家飲みにおすすめのスパークリングワイン7選
シャンパーニュはグラスの中でキラキラと輝き、糸を引くような繊細な泡立ちで、見た目からまず飲み手を魅了します。そして、口に含めば高貴な味わいで人々を虜にし、優雅な気持ちにさせてくれる、それこそが最大の魅力です。
そんな素晴らしい飲み物なので、出来るだけ飲む機会を多数持ちたいですが、少なくとも1本¥5,000程度はしてしまうので、そう簡単に毎日のように飲むのは難しいのが実際のところ。
そこで、こちらの記事では、普段の家飲み用に最適な、リーズナブルな価格ながらもシャンパーニュに匹敵するようなスパークリングワインや、シャンパーニュとは異なる魅力の発泡性ワインを紹介してゆきます。
シャンパーニュ地方以外のスパークリングワイン産地
シャンパーニュ地方以外にもフランス国内各地でスパークリングワインは造られており、価格がリーズナブルなだけでなく、それぞれ土地の持ち味をしっかりと出しています。
また、フランスだけでなくスパークリングワインは世界中で造られており、やはり国や地域でそれぞれ異なる個性を持っているのが面白いところ。
そんな日常的に味わえる、各国地域を代表するスパークリングワインを¥1,000以下から¥3,000までの価格帯で紹介します。
フランス産スパークリングワイン
フランス産のスパークリングワインは「ヴァン・ムスー(泡のワイン)」と総称され、その頂点に君臨するのがシャンパーニュです。
ヴァン・ムスーとボトルに表記されるスパークリングワインは、広域のブドウを使い、また価格は相当リーズナブルなものが多いものの、品質の面からすると後スペインやイタリアの同価格帯のものからは後塵を拝するといえるでしょう。
しかし、地域名の付いた「クレマン」はシャンパーニュと同じ製法で、赤ワインや白ワインで有名なボルドーやブルゴーニュでも造られています。
特にこちらの二つの産地は、フランスの北部と南部の特徴が良く出ており、価格の面でも¥2,000前後で購入可能ですので、ぜひともお試しください。
おすすめスパークリングワインその①
ロージェル クレマン・ダルザス・ブリュット
フランスとドイツの国境沿いに位置するアルザス地方のクレマン。冷涼感のあるすっきり系白ワインを多数産出することで人気のアルザス地方ですが、スパークリングワインでもその味わいは顕在です。
市場価格¥3,000程度が一般的なクレマン・ダルザスにおいて、こちらは¥2,000を切る価格で入手可能ですので、アルザスのスパークリングワインとはどのようなものかまず試してみたい方におすすめの一本です。
▶︎ロージェル・クレマン・ダルザス・ブリュット原産国:フランス
産地:アルザス
格付け:AOCクレマン・ダルザス
品種:オーセロワ、ピノ・ブラン、リースリング
生産者:ロージェル
味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
アルコール度数:12.5%
合う料理:シュークルート、タルトフランベなど
飲み頃温度:8~10℃
おすすめスパークリングワインその②
クロズリー・デ・リ クレマン・ド・リムー
クレマンは、フランスの中でもワイン産地として有名な地域で造られることが多く、ボルドーやブルゴーニュ、アルザスなど、スティルワインでも人気のある産地のものに視線が注がれるのが一般的です。
しかし、価格と品質の面からして、南フランス・ラングドックのリムーを見逃す手はありません。南方らしい明るさを感じさせる味わいと品質以上のリーズナブルな価格で、家飲みに最適な一本です。
▶︎クロズリー・デ・リ クレマン・ド・リムー原産国:フランス
産地:ラングドック
格付け:AOCクレマン・ド・リムー
品種:シャルドネ60%、シュナン・ブラン30%、 モーザック5%、ピノ・ノワール5%
生産者:シャトー・アントニャック
味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
アルコール度数:12.0%
合う料理:蒸したムール貝、甲殻類のグリル
飲み頃温度:8~10℃
スペイン産スパークリングワイン
スペインでシャンパーニュ製法(瓶内二次発酵)で造られるスパークリングワインはカヴァと呼ばれ、その主な産地は地中海沿岸、バルセロナからほど近いペネデスに集中します。
2022年にカヴァは熟成期間や産地規定が現在より厳しくなり、これまで全てが汎用品と見られてしまいがちでしたが、細分化されることでよりハイレベルなものが出回ることになるでしょう。
¥1,000を切る価格帯のものも世界有数の品質で、シャンパーニュ以上の熟成期間の長いものでも驚くほどリーズナブルな価格で手に入ってしまいますので、カヴァはこれから見逃せないカテゴリーです。
おすすめスパークリングワインその③
グラン・リベンサ カヴァ・ブリュット
こちらのワインの生産者のハウメ・セラ社は、
・ニューヨーク・タイムズ誌で「シャンパン以外のベスト・バリュー・スパークリングワイン」で第1位
・ワイン&スピリッツ誌で「3年連続バリュー・オブ・ザ・ブランド」獲得
といった、輝かしい受賞歴を持っており、このカヴァは¥1,000以下で購入できるものの中でも特に品質に優れています。
原産国:スペイン
産地:ペネデス
格付け:DOカヴァ
品種:マカベオ、チャレロ、パレリャーダ
