今流行り!メキシカンとワインのペアリング
メキシカンで乾杯!
夏のジリジリと刺すような日差しを受けると、無性に食べたくなるのがメキシカン。メキシカンは先住民族とスペインの食文化が融合されていて、ユネスコの無形文化遺産にも登録されています。
テックス・メックスと混同される方もいるかと思いますが、テックス・メックスは、アメリカのテキサス州から広まったアメリカ風のメキシコ料理のことで、メキシカンとは別の物です。
メキシカンは、野菜や豆類が豊富に使われたりと栄養バランスの良さから近年注目が高まっています。様々な料理がありますが、最も代表的なメキシカンといえば『タコス』です。
タコスとは、トウモロコシの粉を使ったトルティーヤ生地で様々な具材を挟んだメキシコの国民食のようなもの。あまり細かい決まりは無く、タコス協会もトルティーヤに何か具材を包んだら、それは 『タコス』と認識するととってもオープンなスタンスです。
中に挟む具材=サルサで、最も代表的なのが、緑、白、赤というメキシコ国旗のカラーに因んだ野菜を用いて作られる『サルサ・メヒカーナ』。
レモン汁とタバスコで漬けたトマト、タマネギ、青唐辛子、コリアンダーなどの刻み野菜のことです。トルティーヤで包んでそのまま食べるのも良いですし、上にお肉やシーフードなどの具材をのせたりして食べられています。
メキシカンは辛い印象があるかもしれませんが、青唐辛子の量を調節すると辛いものが苦手な方でも食べやすくできますし、さっぱりとしながらも、スパイシーな味付けなので、少し夏バテ気味で食欲の沸かない時にもお家メキシカンがおすすめです。
今回は、お家で簡単に作れるタコスとコストパフォーマンスに優れるメキシコワインを紹介します!
お取り寄せでお手軽タコス
▶︎オタフク タコスセット タコミートソース サルサソース付
こちらはタコスに使うトルティーヤ生地が簡単に出来る粉(8枚分)と、サルサソース、タコミートのソースのセットです。お好みの具材を用意して手軽に本格的な味わいが楽しめるのでおすすめです。
※タコミート…タマネギと挽肉を炒め、塩胡椒、ナツメグ、ケチャップ、チリパウダー、コンソメなどで味付けしたタコス定番の具材。
タコスに合わせてメキシコワイン!
メキシコワインといえば、どんな印象があるでしょうか?あまり馴染みがない方が殆どかと思います。
コロナビールやテキーラの方が印象が強いですが、メキシコは意外と?ワイン造りの歴史が古く、約400年以上前に遡ることができます。ニューワールドワインの中で最も古い産地で、アメリカ大陸で最初にワイン造りが始まったのが、メキシコなのです。
アメリカのカリフォルニア州で生産されるワインはとても有名ですが、メキシコもカリフォルニアと並び、ブドウ栽培に優れた気候風土を持ち、酸を保てる冷涼地での栽培が成功の鍵を握っています。
中でも、南部カリフォルニアとすぐ近くに位置するバハ・カリフォルニア州のグアダルーペ・ヴァレーはメキシコを代表するワイン産地として知られています。
太平洋から吹く湿った風の影響を受ける地中海性気候で、昼夜の寒暖差が大きいので果実味だけではなく酸味がしっかりと感じられるバランスの良いワインが出来ます。
そして、コアウィラ州のパラス・ヴァレーは標高が高く、なんと1,500mにあります。こちらも標高の高さ故に冷涼な気候で昼夜の寒暖差が大きい地域です。
メキシコワインは、カリフォルニアワインと比べて価格帯はリーズナブルなので、デイリーワインに大活躍します。
タコスに合うおすすめのワイン
こちらのワインは、カベルネ・ソーヴィニョンとマルベックをブレンドしたワインで、よく熟したダークチェリーや、カシスリキュール、針葉樹、胡椒、ミント、キャラメル、ヴァニラの香り。よく熟したジューシーな果実味にブラックカラントのような豊かな酸味と穏やかなタンニンが広がります。
