ペアリングワイン

香り豊かなアロマ品種!ソーヴィニヨン・ブランの世界

キュッと引き締まった酸がもたらす柑橘類の香りと、フローラルなアロマを持つソーヴィニヨン・ブランはまさしく「アロマ品種」と呼ばれるに相応しい香り豊かな白ワイン品種です。

生産国を問わず比較的カジュアルなお値段で手に入る事と、シーンを選ばないフルーティーな味わいはデイリーワインとして揃えておきやすい手軽さも魅力の一つです。

今回は、そんなソーヴィニヨン・ブランに焦点を当て、生産地やスタイルの違い、おすすめワインをご紹介します。

ソーヴィニヨン・ブラン二大生産地

同じ品種でありながら全く違う個性やスタイルを持つ為、この2つの産地は飲み比べられる事が多く、ソーヴィニヨン・ブランを知る上で抑えておくべき二大生産地です。

① 「フランスの庭」と呼ばれる風光明媚なワイン産地、ロワール地方

フランス西部にあるロワール地方はソーヴィニヨン・ブランの一大生産地。全長1,000Kmを超えるロワール川を有し、その流域に沿って広大なぶどう畑が広がっています。

冷涼な気候がもたらす豊かな酸とフルーティーな味わいは世界トップクラスのクオリティです。また、ロワール川流域は歴史ある城が沢山点在し、あのジャンヌダルクで有名なシノン城もロワール地方を代表する城として今でもしっかりと佇んでいます。山があり川があり、まさしく風光明媚なワイン産地と言えます。

●ロワール産ソーヴィニヨン・ブランの特徴

冷涼な気候を生かしたぶどう品種の栽培が特徴で、ロワール地方のソーヴィニヨン・ブランは酸を多く含み、レモンなどの柑橘類とハーブのような爽やかなニュアンスのすっきりした味わいです。フレッシュでクリーンなソーヴィニヨン・ブランが飲みたい時は迷わずロワール産を!

《ロワール地方 お勧めの一本》

▶︎サンセール グラン・キュヴェ・ブラン

ロワール地方サンセール村のソーヴィニヨン・ブラン。樹齢35〜55年の古木から獲れるぶどうはサンセールで最も立地が良い場所で栽培されており、程よい酸とミネラル感が品の良い味わいです。

コロンとしたボトルデザインは17世紀に実際に使われていた形を復刻採用しており、見た目にも可愛いくプレゼントにも喜ばれる一本です。

②ニュージーランドワイン生産の7割以上を占める、マールボロ地方

マールボロは南北150kmに及ぶ複雑に入り組んだ海岸線と豊かな自然が美しく、カヤックや釣り、ハイキングなどのアクティビティも盛んな地方です。また、ワイン造りにおいては7割以上がマールボロで生産されており、そのほとんどがソーヴィニヨン・ブランです。まさしくワイン造りの首都であり、ソーヴィニヨン・ブランの聖地と言うべきエリアです。

●ニュージーランド産ソーヴィニヨン・ブランの特徴

マールボロ地方では寒暖の差が激しいため、ぶどうの熟度が高くなり、出来上がるぶどうの味わいはパッションフルーツやパイナップル、マンゴーなどの様なトロピカルなニュアンスとなります。香りがとにかく豊かで濃厚なニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランは驚くほどジューシーな味わいです。

《ニュージーランド お勧めの一本》

▶︎キムクロフォード

キム・クロフォードは「フレーバーにフォーカス」したワイン造りを理念に掲げ、テロワールを反映した香り豊かで果実味溢れるソーヴィニヨン・ブランを造っています。

濃厚な味わいはソーヴィニヨン・ブランの世界観がガラリと変わるほどのインパクトです。また、ワインをフレッシュに保つことが出来るスクリューキャップをいち早く導入するなど、革新的なワイン造りと自由なスタイルをモットーに世界で高評価、人気の生産者です。

ソーヴィニヨン・ブラン簡単ペアリング

ソーヴィニヨン・ブラン+前菜
基本的に軽いアタックで飲み心地がフレッシュなので、前菜との組み合わせがよく合います。品種由来のアロマの香りやニュアンスを合わせる方法が簡単です。

◎白身魚 鮮魚のカルパッチョ

ソーヴィニヨン・ブランの特徴である柑橘のニュアンスに、レモンをたっぷり絞った前菜を合わせると簡単にペアリングが完成します。同じ味わいを合わせるペアリングテクニックで白身魚の他、同じくレモンをたっぷり絞った生牡蠣にもよく合います。

◎スモークサーモン ディル添え

食材にいい香りを添えてくれるディルとソーヴィニヨン・ブランの相性は王道中の王道とされているほどよく合います。ディルがなければ、他のハーブでもOK。サワークリームを添えても相性が良いです。

◎芽キャベツのグリル

ほろ苦く青いニュアンスがソーヴィニヨン・ブランとよく合う組み合わせです。味付けは軽く塩だけでも良いですが、パルメザンチーズをかけるとよりワインと合います。

◎チキンの香草焼き

メイン料理にも合わせたい場合はチキンの肉の旨味と香草のさわやかを合わせます。野菜の添え物はズッキーニやルッコラなど、青いニュアンスの食材を添えると簡単にペアリングが完成します。

まとめ

生産地はロワール地方やニュージーランド以外にも世界中に沢山あり、味わいやスタイルは様々です。

色々と飲み比べてみてお好きなソーヴィニヨン・ブランのスタイルを見つけてみてくださいね。

《関連記事》
爽やかさ香る!世界各国のソーヴィニヨン・ブラン
ずばりこれ!初夏におすすめソーヴィニヨン・ブラン3選
冬も飲みたいおすすめソーヴィニヨン・ブラン

山口 真由美

ワインバー オーナーソムリエ
J.S.A.認定ソムリエ / J.S.A.認定SAKEディプロマ
WSET level3 / C.P.A.認定チーズプロフェッショナル
ワインバーへ勤めたことをきっかけにワインの世界に入りその後独立、東京青山にワインバーを開店。ワインを提供する立場だからこそお伝えできる世界観をお伝えします。ワインのほか、日本酒やチーズも得意。
国内外問わず旅が大好きで、NYで2年の海外生活経験あり。 山口 真由美の記事一覧 

新着口コミ

もっと見る

ワインペアリングを楽しめるお店、レストランを探す

都道府県から探す