ペアリングワイン

シャブリだけじゃない!冬の味覚『牡蠣』に合うワイン

「ティーボーンステーキに赤ワイン」「キッシュに白ワイン」。考えるだけで、脳内に幸せホルモンが溢れだしそうなワインペアリングが世界には多数存在しますよね。

なかでも、ワイン好きであれば聞いた事がない、という人はいないと言える程有名なペアリングが「シャブリ×牡蠣」のペアリングですね。

今回は「シャブリ以外に牡蠣に合わせるならどんなワインが良いのだろう?」そんなポイントでワインペアリングをご紹介していきます。

まずは・・シャブリってなに?

「シャブリ」とよく耳にするものの、実はどんなワインかよく知らない、今さら人に聞けない、なんていう方もいらっしゃるかもしれません。

牡蠣とのペアリングをご紹介する前に、シャブリとは?という点に触れてみたいと思います。シャブリとは、かの有名なフランスの銘醸地“ブルゴーニュ地方”の最北部に位置するワイン産地のこと。

シャブリの味わいは「ミネラリー」という言葉で表されることでも有名です。「ミネラリー」とはワイン用語でミネラルを多く含んだワインに対して使う表現ですが、その具体的な説明は人によってさまざま。

鉄っぽさを感じるワイン、貝殻や海のニュアンスを感じるようなワイン、酸味を伴ったワインなどに使われることが多い表現です。スッキリかつキリっとした酸が特徴のシャブリを例える表現としてもピッタリというわけです。

また、シャブリがミネラリーと表現される理由はもうひとつ。シャブリ地方の土壌は世界でも珍しく“キンメリジャン土壌”といわれ、太古の昔、その土地は海だったことから、土壌からは貝殻などが見つかるそうです。

その海の影響を受けた土壌で育つブドウは、根から栄養を吸い取るため、ミネラルさを感じられるというわけです。

牡蠣に合うのはシャブリだけ?!

「牡蠣にはシャブリ」このペアリングがあまりに有名になってしまったため、ワインリストを見ることもなく、シャブリを注文する、なんていうこともあると思います。

しかし、牡蠣に合わせるワインはシャブリだけではもったいない!調理法や味付けに合わせて一緒に合わせるペアリングも三者三様に楽しむことができます。

次回牡蠣を食べる機会があった際に是非、試してみてくださいね。

①生牡蠣~味付け別ペアリング~

生牡蠣とのペアリングを考えるときに重要なこと、それは磯っぽさを強調せずに、牡蠣の美味しさの源である「ミルキーさ・クリーミーさをいかにワインと調和させるか」ではないでしょうか?

樽の香りが強いものや、フルーティー過ぎるものを選んでしまうと、牡蠣の香りとワインの香りが喧嘩してしまい、アンマッチなペアリングとなってしまいます。

では、どんなワインを合わせると良いのでしょうか?具体的なペアリングをいくつか見ていきましょう。

●定番!生牡蠣 × レモン

まずは、定番。生牡蠣の美味しさをシンプルに味わいたいなら、レモンをひと絞り。コレに限ります!

合わせるワインも、あまり香りや味わいの個性が強すぎないものがおすすめ。そこでおすすめなのが、「ミュスカデ」という白ワインです。

フランスのロワール地方で造られるものが有名で、さっぱりとした甘みのある香りと、スッキリとした酸が特徴です。価格もシャブリに比べてお値打ちなので、家飲みワインとしても重宝します。

