ペアリングワイン

お家でワイナリーをめぐる!おすすめの日本ワインたち

最近では、スーパーなどでも本格的な日本ワインを目にするようになってきました。国税庁の調査によると、日本には331件のワイナリーがあるのをご存じでしたか?

ワイナリーでは試飲ができたり、そこでしか買えない限定ワインがあったりします。また、ワイナリーによってはぶどう畑が見渡せたり、醸造の現場が見学できたりと、ワインラバーにはたまらない場所です。

今日は山梨、長野のワイナリーとおすすめのワインをご紹介します。お家にいながらワイナリーを感じてみてくださいね!

日本ワインとは

「日本ワイン」とは、日本国内で栽培されたぶどうを100%使用して、日本国内で醸造されたワインの総称です。

特徴は多様性にあり、日本を代表する白ワイン用品種の「甲州」や、赤ワイン用品種の「マスカット・ベーリーA」など日本固有の品種に加え、シャルドネやカベルネ・ソーヴィニヨンなどの様々な品種も導入され、多様な味わいのワインが造られています。

全般的な味わいの特徴は、日本料理とおなじく、すべての要素がバランスよくまとまっている「繊細さ」にあります。

日本ワインは世界の中でも大大注目です。国際コンクールで賞をとったり、ワイナリーが世界的にみとめられたりしています。なんといっても海外に行かずとも、日本国内で素晴らしいワインが造られていることを誇りに思います。

山梨県のワイナリー

今回は、主な産地である山梨県と長野県のワイナリーを紹介していきます。山梨県は長年、日本随一のワイナリー数、日本最大のワイン生産量を誇ってきました。国税庁の調査によると2020年3月現在で85件、生産量も日本の全生産量のおよそ30%を占めています。

本州のほぼ中央に位置する山梨県は、標高2000m〜3000mを超す山々にかこまれた内陸県で、中心部に甲府盆地があり、その周辺にワイナリーは集中しています。

山梨県は周りが山々に囲まれているので、雨雲を遮り梅雨や台風の影響を受けにくいため、年間の降雨量が比較的少なく、日照時間も長いのが特徴。ぶどうなどの果樹栽培には適した土地です。

甲府盆地は歩いてワイナリーが巡れます!ぶどう畑をぬけてしばしの住宅街があったかと思うと、大きな古民家が現れます。

㈱くらむぼんワイン

創業は大正2年。くらむぼんの名は宮沢賢治の小説「やまなし」から引用しています。地元特産の甲州やマスカット・ベーリーAを農家から直接仕入れ、食事に合う辛口ワインが造られています。

自社畑では自然栽培を行い、皮付き天然酵母で発酵させるなど、ぶどうの風味がいきた自然な味わいで、土地の風味が感じられるワイン造りを目指されています。

大きな民家の佇まいはどこか懐かしさを感じます。母屋にワインサロンが併設されており、ワインの購入や試飲ができます。試飲はなんとオーナー醸造家である野沢たかひこさんが説明してくれることもあります。

実際、私が訪れた時は野沢さんから色々と説明していただきました!その時はご本人だとは、分かりませんでした。あとからホームページで知って、びっくり!!一言もオーナーとはうかがっていなかったので、なんて謙虚な方なんだろうと思いました。

【おすすめワイン】

▶︎N甲州

甲州をフレンチオークで樽発酵させ、天然酵母で無濾過なので自然な風合いのワインです。甲州特有の和柑橘系の香りですが、りんごのコンポートや、はちみつなどの香りもあり、やわらかい印象。少しヴァニラのようなニュアンスも感じられるワインです。

【テイスティングのポイント】
天然酵母ならではの自然な風味を味わってほしいワインです。甲州の和柑橘系の酸に包み込むような甘いはちみつのような香り。少しまったりとした余韻はちょっと青みがかった野性味も感じられます。

甲府盆地が見渡せる体験型ワイナリー
シャトー酒折ワイナリー(株)
Chateau Sakaori Winery

世界のワインを輸入する木下インターナショナル株式会社が設立したワイナリー。「日常の食卓で飲まれるワイン」を目指されています。その目標通りにコスパの良いワインが揃っています。

甲州とマスカット・ベーリーAにこだわりをお持ちで、なかでも池川仁氏のぶどうで造るワインはおすすめ!池川氏はアメリカ・カリフォルニアにてぶどう栽培について学び、帰国後は独自の栽培理論に基づき、高品質なぶどうを栽培しているカリスマ栽培家です!

ワイナリーはガラス張りの所もあり見学がしやすく、予約なしでも醸造の現場が見学できます。ワインを片手にテラスから甲府盆地の眺めは必見です!

