ペアリングワイン

旅するワイン!南フランスの自然派ワインPart2

ワインを飲んで世界を旅しよう

ワインはその土地の景色や造り手の人柄など様々なものを感じさせてくれる飲み物です。その土地の料理とワインを合わせることで、ちょっとした旅行気分を味わうことができたり、良い気分転換にもなりますね。南フランスの暖かな陽気を感じさせるワインと相性の良い郷土料理を合わせて、お家でまったり南フランス気分を満喫しませんか?

南フランスの中でもローヌ川流域やスペイン国境近くまで広がるワイン産地ラングドック・ルーションのワインは、昔からカジュアルワインの産地として知られていますが、近年こだわりの自然派生産者が増えている注目の産地です。AOCは多くはないですが、それ以上に素晴らしい生産者のワインが数多くあるのが魅力です。

今回は、ラングドック・ルーションを代表する自然派生産者のワインと相性の良い郷土料理の作り方を紹介します。

ブリュノ・デュシェン

元々はキノコ栽培のスペシャリストとして知られていたブリュノ・デュシェン。その地位を捨ててまで始めたワイン造りですが、今やルーションを代表する生産者として君臨しています。

シャソルネのフレデリック・コサールの元で経験を積み、スペイン国境近くバニュルスにある標高300mの傾斜地で手作業のみでブドウ栽培し、素晴らしい自然派ワインを生み出しています。

彼のワインのエチケットは青い空に山々と海が広がる雄大な自然を表したもので、ブドウが育った環境がそのまま描かれています。 生産量も多くなく、売り出した途端から売り切れてしまうような希少なワインですので、見つけた方は是非手に取ってみてくださいね。

▶︎コート・ヴェルメイユ・ラ・ルナ

カジュアルラインのルナですが、やはり品質は素晴らしいの一言。猛暑日が続いた2019年ヴィンテージのワインでも、ワインに品のある冷涼感が感じられ、テロワールに加えて醸造技術の高さも覗えます。

12区画に植わる5品種のブドウを全房のものをタンクの一番下に強いて、除梗したブドウをその上にのせてセミ・マセラシオン・カルボニックを施してプレス。その後ステンレスタンク発酵し、古樽で6ヶ月熟成し、SO2無添加で瓶詰めを行います。

よく熟したフランボワーズやジンジャー、ほんのりと野生のハーブや青草のニュアンスが感じられます。エキス感の詰まった明るい果実味に、しなやかな酸とタンニンが纏まってエレガントな印象で、余韻も長く続きます。例年に比べて更にエレガントな味わいになっています。

郷土料理カスレと合わせると、旨味にしっかり寄り添い、ワインのエレガントさからより洗練された味わいを感じさせてくれます。

* 原産国:フランス
* 産地:ルーション
* 品種:グルナッシュ、グルナッシュ・グリ、グルナッシュ・ブラン、カリニャン、ムールヴェドル
* 生産者:ブリュノ・デュシェン
* 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
* 容量:750ml

カスレ・カステルノダリー

カスレは白いんげん豆や肉類を煮込んだフランスの伝統的な煮込み料理のことです。各家庭でアレンジして作られて、日曜日に家族みんなが集まる際に食べられてきたフランス版おふくろの味です。身も心も温まるような特別なお料理の1つです。

その起源は諸説ありますが、14〜15世紀の100年戦争の頃にカステルノダリーで、戦争で疲弊した兵士たちのために、村人たちがありったけの食材を土鍋で煮込んで振る舞ったのがカスレの始まりとされています。

その際に使ったのが写真の土鍋。この地で伝統的な陶器の土鍋カソールで、カスレの名の由来になったと言われています。地域によって入る具材に特色があり、カステルノダリーのカスレには、白いんげん豆に豚肉、鴨やガチョウのコンフィが入っています。

▼材料(2人分)
・白いんげん豆水煮缶…260g1缶
・鴨かガチョウのコンフィ…1本か2本お好みで
・豚肩ロース…150g
・タマネギ…1/2個
・トマト缶…200g1缶
・白ワイン…50cc
・オリーブオイル…適量
・塩・砂糖・胡椒…適量
・ニンニク…1片
・パン粉…適量
・水…100〜200cc

▼作り方
①2cm角にカットした豚肉に塩小さじ1、砂糖小さじ2を振りかけてラップに包んで一晩冷蔵庫で寝かせて旨味を引き出します。
②タマネギとニンニクをみじん切りにしてしんなりするまで炒めて、一晩寝かせた豚肉、コンフィ、トマト缶、水100〜200cc、白ワイン50cc、塩小さじ½、白いんげん豆を加えて強火で煮込み、煮立ったら弱火にして時々かき混ぜながら50分煮込みます。
③耐熱の器にのせて、更に上からパン粉、オリーブオイルを適量かけてオーブントースターで様子を見ながら10分程こんがり焼き色がつくまで焼きあげたら完成です!

柔らかい白いんげん豆にお肉から出てくる脂や旨味がたっぷりと染み込んで、表面のパン粉がカリカリに焼けたら頂きましょう!

カスレは各家庭で多少なりともアレンジが加えられています。このワインの個性に寄せて少しだけ生姜を加えると共通項が増えてより相性が高まります。

是非お試しくださいね。

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Haruka Kageyama

JSA Sommelier
The Ritz Carlton Tokyo Azure45や、阿部誠氏が率いる「東京ぶどう酒店」、「サロン・ド・シャンパーニュ ヴィオニス」、フランスのシャンパーニュ地方ランス「Domaine les Crayéres」にて10年以上サーヴィス、ソムリエールとして働く。
現在様々な形でワインを広めるべく雑誌やウェブメディアにて執筆中。 Haruka Kageyamaの記事一覧 

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