ペアリングワイン

今飲みたいのはナチュールの泡!

今ナチュールの泡が熱い!

いよいよ夏も目前!この暑い時期に飲みたくなるのが泡ものですね。ビールも良いですが、今はリラックスムード溢れる優しいナチュールに夢中!

今回は、お財布に優しくてグビグビ飲める魅力溢れるナチュールの泡を紹介します。

ナチュールの泡といえば、「ペットナット」

ペットナットとは、Petillant Naturelの略です。1990年代にフランスのロワール地方、クリスチャン・ショサールやティエリー・ピュズラが自然なワイン造りの最中、偶然生まれたのがペットナットの始まりと言われています。

正式な決まりは定められていませんが、シャンパーニュのように瓶内二次発酵を行わず、ワインの発酵が気温が下がり途中で止まったらボトルへと移し瓶内で発酵させて造ります。

16世紀にラングドック・リムーで考案されたメトード・アンセストラル(メトード・リュラル)と同じ製法で、有機栽培やビオディナミ栽培で栽培されたブドウを用いたより自然なペティヤンです。

シャンパーニュのガス圧は5〜6気圧ですが、ペット・ナットは1〜3気圧。殆どが王冠で栓をされていて、カジュアルでエチケットもオシャレで凝ったものが多く、値段もシャンパーニュと比べて手頃な為、オシャレに敏感な若い世代にも人気があります。

ペット・ナット人気はフランスだけに留まらず、オーストラリアやカリフォルニアなど世界中に広がりを見せています。

まだ試してない方はぜひ気軽に楽しんでみてください。肩肘張らない普段の家飲みにも、オシャレなホームパーティーにもおすすめです。

それでは、おすすめの生産者とペットナットを紹介します!

ペティアン造りの天才パスカル・ポテールが醸造長を務める「レ・カプリアード」

今ロワールでペティヤンといえば、「レ・カプリアード」。造り手はボワ・ルカで醸造長を務めたパスカル・ポテール。

ワイン学校に通わず、独学と経験から学び、枠に囚われない発想で素晴らしい品質のペティヤンを世に送り出しています。

彼の造り方が気になって、あのティエリー・ピュズラなどのベテラン生産者がこぞって学びにくるというから凄いです。

彼のペティヤンは、身体に沁み込むような…とは良く使われる表現ですが、まさにスーッと身体に沁み込んで、心の渇きまで癒やしてくれるような優しく繊細な味わいです。

樹齢50年のムニュ・ピノの深み!これぞ癒やしの泡

▶︎メトード・アンセストラル・ブラン・ムニュ・ピノ レ・カプリアード

樹齢50年以上の古樹のムニュ・ピノから造られる酸と旨味が溢れるペティヤン。ムニュ・ピノは別名アルボワ。

シュナン・ブランの亜種で、ロワール川流域で栽培される白ブドウ品種です。酸度が高くスパークリングワイン造りに向いている品種です。

温暖化でもしっかりと酸を携えたワインができるのでブレンド用として重宝されてきましたが、18年は古樹であまり房をつけないムニュ・ピノでも充分な収量が確保できたので、パスカル念願のムニュ・ピノ100%のペティアンが生産されました。

パイナップル、オレンジ、メープルシロップなどの甘やかな香りにスモーキーなニュアンス。溢れる旨味にしなやかでフレッシュな酸が引き締め、心地良く広がります。

単一品種でも樹齢50年&パスカルの手腕でとても美味しく、フレッシュ感がありながらも複雑性のある味わいに仕上がっています。

栓は王冠ではなくZork栓を使用しています。ティア バンドを人差し指と中指に巻きつけるようにめくると上手に開ける事ができ、再度栓をすることも可能です。

* 原産国:フランス
* 産地:ロワール
* 品種:ムニュ・ピノ
* 生産者:レ・カプリアード
* 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
* 容量:750ml

母は強し!センス炸裂!「ナナ・ヴァン」

ペット・ナットの生みの親とされるドメーヌ・ブリゾーのクリスチャン・ショサール。ナチュール好きの中では彼の名を知らない人がいないほどカリスマ的な人気を誇りました。2012年に不慮の事故で亡くなり、その後を引き継いだのが妻のナタリーです。

