ペアリングワイン

ワインペアリングで変わる濃系カリフォルニアワインの楽しみ方~白ワイン編

カリフォルニアワインはお好きですか?

しっかりとしたコクや凝縮した果実味を楽しめるのはカリフォルニアワインならではかもしれませんね。

一方で、「濃い」「香りが強すぎる」などのように少し後ろ向きな声をときどき耳にします。かくいう私もそのように思っていた時期がありました。

しかしながら、ワインペアリングを楽しむようになってからは、かつてのイメージは払拭され、今までとは別物の味わいを楽しみ、食事とのハーモニーを堪能できるようになりました。

今回は、濃系な印象のカリフォルニアワイン〜白ワイン編とのペアリングをご紹介します。

カリフォルニア白ワインとのペアリングの決め手は二つ

カリフォルニアの白ワインとして一般的にその特徴として言われるのが、樽の由来のコク、バターやナッツのニュアンスです。カリフォルニアに限ったことではありませんが、多く見られる特徴ですよね。

私は、このようなタイプのワインとのペアリングレシピを考えるときは 、

*「乳製品」

*「酸」

この2つの要素で味の大枠を決めていきます。ワインを少し飲んでみて、この2つの要素が、

*しっかり感じ取れるフレッシュ&エネルギッシュなタイプなのか

*バターやミルクのコクと「酸」のバランスが程よいタイプなのか

*バターやミルクのコクは控えめで「酸」がキレイなエレガントなタイプなのか

などなど、ひとつひとつの個性をひろって料理のペアリングを考えるのも楽しいですよ。では、上記のようなタイプのワインにはどんなものがあるのでしょうか。具体例をご紹介していきますね。

フレッシュ&エネルギッシュなタイプには

▶︎ケンダル・ジャクソン グランド・リザーヴ・シャルドネ

「カリフォルニアワインとは」と、口で説明するよりはケンダルジャクソンのシャルドネを飲んでもらう方が良いと思うほど、典型的なカリフォルニアワインの特徴が詰まったワインです。エネルギッシュな若さを感じる高めのアルコール感や、フレッシュさを感じるハーブ感、またバターやナッツなどの厚みもあります。

*原産国:アメリカ
*産地 :カリフォルニア > セントラル・コースト > サンタ・バーバラ
*生産者:ケンダル・ジャクソン
*味わい:ミディアムプラス
*品種 :シャルドネ
*容量 :750ml

●ワインとのペアリング
「エッグベネディクト」や「ポテトグラタン」などのように、トロリとしたホワイトクリームにチーズなどの塩味を加えた料理との相性が良いです。隣にグレープフルーツなどの柑橘系フルーツを添えておくのもポイントですよ。まるでホワイトクリームの香りづけにナッツオイルを加えたような味わいが広がります。

樽系ソーヴィニョン・ブランには

▶︎ピーター・マイケル ソーヴィニヨン・ブラン "ラプレ・ミディ" ナイツヴァレー

カリフォルニアの白ワインと言うとシャルドネが人気ですが、ソーヴィニョン・ブランも実は素晴らしく、カリフォルニアワイン通の方々からは人気なのです。ニュージーランドやオーストラリアの軽やかなソーヴィニョン・ブランはリーズナブルでスルスル飲んでいくタイプなのに対し、このピーターマイケルのソーヴィニョン・ブランは、樽のニュアンスや複雑な香りがあるので、ゆっくり楽しむタイプです。

*原産国:アメリカ
*産地 :カリフォルニア > ソノマ > ナイツヴァレー
*生産者:ピーター・マイケル・ワイナリー
*味わい:ミディアムプラス
*品種 :ソーヴィニヨン・ブラン、セミヨン
*容量 :750ml

●ワインとのペアリング
「魚介のクリーム煮」や「チーズのキッシュ」など、濃厚ミルクのような料理にディルやフレッシュバジル等のハーブを添えた料理に良く合います。料理から出るコクのある味わいに、ワインがちゃんと同調していくのを感じられると思いますよ。

キレイな酸を感じるタイプには

▶︎ウィリアムズ・セリエム シャルドネ アレンヴィンヤード

カリフォルニアワインのシャルドネの特徴で一番に頭に浮かぶのは、その濃厚さではないでしょうか。しかし、ウィリアムズ・セリエムのシャルドネの様に少し違うタイプもあります。バターやナッツなどの厚みもありますが、同時にグレープフルーツなどの酸もしっかり感じとれ、全体的にエレガントな印象です。特にこのカルトワインの草分け的存在~ウィリアムズ・セリエムのシャルドネは「酸」と「濃厚」のバランスが絶妙ですよ。

*原産国:アメリカ
*産地 :カリフォルニア > ソノマ > ロシアン・リヴァー・ヴァレー
*生産者:ウィリアムズ・セリエム
*味わい:ミディアムプラス
*品種 :シャルドネ
*容量 :750ml

●ワインとのペアリング
「サーモンのレモンバターグリル」や「ホタテのレモンクリームソース焼き」などのように、レモンの皮ごと一緒にグリルした調理方法がおすすめです。レモンの酸味と、レモンの皮の苦みが、濃厚なバターのニュアンスと絶妙にバランスをとってくれるので、食も会話もすすみます。

いかがでしたでしょうか。濃いと言われることもあるカリフォルニアワインも、料理とのペアリング次第で新しいハーモニーを楽しむことができます。是非、お試しください。

《関連記事》
アメリカ式ホリデーシーズンのおもてなしワインペアリング
アメリカのハイブリッド品種と家庭料理のペアリング
アメリカで流行中!缶ワインのおすすめペアリング
ステーキの日に飲みたいおすすめアメリカ赤ワイン
多様性の街、ニューヨークワインの魅力とは?

Yasuyo Ito

Webライター/日本ソムリエ協会認定 ワインエキスパート/WEST level2 English
アパレルメーカー、広告代理店と異業種へ転職する中、プライベートではワイン愛好家歴20年。
資格取得をきっかけにワイン愛好家のコニュニティーを広げ、「ワインのある暮らし」をテーマにSNS、webメディアなどで執筆中。日本にもっとワイン好きを増やすべく、極力専門用語は使わないのがマイルール。
Yasuyo Ito の記事一覧 

新着口コミ

もっと見る

ワインペアリングを楽しめるお店、レストランを探す

都道府県から探す