生産者:ハウメ・セラ
味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
アルコール度数:11.5%
合う料理:魚介系の冷製前菜、オイル系のパスタ、食前酒として
飲み頃温度:6~8℃
おすすめスパークリングワインその④
ロジャー・グラート カヴァ・ロゼ
某テレビ番組の格付けチェックで、「ドン・ペリニヨン・ロゼよりも美味しい」と評判になったことで一躍有名になったロゼ・カヴァ。濃厚な味わいで食前酒としてももちろん、前菜からパエリアや肉料理まで、守備範囲広く楽しむことのできる一本です。
▶︎ロジャー・グラート カヴァ・ロゼ原産国:スペイン
産地:ペネデス
格付け:DOカヴァ
品種:ガルナッチャ60%、モナストレル35%、ピノ・ノワール5%
生産者:ロジャー・グラート
味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
アルコール度数:12.0%
合う料理:シーザーサラダ、パエリア、酢豚
飲み頃温度:8~10℃
イタリア産スパークリングワイン
イタリアにはフランス同様の高品質スパークリングワインとして「フランチャコルタ」がありますが、それはやはりシャンパーニュ同様ラグジュアリーな場面にこそ相応しい一本。
多様性という意味ではフランスよりも幅広く、日常的に楽しめるスパークリングワインの種類が豊富なのがイタリアの楽しいところ。シャンパーニュ製法にこだわらず、とにかく普段飲み用に相応しいスパークリングであれば、イタリアが最適といえます。
おすすめスパークリングワイン⑤
トッレゼッラ・プロセッコ・エクストラ・ドライ
今、世界的に大人気なのがプロセッコ。人気の理由はパチパチとした優しい泡立ちと、ほのかに甘やかさを感じる口当たりの柔らかさです。
シャルマ方式というタンク内で二次発酵させる製法で、シャンパーニュとは異なった造り方ですが、それによってよりカジュアルに楽しめるのが嬉しいところ。
TPOに相応しいワインを選べることこそ、ワイン愛好家にとって大切な姿勢なのです。
▶︎トッレゼッラ・プロセッコ・エクストラ・ドライ原産国:イタリア
産地:ヴェネト
格付け:DOCプロセッコ
品種:グレーラ100%
生産者:トッレゼッラ
味わい:甘口☆☆★☆☆辛口
アルコール度数:11.0%
合う料理:生ハム、サラミなどフィンガーフード
飲み頃温度:8~10℃
おすすめスパークリングワイン⑥
トスティ・アスティ・スプマンテ
甘口のワインは邪道だと言う人が結構いますが、甘口ワインが大好きなソムリエは多数いますし、辛口よりも甘口のものが好きだったら素直に甘口のものを飲むべきなのが、現代のワイン愛好家として相応しい飲み方。
甘口スパークリングワインの筆頭格とも言えるのが、アスティ。モスカート(イタリア語でマスカット)で造られた爽快な甘さは、甘党でなくとも癖になること間違いありません。
▶︎トスティ・アスティ・スプマンテ原産国:イタリア
産地:ピエモンテ
格付け:DOCGアスティ
品種:モスカート100%
生産者:トスティ
味わい:甘口★☆☆☆☆辛口
アルコール度数:7.0%
合う料理:パンナコッタ、ビスコッティなどの焼き菓子
飲み頃温度:6~8℃
おすすめスパークリングワイン⑦
ドネリ・ランブルスコ・ディ・モデナ・セッコ
ランブルスコは、微発泡でアルコール度数も低く、そしてこちらは赤のスパークリングです。シャンパーニュとはもはや対極的な位置付けですが、スパークリングワインの楽しみ方の幅広さや奥深さの面からは決して外すことの出来ない一本です。
ランブルスコの楽しさを一度知れば、普段ワインを飲まない友達をワインの世界に引き込むきっかけとなってくれるので、ワイン仲間がどんどん増える楽しみが広がります。
▶︎ドネリ・ランブルスコ・ディ・モデナ・セッコ原産国:イタリア
産地:エミリア・ロマーニャ
格付け:DOCモデナ
品種:ランブルスコ100%
生産者:トスティ
味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
アルコール度数:11.0%
合う料理:生ハム、パルミジャーノ・レジャーノ
飲み頃温度:6~8℃
おわりに
シャンパーニュは、フォーマルな場面で飲むのに相応しく、カジュアルな場面ではまたそれに相応しいものがあるというのが、スパークリングワインの楽しいところです。ここでは、ヨーロッパの主要生産国のスパークリングワインを紹介しましたが、もちろん世界中にはもっとたくさんの種類があります。こちらで紹介したスパークリングワインをきっかけに、ぜひいろいろな国地域のものにもチャレンジしてみてください。
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日本ソムリエ協会認定ソムリエ
大手ワインショップや個人経営のワインショップの店長として、通算15年に渡り店頭にてワイン販売に従事。現在はナチュラルワイン専門のインポーターにて営業職。専門用語を如何に使わずにワインの魅力を一般消費者に伝えるかと、有名無名に関わらず安くて美味しいワインの発掘に腐心し続けている。
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