塩・胡椒、ナツメグを加え、こねる。
③一口大にまるめて、油で揚げる。

カロリーが気になるかたは、油で揚げる代わりに、油を少しかけてオーブンで焼いてもOK。お好みで、ズッキーニのみじん切りを加えるとアレンジができます。揚げる前に、胡麻をまぶすと、見た目もキュートです。

ポルペッティーネは、おつまみとしてみんなに愛されています。前菜として、スプマンテと一緒に楽しむことが多く、レストランのビュッフェ形式のアペリティーボの定番料理でもあります。手軽に作ることができるので、家庭の食卓にもよく上る料理です。

おもてなし料理としても活躍します。友だちとおしゃべりしながら、スプマンテを片手に、ポルペッティーネをパクパクというシーンはおなじみです。

スプマンテは魚だけではなく、肉とも合う!

スプマンテのペアリングとして、真っ先に思いつくのは、魚料理ですが、実は、肉料理ともペアリングできます。鶏肉のソテーにキノコソースを組み合わせると、スプマンテの果実味と鶏肉&きのこのジューシーな旨味が、ハーモニーを生み出し、ワインも料理もふくよかになります。

【鶏肉のイタリアンソテー、キノコソース】

▼材料(2人分)
鶏肉のソテー:
鶏モモ肉…2枚
塩・胡椒…少々
ドライローズマリー…少々
ドライセージ…少々
オリーブオイル…大さじ1

キノコソース:
マッシルーム…300g(ヒラタケや、エリンギ、マイタケでも代用可能)
ニンニク…1片
オリーブオイル…大さじ3
白ワイン…1/2カップ
塩…小さじ1/2
胡椒…少々

▼作り方(キノコソースと鶏肉は、別々に調理して、最後に一緒に盛り付けます)
①鶏肉に塩・胡椒をし、ドライローズマリーとドライセージをかけて、置いておく。
②マッシルームを細かく切る。ニンニクをみじん切りにする。
③鍋に、ニンニクとオリーブオイルを入れ、弱火で熱する。
④ニンニクの香りが出てきたら、マッシルームを入れて、炒める。
⑤白ワインと塩、胡椒を入れ、時々かき混ぜながら、弱火で約20分煮詰める。
⑥フライパンに、オリーブオイルを入れ、鶏肉を焼く。
⑦鶏肉を8割ほど焼いたら、ひっくり返して、焼き上げる。
⑧皿に、鶏肉を盛り付けて、マッシルームソースをかける。

イタリアの家庭では、鶏肉料理が頻繁に登場します。このメニューは、作り方は簡単ですが、キノコを煮詰めるのに少々時間がかかるので、時間のある日曜日、家族とゆっくり食事をするときに、楽しみます。

鶏肉は淡泊なイメージがありますが、ちょっとした工夫で立派なごちそうになり、スプマンテと合わせるのがイタリア風。また、グラスは、フルートグラスではなく、膨らみのあるグラスで飲みます。そうすると、香りと味わいがより感じられます。

ぜひスプマンテを、食事と一緒に堪能してみてください。

太田 由歌

イタリア在住ワインコーディネーター
2003年にフィレンツェに料理&ワイン留学。
2004年よりフィレンツェ在住。イタリアソムリエ協会ソムリエ資格保持。
トスカーナのワイナリーツアーを企画・主宰し、通訳案内もしている。
1日の終わりに、手作り料理とワインをペアリングすることが何よりの楽しみ。
▶︎フィレンツェ・イン・タスカ 太田 由歌の記事一覧 

新着口コミ

もっと見る

ワインペアリングを楽しめるお店、レストランを探す

都道府県から探す