【おすすめワイン】

▶︎マスカット・ベリーA樽熟成 キュベ・イケガワ

シャトー酒折のフラッグシップワイン。池川仁氏が作りだすぶどうのみを使用。エレガントな風味と凝縮された果実味、力強さを兼ね備えたワインです。マスカット・ベーリーAは苦手だけどこれは好き!と言われる方も多く、親しみやすいワインです。

【テイスティングのポイント】
まずは、もぎたてのぶどうような果実の香りを感じると思います。空気に触れさせていくことによって、少しずつ香りが開いていきます。ドライフルーツのような凝縮された甘い香りがたちあがり、口に含むといっきに広がる感じです。後味はいちごのような爽やかさが残るワインです。

長野県のワイナリー

国税庁の調査によると2019年3月現在のワイナリー件数は北海道と並んで38件で、山梨県に次いで第2位。日本ワインの生産量も同じく2位です。本州の中央に位置する内陸県で、周囲は北アルプス、中央アルプス、南アルプスに囲まれています。

ぶどう畑は各盆地に点在しており、標高は350m〜900mに渡ります。雨は少なく、夜に気温が下がる盆地気候。土壌は水はけが良くぶどう栽培に適した土地です。

メルシャン(株) / シャトー・メルシャン椀子ワイナリー

電車から「しなの鉄道大屋駅」を降りると目の前に広がる広大な丘陵地。車でぶどう畑をいくつも抜けていくと、ひときわ印象的な白い建物がぽつんとそびえ立ちます。

シャトー・メルシャン椀子ワイナリーは、世界のワイン関係、旅行関連の専門家500名以上で選ぶ「ワールド・ベスト・ヴィンヤーズTOP50」に選ばれたアジアで唯一のワイナリーです。

「フィネス&エレガンス」(調和がとれた上品な味わい)が合言葉で、土地の気候、風土、生産者によって育まれるぶどうの個性を大切にしたワイン造りを目指しておられます。

一度訪れると忘れることができないところです。目の前にひろがるぶどう畑が、まるで私達の訪問を歓迎してくれてかのような印象。想像してみてください、ぶどう畑とワイナリーと私、他にはなにもない。本当に素晴らしい所なんです!
ワイナリー全体がお庭のように手入れされており、まるでおとぎの国に来たかのようです。

メルシャンおもてなしガイド「MOG」のガイドトークも必見です!気になる方はこちらもご覧になってみてください。

【おすすめワイン】

▶︎椀子シラー

全体的には心地よい酸味と果実味が調和しており、本当に素晴らしいワインです。黒い果実や白こしょうを思わせるスパイシーな香りが感じられます。これは長野県上田市丸子地区の陣場台地にある自社管理畑「椀子ヴィンヤード」のぶどうを使用しているからです。この地区の土壌にはスパイシーさの由来になる成分をふんだんに含んでいて、他にはない味わいといっていいでしょう。

【テイスティングのポイント】
色合いは濃い紫がかった赤色。カシスやダークチェリーの香りがあります。共に感じるスパイシーさは想像以上で、はっきりと「白こしょう」が感じられます。

これがアクセントとなって豊かな果実味、少しスモーキー香り、ビターチョコやすみれの香りと複雑にからみ合います。酸も程良く、タンニンもバランス良く感じられます。

ゆっくりと空気に触れさせることでよりフローラルで豊かな果実の香りに変化していきます。ぜひ味わいや香りの変化を楽しんでください!

(株)ヴィラデストワイナリー / ヴィラデストワイナリー

長野県東御市にある標高850メートル、丘の上にあるワイナリー。エッセイストや画家でもあるオーナーの玉村豊男氏の思いがつまったワイナリー。このワイナリーが目指すのは「田舎のリゾート」です。かわいい田舎のお庭で、ぶどう畑を眺めながら、地元でとれた新鮮な素材をつかった料理を食べる。美しい景色のなかで自然との共存を感じてられるワイナリーです。

【おすすめワイン】

▶︎ヴィニュロンズリザーブ メルロー

ヴィニュロンズリザーブは、自社畑産ぶどう100%で厳選された果実を使用しています。その味わいはやさしく包み込むようです。オーク樽で熟成させ、エレガントな果実味と味の中にスパイスが感じられるワインです。

【テイスティングのポイント】
色合いは深みのある赤紫。豊かなカシスやスグリのような果実の香りはフレッシュさを感じます。酸もおだやかで優しさや、やわらかさがあります。造り手とオーナー玉村氏のお人柄が感じられるワインです。

まとめ

今日は日本のワイナリーについてご紹介しました。ぜひお家でも、ワイナリーに思いをはせながらワインを飲んでくださいね!また、別の記事でも他のワイナリーもご紹介していきたいと思います。

今日はお家でワイナリーに乾杯!

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鎌田 陽

Webライター/日本ソムリエ協会認定 ソムリエ

関西のホテルレストランにソムリエとして勤務。ワインに関わって約10年。
メーカーズディナーなどのイベントを企画・開催。
「ワインは人を幸せにする飲み物」をモットーにライターとしても活動中。 鎌田 陽の記事一覧 

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