ペアリングワイン

ワイン好きに朗報!いよいよワイン関税撤廃!!

2019年の二月より発効された日本とEU(欧州連合)とのEPA。ワインがお安くなる!?との触れ込みで関税撤廃に湧く今、還元セールなどの広告があちこちで見られるようになりました。

では、EPA発効とは一体どういうことを指すのか、またそれによってどんな影響が私たちワイン愛好者にもたらされるのか調べてみました。

ちょっと難しい言葉もいくつかでてきますが、お付き合いいただけたら幸いです。

EPAってなに?ワインにどうかかわる?

EPAという言葉に聞きなれない方もいらっしゃると思いますので、簡単にですが説明させていただきますね。

まず、EPA=Economic Partnership Agreement(経済連携協定)とは、二国間の貿易を含む経済的な連携・協力をお互いに高める、貿易などに関するルールの事、となっています。

自国の商品の輸入・輸出において、自分の国、そして相手の国の経済のためになる取引ができるように話し合った取り決めとでも言いましょうか。

EUと日本の間で長期間の話し合いの末に最終合意されたのが2017年です。当時アベノミクスの経済成長戦略としても大きく期待されていました。

合意は、国の代表同士によるものですので、その後それぞれ自国に持ち帰っての説明から改めての調印を経て、この度発効の運びとなった訳なのです。

対象となる国はもちろんEU28ヵ国。EUにはフランス、イタリア、ドイツ、スペインをはじめとしたワイン生産国が数多くありますよね。どの国のワインもそれぞれ個性があり魅力的です!

実は日本はこれまでもいくつかの国と取り決めをしてきましたが、今回発効されたEU(欧州連合)とのEPAにおいて、ワインに関しては15%が即時完全撤廃ということも大きな注目ポイントとなっているといえます。

EPA発効でワインのシェアはどう変わる?

スーパーや量販店でも圧倒的な安さで高いシェアを誇るチリワイン。金額にして、低価格なものでは500円前後から販売されています。

リーズナブルではありますが、なかなかに飲みごたえあるワインも少なくありませんよね!値段と質を考えたとしてもコストパフォーマンスの高い商品として、みなさんも手軽に親しんでいらっしゃるのではないでしょうか。

実は、チリと日本は一足先の2007年にEPAが発効されているんです。すでにワインに関して税率は12%まで段階的に引き下げされており、2019年の4月にはこの関税がゼロになるのです。

また、チリは大量生産できる市場であるため、元々ローコストでの販売が可能です。そのため、日常消費ワインとして購入されやすく、日本でのシェアは現在フランスを抜きナンバーワンとなっています。

近年のワイン輸入ランキングは1位 チリ 2位 フランス 3位 イタリア。続いてスペイン、オーストラリア。

この中でもスペインはチリ同様、大量消費型ワインの生産が可能な土地。生産コストも比較的低い国です。事実、日本でのシェアもこの10年で3倍に増えている実績があります。

今回の日本とEUの関税撤廃によってランキングはどのように変わっていくのか、気になりますね。

気になるお値段。一体どれくらい安くなる?

気になる金額ですが、関税が撤廃されると一体どのくらいお安くなるのでしょうか。現在の税率から考えて、ワインではだいたい93円になります。スパークリングワインでは136円ほど。

10,000円での93円はもはやあまり気にならない方でも、500円600円台での93円は、「あ、安くなった」と思われるのではないでしょうか。そう考えると、低価格層のワインの方が、金額の変化を感じる事になりそうです。

消費割合2位のフランスですが、輸出において大量生産の消費ワインを主体とした販売はしないという意向も元来あります。歴史のあるワイナリーにとっては、政府の政策より品質へのこだわりやプライドの方が重要なのは変わらないようです。

撤廃されるのはワインだけじゃない

先にも説明したように、EPAが発効されると両国間で取り決めた商品についての税率が、引き下げられたり撤廃されたりします。今回発効のEU(欧州連合)とのEPAでは、ワインに関しては関税撤廃ですよね。

送料などの関係で多少金額に幅がでるかもしれませんが、単純に今まで払っていた税金分の金額がなくなるということに間違いはありません。

そして、対象となる輸入商品がワインだけではないのも嬉しいところ。チーズやパスタ、キャンディー、豚肉、牛肉なども撤廃の対象となっています。

ワインは即時撤廃ですが、これらの商品は順次関税が軽減されて行き、11年から16年後の完全撤廃となります。例えばチーズですが、現在29.8%、約3割の関税がかかっています。

こちらが10年から16年の間に段階的に減税され、関税撤廃されることになりました。16年以内という取り決めなので今すぐ、という訳ではありません。

しかし、税率が高いので、将来的においしいチーズが安くなるのはワイン好きにもありがたいことです!逆に、日本からこれまで細菌感染が懸念され輸出することができなかった卵製品や乳製品もOKになりました。

今後、海外向けに日本ならではの商品を輸出することができるかもしれませんね。

まとめに思うこと

いかがでしたか?

他にもEPAが定める商品には、衣料品や革製品などがありますが、今回は特にワインに関する部分について書かせていただきました。

私たち消費者はワインやチーズが安くなって助かるし、経済の流通につながる政策なのではないでしょうか。

TOMOKO

大学のフランス短期留学中に、早々とワインのとりこに。
現在、2軒のレストランでサービスに従事。夫、男子2児&ドーベルマンと湘南に暮らしています。
TOMOKOの記事一覧 

新着口コミ

もっと見る

ワインペアリングを楽しめるお店、レストランを探す

都道府県から探す