ペアリングワイン

寒い冬に飲みたい!どっしり重めのニュージーランド・フルボディワイン

ベッドからはみ出した手先や足先さえも、一瞬で冷気を感じふとんの中に戻したくなる。そんな今日この頃。今年の「大寒」は1月20日。字のごとく一年で最も寒い時期に当たります。この大寒を過ぎると、暦の上では春。少しずつ日が延び、スーパーにも春の食材が並び始めますね。

筆者も寒さはあまり得意ではありませんが、凍えるような寒さから帰ってきて部屋が温まっている時のホッと一息つく瞬間、熱い湯船に入った時のじわじわと身体が温っていく感覚、鍋を囲んでわいわいと団欒するひと時など、この時期にしか味わえない冬の幸せが日々の中に散らばっています。

日本は世界を類に見ても、季節の流れに寄り添い、その時々の季節を愛で尊重する国だと思います。また、ワインは他のお酒と比べても香りや味わいのバラエティに富んでいますよね。製法によるキャラクターの違いだけでなく、ブドウ品種の数、それぞれのブドウの個性やアロマの複雑さは他のお酒にはないバラエティではないでしょうか。

そんな、バラエティに富んだワインの中から、その四季に合わせて、また今の気分に合わせて「今日の一本」を選べることがワインの魅力のひとつ。

今回は、こんな寒い時期だからこそ飲みたい!どっしり重めのニュージーランド赤ワインと合わせて楽しみたいおススメペアリングをご紹介していきます。

ニュージーランドのフルボディ赤ワイン

ニュージーランドワイン=ソーヴィニョン・ブラン(あるいはピノ・ノワール)というイメージをお持ちの方がほとんどではないでしょうか。その通り、国内生産量の約70%をソーヴィニョン・ブランが占めています(ピノ・ノワールは9%に過ぎません)が、近年北島で造られるシラーやカベルネを主体としたボルドーブレンドなどフルボディと呼ばれるワインの評価も非常に高いものがあります。

日本でのニュージーランドワインの輸入量は全体の1%にも満たず、またそのほとんどがソーヴィニョン・ブランです。その為、普段目にすることも口にすることも少ないニュージーランドのフルボディ赤ワイン。味わいは、新世界らしい明るい果実の印象と旧世界を想わせるエレガントさを兼ね備えたバランスの良いものが多く揃います。

おすすめワイン3選

▶︎Pegasus Bay Maestro (Merlot Cabernet Malbec)

・ワイナリー:ペガサスベイ
・産地:南島 / ノースカンタベリー
・品種:メルロー60%、カベルネソーヴィニヨン30%、マルベック10%
・容量:750ml

良年にしか造られないリザーヴワイン、マエストロ。2015年ヴィンテージは2009年以来、6年ぶりに造られました。2年間オークで熟成させ複雑な味わいを持ち、長期熟成にも適したワインです。

色合いは非常に濃いガーネット色(熟成に伴い落ち着いてきているかもしれません)。熟れたプラムやプレーン、シガーボックスやオリーブなどの香りも感じます。口に含むと細かいタンニンが感じられ、単調でない味わいの変化を楽しむことができます。

(おすすめのペアリング)

お肉との相性も抜群ですが、おススメしたいのはダークチョコレートとの組み合わせ。ダークチョコレートを先に一口。チョコレートの甘さがまだ残るうちにワインを流し込むと、上質なタンニンがカカオのビターさとチョコレートの濃厚な甘みと調和します。

▶︎Trinity Hill Hawkes Bay Syrah

・ワイナリー:トリニティヒル
・産地:北島 / ホークスベイ
・品種: シラー95%、ヴィオニエ5%
・容量:750ml

ニュージーランドで造られるシラーは、隣国オーストラリアの「シラーズ」とは全く違った印象です。こちらのトリニティヒルのシラーはヴィオニエを5%だけブレンドしたフランスの北ローヌ、コート・ロティを思わせるエレガントなワイン。

色合いは濃いルビーからガーネット色。ブラックベリーを主体とした果実の印象と白コショウやクローブ、ユーカリのようなスパイスとハーブ類の混ざり合ったようなアロマ。しなやかなタンニンと酸のバランスが良く、見た目以上に飲みやすい味わいです。

(おすすめのペアリング)

エレガントなタイプのシラーと合わせて楽しみたいのは、冬の定番すき焼き。パワフルなシラーズでは、ワインの主張にすき焼きの割り下が負けてしまうことがありますが、少し酸が残り繊細なタンニンを掛持つこのワインは、割り下と食材の旨みを消すことなく肉の脂身をうまく調和してくれます。

▶︎Reserve Cabernet Sauvignon & Merlot Villa Maria

・ワイナリー:ヴィラマリア
・産地:北島 / ホークスベイ
・品種: カベルネ ソーヴィニヨン88%、メルロー12%
・容量:750ml

こちらも良年のみ、その中でも厳選されたブドウからのみ造られるリザーヴシリーズのワイン。挽きたてのコーヒーやダークチョコレート、タイムなどのスパイス系のニュアンスのアロマ。口に含むとカシスやプラムの果実味が広がり、程よくボリュームのあるタンニンが余韻まで続くのでしっかりと飲みごたえを感じて頂けるワインです。

(おすすめペアリング)

こちらのワインは、家庭でもお馴染みのデミグラスハンバーグと合わせて楽しんで頂きたいです。ウスターソース、トマトケチャップを混ぜ合わせて作る家庭のデミグラスソースは甘みとコクがあり、チョコレートやカカオなどの香りを感じるこのタイプのワインにピッタリです。ソース作りの際、こちらのワインを少々加えても旨みが増すと思いますよ。

まとめ

いつも決まってお気に入り産地のワインを選んでしまう方、また知らない産地のワインも飲んでみたいけど中々冒険できない!という方に是非おすすめしたいワインばかりです。

寒い時期だからこそ楽しめるペアリングを是非この時期にお試しください!

高橋 宗子

【お家で楽しむワイン提案のワインエキスパート】
ニュージーランドワイン好きが高じて、ワイナリー・ブドウ畑巡りをする為ニュージーランドへ移住。
都内ワインインポーターにて星付きレストランにもワイン紹介をしてきた経験を活かし「お家でも気軽に楽しめるワイン時間」を提案しています。 高橋 宗子の記事一覧 

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