ペアリングワイン

シェリー酒のおいしい飲み方は?イギリス式、スペイン式、ほか

シェリー酒ってワインのように食事の時に飲むの?それとも全く別のもの?シェリー酒をどうやっていつ飲むのか迷ってしまって、試したいけど試してない方も多いかもしれません。

今回は、シェリー酒の産地スペインの飲み方とシェリー酒の消費国イギリスの飲み方を少しだけ紹介します。

スペインでのシェリー酒

伝統的なスペインでのシェリー酒の飲み方。日本では毎日真似することはできませんが、日曜日など気が向いたときに。

●お昼ご飯前に一杯!
スペインではディナーは基本的にお昼ご飯です。今は、仕事場の状況などで夕ご飯がメインになっている家庭も増えました。マドリードやバルセロナでは、多分お昼がメインのお宅は少ないかもしれません。

田舎に住んでいるとスペインの良き習慣が今も続いています。農家や自営業が主流だから時間的にも自由だからでしょう。スペインの良き時代のシェリー酒の飲み方を紹介します。

スペインでは午後2時にディナーに当たるお昼ご飯ですが、その少し前、午後1時くらいに軽くシェリー酒などをいただく習慣があります。

イタリアのシシリア島にもその習慣が、今でもあるとお聞きしました。(シェリー酒かどうかはわかりませんが)

1時に軽くいただくときは、シェリー酒のフィノ(辛口シェリー酒)やマンサニーリャ(サンルーカル産の辛口シェリー酒)を常温で、軽いタパス(おつまみ)と添えます。

●セビリアのフェリアの朝に?
古いワインの広告に出ている文章です。セビリアのフェリアというお祭りは4月に開催されて、日本からの観光客も多いですが、4月とはいえセビリアはとても暑い日が続きます。

そのような暑いセビリアのフェリアの時期に飲む飲み物として紹介されている飲み方です。

el agua de seltzと呼ばれる炭酸水と氷でシェリー酒を割れば、朝から飲んでも大丈夫という広告でした。炭酸水はもちろんお砂糖の入っていないタイプです。

el agua de seltzは重曹の香りが微かにするタイプで、ソーダ水とも少し違い、ガスの泡が細かいことが特徴。

ソーダ水でも良いと思うのですが、重曹の香りがポイントだそうです。

●ペドロ・ヒメネスを使ったソース

スペインのスーパーで缶詰などを見るペドロ・ヒメネスのソースで和えたパテなど、あちらこちらでペドロ・ヒメネスのソースを使った食品が売られています。しかしソースは自宅でも作れます。

▼材料
玉ねぎ 2個(小さいサイズ)
長ネギ 1本(白い部分)
オリーブオイル 大さじ2
出汁 100cc(ブイヨンなど)
ペドロ・ヒメネス 150cc
干しぶどう 50g
松の実 20g

▼作り方
フライパンにオリーブオイルを足して細かく切った玉ねぎと長ネギを炒めます。(みじん切りにする必要はありません。)しんなりなったらペドロ・ヒメネスを足し、トロッとなるまで煮詰めます。

まだしんなりしてないのに水分が足りなくなったら、その度に少しずつ出汁を足します。とろとろになったらブレンダーにかけてトロトロ状態にします。

松の実と干しぶどうを足して出来上がりです。焼いたお肉にぴったりのソースです。

イギリスでのシェリー酒

「シェリー酒」と言う言葉が有名になったのは、イギリス人が14世紀ごろからこよなく愛し飲んできたらからです。

イギリスでは一体いつシェリー酒を飲むのでしょうか?

●お茶の時間にはまだ早いから!シェリー酒
イギリスの小説を読んでいると、お茶の時間の少し前に訪れた客人に「お茶の時間には少し早いから、シェリー酒でも召し上がれ」とシェリー酒と軽いおつまみをすすめている場面が出てきます。

そのくらいシェリー酒は日常に密着した飲み物なのです。シェリー酒は、ワインと違ってボトルを開けてもすぐに飲んでしまう必要はありません。そのため、少しずつ毎日楽しめるというメリットがあります。

日本でも有名になったシェリー酒「Harveys(ハーベイズ)」は、もともとイギリス、ブリストルにあるシェリー酒輸入会社です。

1796年に創業し、あらゆるシェリー酒をスペインから輸入し、シェリー酒をミックスしてイギリス人好みの味を作ってきました。

1880年以降ほとんど変わらない味、「 Harveys Bristol Cream(ハーベイズ・ブリストル・クリーム)」を作っています。

現在ではハーベイズは、スペインのへレス・デ・ラ・フロンテーラに醸造所を持ち、独自のシェリー酒を作りながら、ブリストルクリームの味をキープしています。

●デザートとして飲むシェリー酒
ハーベイズ・ブリストル・クリームは、甘みがちょうど良いシェリー酒で、主に食後のデザートのように飲みます。

アイスクリームやケーキなどのデザートにかけていただくという方もいて、それがシェリー酒を使ったイギリス人の大好きな「トライフル」にも利用されるようになりました。

トライフルは、スポンジケーキとカスタードクリーム、フルーツを重ねて冷たくしたデザートです。

スポンジケーキ部分にお酒を含ませることが多いですが、シェリー酒を使った場合、「ハイ・チャーチ(High Church)」と呼ばれています。

●ジョージ・ラスキン流飲み方

ジョージ・ラスキンは、、19世紀の美術評論家で日本でも人気のターナーとも交友のあったイギリス人です。

あまり知られていませんが、実は裕福なワイン商人の一人っ子として育ちました。そのため、著書には、シェリー酒をはじめとしたワインについての記載がたくさんあります。

ジョージ・ラスキンは、シェリー酒はイベントや特別なことがあった日は必ず飲むべきだと言っています。特に古い2人の友人と再会し3人で飲むときは、アモンティリャードが最適だそうです。

アモンティリャードは、パロミノ種のぶどうを熟成させ琥珀色になった深い味わいのシェリー酒です。その他、私は寝る前に甘いモスカテルを少しだけいただきます。ぐっすりよく眠れるのでお試しください。

シェリー酒のおいしい飲み方と利用方法

シェリー酒のおいしい飲み方と利用方法を紹介しました。シェリー酒は普通のワインよりアルコール度がほんの少し強めのお酒です。しかし、栓を開けた後もずっっと保管できるため、常にシェリー酒が1本家にあると、幸福度が少し上がります。

ジョージ・ラスキンが愛したシェリー酒で、大切なお友達と美術について話しませんか?

吉原 久美子

スペイン在住20年で現在アンダルシア在住。
アンダルシアにて調理師免許を取得し、スペイン中を歩き回っています。
クラシック音楽とワインを楽しむ毎日。 吉原 久美子の記事一覧 

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