【ミュスカデ】

▶︎Muscadet Sevre Et Maine Sur Lie Vieilles Vignes Poiron Dabin

しぼりたてのレモン果汁のようなすっきりとした柑橘系の香り、ふわりとマスカットのような華やかさも感じます。

口に含むとやや厚みも感じられますが、すぐにキリっとした酸味に変わって余韻まで長く続きます。

全体的にすっきり爽やかな印象で、好まれやすい味わい。牡蠣に絞ったレモンとうまく調和し、ミルキーな牡蠣にアクセントをつけてくれるでしょう。

・原産国:フランス
・産地:ロワール
・品種:ミュスカデ
・容量:750ml

●スパイシーに!生牡蠣 × タバスコ

海外でオイスターを頼んだ時、あまり日本では試さないタバスコトッピングの人気の高さに驚いたことがあります。

しかし、実際に試してみると、ミルキーな牡蠣の味わいにピリッとスパイスが加わり確かにおいしい!なるほど、と頷く美味しさでした。

そんなスパイシーなタバスコ生牡蠣には、ワインもシュワっと刺激と爽やかさのあるスパークリングをどうぞ。

【スパークリングワイン】

▶︎Comte de Tarville Cremant de Bourgogne NV

こちらのクレマンは、上品すぎず軽すぎず、程よいボリューム感がおすすめポイントです。

青リンゴのような爽やかな甘い香り、味わいはレモンピールのようなほろ苦さと酸が主体で、ほんのりとトーストのようなニュアンスも感じられます。

タバスコのピリっとくる刺激と酸味と合さることで、牡蠣の味わいに深みを足してくれるペアリングです。

・原産地:フランス
・産地:ブルゴーニュ
・品種:シャルドネ43%、ガメイ30%、ピノ・ノワール22%、アリゴテ5%
・容量:750ml

●洋風アレンジ 生牡蠣 × バジルソース

個人的に好きなトッピングでもある、バジルソース。定番でいくつか生牡蠣を食べた後は味変をしたくなるもの。そんな時に、バジルソーストッピングを食べると新たな牡蠣の美味しさに、またも感動してしまいます。

バジルソースに是非おすすめなのが、「ソーヴィニョン・ブラン」。バジルソースとソーヴィニョン・ブランのハーブの香りが相まって、牡蠣のクリーミーさに良いアクセントを加えます。

【ソーヴィニョン・ブラン】

▶︎Old Coach Road Sauvignon Blanc

メロンのような熟した果実、パッションフルーツのような明るい甘酸っぱさ、ミントのようなハーブの香りが感じられます。味わいはグレープフルーツのような、ややビターさをともなった酸が長く続きます。

ハーブの爽やかな香りとバジルソースと合わないわけがありません!

・原産国:ニュージーランド
・産地:南島 / ネルソン
・品種:シャルドネ43%、ガメイ30%、ピノ・ノワール22%、アリゴテ5%
・容量:750ml

②牡蠣のオーブン焼き×ピノ・グリ

殻付きの牡蠣にチーズやバター、パン粉をのせてオーブン焼きにするのも、手軽に牡蠣を楽しめる人気レシピですよね。

チーズやバターなどの乳製品と合わせることで、生牡蠣とはまた違う味わいの深さを楽しむことのできるオーブン焼き。

ワインも少しコクを感じられるものを合わせるとバランスが良くなります。そんなときに、おすすめなのがピノ・グリ。

近年人気のあるオレンジワインに使われることもあるピノ・グリは、比較的酸が穏やかなので、チーズなどの乳製品にも合わせやすいのが特徴です。

▶︎ Kumeu River Village Pinot Gris

香りは、白桃や洋ナシ、白い花など華やかさを感じます。口に含むと、まろやかさが広がり、厚めのボディです。

ピンクグレープフルーツのようなビターさ、洋梨のような熟した果実の印象などが層になって感じられます。

牡蠣のオーブン焼きにブラックペッパーをトッピングするなど、お料理の味わいにも幅を利かせるとよりピノ・グリとのペアリングを楽しむことができると思いますよ。

・原産国:ニュージーランド
・産地:北島 / オークランド
・品種:ピノ・グリ
・容量:750ml

③牡蠣フライ×スパークリング

日本人にとって忘れてはならない牡蠣メニューといえば、牡蠣フライではないでしょうか。今の時期は、スーパーでも気軽に購入することができ、家でも手軽に試せる牡蠣とワインのペアリングかもしれません。

そんな牡蠣フライにおすすめなのは、スッキリとしたスパークリングワイン。味わいもスッキリ柑橘系のものを合わせると、フライにレモンをギュッと絞ったような役割を果してくれます。

▶︎Apollonio lmamaà Spumante Brut Verdeca

レモンやライムのような柑橘系果実、青リンゴ、ふわりと花束のようなフローラルさも感じられます。味わいも、柑橘系のさわやかさが主となっていますが、ほんのり塩気を感じるようなミネラル感もあります。

このワインの産地イタリア・プーリアもまた海に面した海鮮の美味しい地方。普段の牡蠣フライを少し格上げして楽しみたいという方に是非おすすめしたい1本です。

・原産国:イタリア
・産地:プーリア
・品種:ヴェルテーカ100%
・容量:750ml

まとめ

いかがでしたでしょうか。ひとくちに牡蠣×ワインといっても味付けによって、合わせるワインの幅も広がります。

是非、冬の味覚牡蠣を召し上がるときの参考にしていただければ嬉しいです。

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高橋 宗子

【お家で楽しむワイン提案のワインエキスパート】
ニュージーランドワイン好きが高じて、ワイナリー・ブドウ畑巡りをする為ニュージーランドへ移住。
都内ワインインポーターにて星付きレストランにもワイン紹介をしてきた経験を活かし「お家でも気軽に楽しめるワイン時間」を提案しています。 高橋 宗子の記事一覧 

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