皆が驚くほど醸造センスのある彼女は、2014年からネゴスのナナ・ ヴァンをラングドックに設立。ラングドックとロワールを行き来しながらワイン造りに情熱を傾けています。

世にも珍しいテレ・ブラン100%のペットナット

▶︎ソー・ワット!ペティアン・ナチュレル ナナ・ヴァン

マイナー品種テレ・ブランを100%使用したペティヤン。ワイン名はナタリーの好きなマイルスデイビスの曲「So What」と、2014年に南仏のサロンで初めてお披露目した際に、テレ・ブランのペティアンというだけで見向きもされなかったことから「マイナー品種のテレ・ブランでペティヤンを造って何が悪いの?!」というSo What !が掛けられています。

テレ・ブランは、ラングドック地方のマイナー品種でエキゾチックフルーツや柑橘フルーツの香りがあり、気温の温暖な産地でも酸のあるブドウが生産できることからブレンド用として用いられてきました。単体でワインが造られることは非常に珍しい品種です。

ナタリー曰く、ソーワットのように上質なテレ・ブランから造られたワインは、ナスタチウム(金蓮花)のような甘やかな香りがするそう。

ミラベル、ライム、青リンゴ、ナスタチウム、タイム、ブリオッシュ、綿菓子のような甘やかな香り。ピュアな果実味に塩気を感じる旨味エキス、繊細な泡立ちがしなやかに続き、余韻には薬草の風味がほんのりと感じられます。

* 原産国:フランス
* 産地:ラングドック
* 品種:テレ・ブラン
* 生産者:ナナ・ヴァン
* 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
* 容量:750ml

ボローニャが誇る高品質&お手頃ナチュール!「マリア・ボルトロッティ」

マリア・ボルトロッティの現当主フラヴィオ・ボルトロッティは、大学で統計学の学位を取得し、ワイン造りとは全く違う道を進もうとしていたところ、彼の両親がブドウ畑を購入したことからワイン造りに携わるようになりました。

所有するボローニャ近郊ゾーラ・プレドーザの丘陵地帯は、約1000年前にこの付近で最もブドウ栽培に適した産地としてその名が記されている素晴らしい環境です。

その恵まれた環境の中で「自然な造りで誰が飲んでも美味しく気軽に買える価格のワインを造ろう!」をモットーにワインが造られています。

そして、彼のワインはビオディナミ栽培を行いながらも、全くもっていわゆるビオ臭がしません。自然派ワインに苦手意識がある方にもおすすめです。

微々発泡だけど旨い!

▶︎ファレスタ・ピニョレット マリア・ボルトロッティ

このワインは、ピニョレットを使用した微発泡の白ワイン。ピニョレットというブドウ品種はボローニャの丘陵地帯の地元品種で、色合いは濃い麦わら色、リンゴや柑橘系の爽やかな香りに親しみやすい味わいのものや、元々この品種がもつ酸とタンニンがしっかりと引き出されたものなど様々です。

地元で殆どが消費されるので日本への流通は多くありません。近年の研究でグレケット・ジェンティーレと同じDNAであることがわかっています。

こちらのファレスタ・ピニョレットは、南国フルーツやグレープフルーツの香り。瑞々しいフレッシュな果実味にキレの良い酸味と濃ゆ〜い旨味、柑橘果皮を想わせるビターなニュアンスが余韻にかけて広がり、なんとも心地良い飲み心地。

泡は微発泡との記載がありますが、本当に微々発泡です。途中で発酵が止まってしまったようですが、逆にそれが飲み心地の良さを倍増させているようです。

グラスを重ねるごとに表情が変わるので、ぜひゆったりまったりピニョレットを楽しんでみてくださいね。

* 原産国:イタリア
* 産地:エミリア・ロマーニャ
* 品種:ピニョレット
* 生産者:マリア・ボルトロッティ
* 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
* 容量:750ml

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Haruka Kageyama

JSA Sommelier
The Ritz Carlton Tokyo Azure45や、阿部誠氏が率いる「東京ぶどう酒店」、「サロン・ド・シャンパーニュ ヴィオニス」、フランスのシャンパーニュ地方ランス「Domaine les Crayéres」にて10年以上サーヴィス、ソムリエールとして働く。
現在様々な形でワインを広めるべく雑誌やウェブメディアにて執筆中。 Haruka Kageyamaの記事一覧 

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