いつものパン飲みを少し上質に~パンとワインのペアリング~
ここ数年で、パンをツマミにワインを楽しむ方たちが増えてきました。「#パン飲み」というハッシュタグも出てきたほど。もともとパンもワインも酵母の働きで出来上がりますから、相性が悪いわけないんですよね。何を合わせても大抵楽しむことができます。
今回はパンとワインのペアリングを少し深堀し、「パン飲み」初心者の方から常連さんまで楽しめる組み合わせをご紹介したいと思います。
バターたっぷりのトーストやバゲットには、ミルキーで濃厚なタイプを
パンの中でも定番中の定番が、バターをたっぷり塗って食べるシンプルなスタイル。ご存じでしょうか、ワインの中にはバターの香りがするタイプがあります。原料であるぶどうにバターの香りがあるわけではなく、ワインを作る過程で自然と生まれるんです。
主にシャルドネ種の白ワインにこのタイプが多く、更にその香りが分かりやすく前面に出ているのが、アメリカ/カリフォルニアで作られるワインに多く見られます。バタートーストやバゲットととても相性が良いですよ。
パン飲み初心者の方でも分かりやすくペアリングを楽しめるのがこちらの1本。数年前、オバマ大統領主催で行われた環太平洋パートナーシップ協定(TPP)のランチミーティングにオンリストされたことで一気に有名になったワイナリーです。
シンプルなバゲットに、お気に入りのバターをたっぷり塗って、このワインを楽しんでください。ワインの香り(バニラビーンズや、ナッツ・アーモンド等)ととてもマッチングしますよ。
▶︎ブレッド & バター シャルドネ*原産国 : アメリカ
*産地:カリフォルニア / ソノマ・カウンティ
*品種:シャルドネ100%
*容量:750ml
シンプルなハムのサンドイッチには、ドライでフレッシュなタイプを
サンドイッチと一言で言っても、その種類の多さは星の数ほど。今回はサンドイッチの中で一番シンプルなハムサンドとのワインペアリングにフォーカスしましょう。
パンにハムとチーズとレタスを重ねて、マスタードやマヨネーズで味を調えた定番中の定番のサンドイッチ。相性の良いワインはどのようなタイプになるのでしょうか。
私がいつもポイントにしているのは、サンドイッチの具材です。野菜の柔らかい「苦味」、ハムやチーズからの「塩気」、マスタードやマヨネーズからの「酸味」をポイントにワインを選びます。
比較的冷涼な場所で作られるタイプのワインには、きれいな「酸」を感じ取れるワインが多く見られます。また沿岸や河川地域で育つ葡萄には「塩味」や、柑橘の果皮のようなフレッシュな「苦味」を感じられたりします。
私が好きなハムサンドワインはこちら。ハムサンドの塩味・旨味とワインの相性が良すぎて、パクパク・ゴクゴクが永遠に楽しめそうな気分になりますよ。ぜひ、晴れた日の公園でどうぞ!
▶︎アルディナ ローレイロ ヴィーニョ ヴェルデ グアポス ワイン プロジェクト*原産国:ポルトガル
*産地:ヴィーニョ・ヴェルデ
*品種:ローレイロ
*容量:750ml
くるみと無花果のライ麦パンには、ボルドーブレンドはいかがでしょう
クランベリーや、干しブドウ、イチジクなどのドライフルーツや、ナッツ類を練りこんだパンも美味しいですよね。私も大好きです。パンに使用している小麦粉もライ麦などの香ばしいものがよく使われています。
ドライフルーツの酸味や甘味、くるみ等のナッツ類の香ばしさとはどんなワインが合うでしょうか。私はいつも少し重め(だいたいミディアムボディーからフルボディー)のボルドーブレンドを選びます。
ボルドーブレンドとは
フランス・ボルドー地方では古くから複数の品種をブレンドして作られるワインがあります。複雑で濃厚な仕上がりになり、この方法は現在世界中で行われています。この際使用される代表的品種をブレンドすることをこう呼んでいます。
◆ボルドーブレンド代表品種:メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルド等
ということで、ボルドーワインをおすすめしたいところですが、今回はカリフォルニア・ナパヴァレーの魅力が詰まったボルドーブレンド代表!「ロバート・モンダヴィ」のシリーズからこちらを是非おすすめしたいと思います。
▶︎ロバート・モンダヴィ ナパ・ヴァレー カベルネ・ソーヴィニヨン*原産国:アメリカ
*産地:カリフォルニア / ナパ・ヴァレー
*品種:カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルド、マルベック
*容量:750ml
まとめ
まだまだワインの種類もパンの種類もたくさんありますから、組み合わせは多種多様です。
甘めのフルーツデニッシュにはシードル(リンゴのお酒)やドイツの甘口リースリング、クロワッサンやブリオッシュには少し熟成しはじめたシャンパーニュなどなど。
私自身この記事を執筆していてもどんどん組み合わせが頭に浮かんできます。是非、みなさんも好みの組み合わせを、ご家庭で楽しんでみませんか?
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Webライター/日本ソムリエ協会認定 ワインエキスパート/WEST level2 English
アパレルメーカー、広告代理店と異業種へ転職する中、プライベートではワイン愛好家歴20年。
資格取得をきっかけにワイン愛好家のコニュニティーを広げ、「ワインのある暮らし」をテーマにSNS、webメディアなどで執筆中。日本にもっとワイン好きを増やすべく、極力専門用語は使わないのがマイルール。
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