ペアリングワイン

スペインバル気分で楽しむ!ジャガイモ料理とワインのペアリング

今回は、ジャガイモを使った料理で、スペインのタパスにアレンジをして、食卓をスペイン風に演出してワインを楽しく飲んでいきたいと思います。

日本でもありふれた食材の一つでもあるジャガイモですが、一説によれば初めてヨーロッパにジャガイモをもたらしたのはスペイン人とも言われており、今となってはスペインの食卓には欠かせない食材となっています。

例えば、フライドポテトもスペイン料理に欠かせないメニューの定番で、目玉焼きとフライドポテトのタパスは、スペインではほとんど全てのバルでお目にかかることができます。

画像のように、バゲットやチョリソと爪楊枝に刺して小皿に並べるだけで、ピンチョス風の美味しいタパスが簡単に出来上がります。これをビールや赤ワインと味わうのがスペインバルでの醍醐味の一つです。

今回は、ジャガイモを使った定番タパスとワインとのペアリングをいくつかご紹介いたします。スペインのバル文化が生んだシンプル・フレンドリー・美味しいタパスの自由な発想で、豊かなスペインの食文化、バル文化を気軽に楽しんでいきましょう。

ジャガイモのアリオリソース和え × カヴァ

タパスの定番の一つで、アリオリソースを茹でたジャガイモに和えた料理です。アリオリソースは、様々なスペイン料理に添えられる定番ソースです。

マヨネーズの元祖で、ニンニクが入っていればアリオリ、入っていなければマヨネーズです。本来は乳鉢を使ってお手製で作りますが、非常に手間と根気が必要なので、今回はお手軽版です。

【アリオリソース】

▼材料(6人分)
卵黄…1個
オリーブオイル…200 ml
すりおろしニンニク(または チューブ入ニンニク)…適量
レモン汁…小さじ 2
塩小さじ…1/2

▼作り方
①ボウルに卵黄を入れ 、泡立て器でよく攪拌する。
②白っぽくクリーミーになったら、ニンニクと少しずつオリーブオイルを加えながらさらに泡立てる。
③オリーブオイルが全て入ったら、レモン汁を加え、塩で味を整えて出来上がり。(※保存は冷蔵庫で冷やして、数日中に使い切ってください。)

【ジャガイモのアリオリソース和え】

▼材料(4人分)
ジャガイモ…中3個
アリオリソース…大さじ3〜4

▼作り方
① ジャガイモは皮をむいて一口大に切り、竹串がスッと通るくらいまで茹でる。
② ①をアリオリソースで和えて、出来上がり。

▶︎コドーニュ・バルセロナ1872 ブリュット

ジャガイモのアリオリソース和えは、冷たい前菜として提供されることがほとんどなので、まずはアペリティフも兼ねてスペインのスパークリングワイン、カヴァの辛口タイプがおすすめです。

こちらのワインの造り手のコドーニュは、数多あるカヴァの生産者の中でも スペインを代表する生産者としてその名をよく知られています。

カヴァを手掛けたのが1872年、それ以来品質の高いカヴァとワインを生産し、先の時代を見据えたワイン造りに取り組んでいます。

最近では、サステイナブルな農業にも注力しており、このカヴァには10 年程前から取り組んでいるオーガニック農法で栽培されたブドウを使用しています。

また、おしゃれなボトルデザインは日本限定品で、スペインの都市バルセロナの明るくオープンな雰囲気がイメージされており、食卓を華やかに演出してくれます。

カヴァの特徴であるフレッシュな果実味と酸味は、しっかりと冷やして飲むことでより爽やかな風味を生み出します。ソースに使っているニンニクとオリーブオイルが、ワインとの良い橋渡し役です。

トルティージャ × モナストレル

タパスの定番としては勿論、スペイン人の家庭料理の象徴とも言われるのが、このジャガイモ入りトルティージャです。簡単に言うと丸くフライパンの形に焼いたオムレツで、スペインではトルティージャと言えばジャガイモ入りと断らなくてもこの料理が出てきます。

オリーブオイルを吸ってしっとりと甘いジャガイモと、半熟状態に仕上げた卵の風味を楽しむ料理で、出来立ても冷めても美味しいスペインの庶民の味です。

▼材料(6人分)
20cmのフライパン…1 台
オリーブオイル…1/4 カップ
卵…7 個
ジャガイモ(薄切り)…小3 個
タマネギ(スライス)…1/4 個
塩…小さじ1

▼作り方
①フライパンに多めのオリーブオイルを入れ、タマネギ、ジャガイモを入れて火にかけ、低温の油で煮るイメージで10分間ほど火を通して上げる。フライパンに油は残した状態にする。

②卵を割って、泡立て器で突くようにしてほぐす。塩と①を加える。

③油の入ったフライパンをよく熱し、そこに卵を投入。火は中火。すぐに周辺から固まってくるので、フライパンを揺らしながら卵を半熟状に焼き上げる。

④40秒ほど焼いたら、すぐにフライパンに皿をかぶせて、皿とフライパンを重ねたまま裏返し、オムレツを皿にのせる。そのままオムレツを皿からフライパンへと滑らせる。

⑤卵のふちの部分を内側に押し込みながら、さらに約30秒焼いて色付ける。フライパンから皿へ滑らせて、出来上がり。前述のアリオリソースを添えても美味です。

▶︎カンポ・アリーバ

トルティージャはスペイン庶民の味、ということで、ワインも洗練されたエレガントなものより、果実味が引き出された地方色のあるワインの方がスペインらしさが出ます。

何よりスペインはコストパフォーマンスに優れたワインの宝庫ですので、知名度や品種に拘りすぎない方が予期せずユニークなワインに出会えます。それを探すのもまた楽しみの一つです。

