ペアリングワイン

意外と知らない?野菜に合うイタリアワイン

魚には白ワインが合う、肉には赤ワインが合うと一般的にいわれますが、野菜にはどんなワインが合うのでしょうか。

野菜は栄養素として欠かせない食材ですし、食物繊維も豊富に含んでいますから、毎日食べたいものです。

今回は、イタリアの野菜料理とワインのペアリングについてご紹介します。

イタリアの野菜とワインのペアリング

健康に良いといわれている地中海式食事法は、野菜もワインも毎日摂取することを提唱しています。

イタリアでは、地中海式食事法を習慣的に実践している家庭が多く、野菜を毎日たっぷり食べます。そして、野菜料理にもワインを合わせて楽しみます。

オリーブオイルを使い、野菜の旨味をひきだすと、ワインとマッチする料理ができあがります。

ジャガイモとのペアリングワイン

ジャガイモはイタリアのレストランや家庭でも、非常によく使われる野菜です。グラティナーテと呼ばれる調理法は、食感も風味もよく、ワインがすすみます。

これは「グラタン」のイタリア語ですが、日本のグラタンのようにホワイトソースは使いません。「表面をカリカリに仕上げる」という意味の調理法で、オーブンで焼く料理です。

ジャガイモのグラティナーテに合わせるワインは、グレコ・ディ・トゥーフォがおすすめです。グレコ・ディ・トゥーフォは、ナポリが州都のカンパニア州で造られるグレコ種主体の白ワインです。グレコとは、「ギリシャの」という意味で、古代ギリシャ人によってイタリアにもたらされたといわれています。

▶︎マストロベラルディーノ グレコ・ディ・トゥーフォ

マストロベラルディーノは、1878年創業のカンパニア州の名門ワイナリーです。このグレコ・ディ・トゥーフォは、新鮮なオレンジや白桃の香りが感じられ、フレッシュながら厚みのある味わいです。ミネラル感たっぷりでシャープさもあり、ジャガイモのやわらかい甘さとハーブの風味にぴったりです。

【ジャガイモのグラティナーテのレシピ】

▼材料(4人分)
ジャガイモ…500g(4個くらい)
パン粉…大さじ3
ローズマリー…1本
タイム…1本
オリーブオイル…大さじ4
塩…適量

▼作り方
① ジャガイモの皮をむき、8等分のくし切りにする。
② 鍋に水と①を入れ、約10分ゆでる。
③ 小さなボールにパン粉、ローズマリーの葉、タイムの葉、オリーブオイル大さじ2、塩を入れ、混ぜる。
④ 耐熱皿にオリーブオイル大さじ1をぬり、②を入れ、③をかけ、オリーブオイル大さじ1を回しかける。
⑤ 180度のオーブンで約15分。さらに5分熱風モードにして焼き色をつける。

パプリカとのペアリングワイン

色が鮮やかなパプリカは、イタリアでも人気のある野菜です。イタリア全土で食べられていますが、ここでは北イタリアのピエモンテ州の郷土料理で、アンチョビを使った風味豊かなレシピをご紹介します。

合わせるワインは、同じくピエモンテ州の白ワイン、アルネイス。ピエモンテ州ロエロ地方原産のブドウ品種で、「ロエロ・アルネイス」がDOCG(統制保証原産地呼称)に指定されています。

▶︎マッテオ・コレッジア ロエロ・アルネイス

1985年にマッテオ・コレッジアが父の農園を引き継いでワイン造りを始めた同名のワイナリー、マッテオ・コレッジアは、ロエロ地方のワインの名を世界に広める大きな役割を果たしました。

このロエロ・アルネイスは、フレッシュな青リンゴやレモンの香りが感じられ、さわやかな果実味が広がる味わいです。心地よいミネラル感があり、酸味はすくなめでやさしさがあり、晴れやかな印象の白ワインです。

【パプリカのグリル アンチョビ風味のレシピ】

▼材料(4人分)
パプリカ(赤または黄色)…1個
ニンニク…1片
アンチョビオイル漬け…1枚
イタリアンパセリ…2~3本
松の実…小さじ1
オリーブオイル…大さじ3

▼作り方
① パプリカをまるごと180度のオーブンで約30分焼く。
② ①の皮をむき、種を取り除き、細長く切る。
③ アンチョビとパセリと松の実をみじん切りにする。
④ ニンニクをしぼり、③とオリーブオイルと混ぜる。
⑤ ②に④をかけて出来上がり。

トマトとのペアリングワイン

トマトはイタリア料理にはなくてはならない野菜です。人気のある料理は、オーブン焼きです。見た目もいいので、おもてなし料理としても好まれます。トマトのオーブン焼きには、フレッシュでまろやかさがあるロゼがぴったりです。

特に、北イタリアのガルダ湖周辺で造られるキアレットは、みずみずしい果実味とまろやかさが同時に感じられ、ジューシーなトマト料理をより一層おいしく楽しむことができます。

▶︎カ・デイ・フラーティ ローザ・デイ・フラーティ

カ・デイ・フラーティは「修道士たちの家」という意味で、1782年の歴史書にワイン蔵のある修道士たちの家だったという記録があります。ローザ・デイ・フラーティは、フラワリーな香り、青リンゴやサクランボのフルーティーな香りが感じられます。いきいきとした酸味と塩味(えんみ)があり、飲み心地のよいロゼワインです。

【トマトのオーブン焼きのレシピ】

▼材料(4人分)
トマト…2個
パン粉…35g
ニンニク…1片
パルミジャーノチーズ…25g
バジル…約10枚
オリーブオイル…大さじ2
塩胡椒…適量

▼作り方
① トマトを半分に切り、中身をくり抜く。
② ボールに、トマトの中身、パン粉、ニンニクのみじん切り、パルミジャーノ、バジルの細切り、オリーブオイル、塩胡椒を入れ、混ぜる。
③ くり抜いたトマトに、②を詰め、180度のオーブンで約30分焼く。

まとめ

ヘルシーなだけではない、味わい深いイタリアの野菜料理、ぜひワインと一緒に楽しんでください。

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太田 由歌

イタリア在住ワインコーディネーター
2003年にフィレンツェに料理&ワイン留学。
2004年よりフィレンツェ在住。イタリアソムリエ協会ソムリエ資格保持。
トスカーナのワイナリーツアーを企画・主宰し、通訳案内もしている。
1日の終わりに、手作り料理とワインをペアリングすることが何よりの楽しみ。
▶︎フィレンツェ・イン・タスカ 太田 由歌の記事一覧 

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