合わせるポイントは、タコスにのせる具材の風味と合わせることです。このワインは、ジューシーな果実味に樽の甘香ばしい風味があるので、上にのせる具材はテリヤキチキンや、挽肉のキャラメリゼなど、メイラード反応の風味や甘やかな風味が同調して良く合うのでおすすめです。
そして、このワインは品種由来のスパイシーなアクセントがきいているので、挽肉をスパイスを使って煮込んだタコスの具材の定番『タコミート』ともマッチします。
こちらのワインは、フレッシュなグレープフルーツ、メロン、青草、海風のような爽やかな香り。フレッシュでドライですが、リッチな果実感が温度が上がるにつれて出てきます。コクがあり、クリスプな酸味が夏にぴったりな爽快感を与えてくれます。
タコスは、先程紹介したサルサ・メヒカーナがおすすめです。トマト主体の爽やかな風味がソーヴィニヨン・ブランの青さと同調してよりフレッシュで爽やかに感じられます。
そして、白身魚のフライをトッピングするのもおすすめの組み合わせです。メキシコのカリフォルニアと繋がる沿岸部の地域バハ・カリフォルニア州では、白身魚のフライを挟んだタコスが有名です。現地でも楽しまれている鉄板のペアリングは間違いがありません。
ラセットは、メキシコから世界中へ輸出され様々な賞が贈られているメキシコ最高峰のワイナリーです。メキシコの中でも最も歴史が古く、規模も最大が故にコストパフォーマンスに優れ、グアダルーペ・ヴァレーの自社畑で栽培された高品質なブドウのみを使用したワインの品質は高く評価されています。
ご興味のある方には、創業者の出身地であるイタリアの品種ネッビオーロを使ったワインもおすすめです。
カーサ・マデロは、1597年に創設のアメリカ大陸最古のワイナリー。フィロキセラ対策の台木の研究、近代的な灌漑設備、製造設備の導入など様々な取組みも評価されています。
メキシコの高級ぶどう産地パラス・ヴァレーのシャルドネを使ったこちらのワインは、グレープフルーツ、パイナップル、グァバなどトロピカルフルーツの香りに、アーモンドの花、バター、ヴァニラの香り。開けたてから素直に感じられる豊かな果実味に、フレッシュな酸とグレープフルーツの果皮のような苦味がほんのりと感じられ、余韻には芳醇な香りが鼻に抜け心地良さを感じさせます。
このワインと合うタコスは、アボカドを使ったワカモレというサルサを挟んだタコスです。※ワカモレとは、アボカドに、青唐辛子、トマト、タマネギ、コリアンダー、塩、レモンやライムを加えて作るペースト状のサルサのこと。
アボカドには、β-ビサボレンという芳香成分が含まれていて、柑橘類やアニス、バジル、ライムなどの香り成分でもあり、それらの香りを有する白ワインと香りが同調するので風味が豊かに感じられます。
そして、アボカドは脂肪分が多く滑らかな舌触りで、ワインもやや粘度のあるものを合わせるのもペアリングのポイントです。
土地のワインと食を合わせるペアリングというのは、ペアリングの基本です。そこから派生して様々な可能性を探っていけますが、基本のペアリングを知らないと土台がないのと同じです。ここからよりペアリングを楽しんでいただけると幸いです。
《関連記事》
・メキシカンと合うおすすめワイン3選
JSA Sommelier
The Ritz Carlton Tokyo Azure45や、阿部誠氏が率いる「東京ぶどう酒店」、「サロン・ド・シャンパーニュ ヴィオニス」、フランスのシャンパーニュ地方ランス「Domaine les Crayéres」にて10年以上サーヴィス、ソムリエールとして働く。
現在様々な形でワインを広めるべく雑誌やウェブメディアにて執筆中。
Haruka Kageyamaの記事一覧
新着口コミ
ワインペアリングを楽しめるお店、レストランを探す
都道府県から探す