カンポ・アリーバの生産者バラオンダは、日本でもスペインワインの認知度があまり高くない頃から、安くて美味しいスペインワイン生産者の一つとして、著名な評論家やワインコンクールで高く評価されてきました。

そのカンポ・アリーバは、スペイン南東部で栽培されるモナストレル種という地元品種のブドウを使った赤ワインで、この地方特有の濃厚なブドウの風味 、豊かなボリューム感があるので、価格に比べると飲み応えがあります。

また、抜栓して少し置いて空気に触れさせた方が香りに広がりが出てきますので、その日に飲みきっても良いですし、翌日でも十分美味しく召し上がれます。ワイングラスは、やや小ぶりの気軽な物で楽しんで頂く方がオススメです。

トルティージャは、卵をたっぷりと味わう料理なので、ペアリングを考える時もワインと卵の風味をどう合わせるかが大切になってきます。今回はスペインバル気分で楽しむのがテーマなので、まったりとした卵の風味にボリューム感のあるワインの風味を合わせて、スペインを存分に感じて頂きたいと思います 。

タコとジャガイモのガリシア風 × アルバリーニョ

スペイン北西部、大西洋沿岸ガリシア地方の名物料理で、祭りの時には大鍋でタコを丸ごと茹で、茹で上がったそばからカットし木皿にのせ、各自テーブルでパプリカパウダーをかけながらみんなでワイワイ食べる料理です。この料理にもジャガイモが添えられることが多く、一緒に食べるのがまた美味しい一皿です。

▼材料(4人分)
ジャガイモ…中2個
茹でタコ(刺身用)…適量
エクストラヴァージンオリーブオイル…適量
パプリカパウダー、岩塩…適量

▼作り方
①ジャガイモは皮をむき、竹串がスッと通るくらいまで茹でる。
②タコは食べやすい大きさに切る。
③皿に1を並べ、上に2をのせる。オリーブオイル、パプリカパウダー、岩塩をお好みの量かけて出来上がり。

▶︎ビオンタ・アルバリーニョ

タコのガリシア風に欠かせないのは 、何と言っても地元特産の酸味のある白ワインです。ガリシア地方の白ワインは 、スペインでも優れた品質を誇ることで知られています。

地元の品種はゴデーリョ種、トレイシャドゥーラ種、ロウレイラ種という様々な聞き慣れない白ブドウがございますが、 その中でもアルバリーニョ種で造る白ワインが高級品と言われています。

優れたアルバリーニョ種が造られる産地は、ガリシア州の中にある リアス・バイシャスという小さな地域ですが、ここからさらにサブリージョンと呼ばれる5つの小さな地区に分類されています。

その中でもこのビオンダ・アルバリーニョが造られるブドウは、最も海に近いバル・ド・サルネスという地区で生産され、この地区で生産される白ワインは海のワインとも呼ばれています。

そのため、このワインも土壌と海からの潮風の影響をしっかり受け 、塩味といきいきとした酸、 豊かなミネラル感が感じられると共に、アルバリーニョ種特有の青リンゴや白い花の香りら清涼感のある味わいを備えています 。

そんなワインの風味とタコのガリシア風が持つ魚介の風味は 、共通している部分があり、口の中でよくマッチします 。ちなみにアルバリーニョ種の白ワインは、タコのガリシア風だけではなく、魚介をシンプルに調理した料理全般と相性が良く(新鮮な魚介ですとなお良しです)世界各国のワインラヴァーやソムリエからも既に高く評価されています 。

まだ試されたことがない方は 、是非ともよく冷やしたアルバリーニョ種の白ワインを一度試してみることをオススメします。

タパス=小皿で提供されるおつまみのことなので、生ハムやチーズを小皿に盛り付けるだけでも立派なタパスの完成です。そのくらいタパスは自由な発想で気軽に楽しめるものです。

タパスをよりスペイン本場の雰囲気に近づけていただくためには、少しだけコツがあります。それは、料理に使う塩とニンニクは普段より少し多めに使うこと、仕上げのオリーブオイルはエキストラヴァージンをたっぷりかけること、仕上げにパプリカパウダーをかけることです。これだけでぐっとスペイン現地の味わいに近づき、かつワインによりよく合うようになります。

さらにスペイン気分を盛り上げる演出としては、食器も大切です。タパスは小皿に盛りつける、とお話ししましたが、小皿はシンプルな白が定番です。もし柄が華やかであったりビビットな色合いの皿をお持ちでしたら、是非使ってみてください。シンプルなおつまみがより華やかに彩られます。

最後にスペインを演出するために、一番大切なアドバイスをスペイン現地のワインメーカーから頂いておりますので、そちらでこの記事を締めさせて頂きたいと思います。

「スペインワインを楽しく飲んでください。Salud(乾杯)!」

HIROTSUGU SAKIMOTO

J.S.A.認定ソムリエ
イタリア留学中にワインを知り、帰国後はホテル・レストラン、ワインショップ、輸入業者などワイン一筋の職務経験を経て、現在は地元の酒屋に勤務。
イタリアで身につけた、ワインは気軽に料理と合わせて楽しむものという考えの基、なるべくブランドや先入観に囚われないよう、世界各国の様々なワインとの楽しみ方を日々模索しています。
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