ペアリングワイン

北海道ワインの可能性〜生産者に会えるワイン〜

北海道札幌市から車で2時間半、日本のブルゴーニュと言われている場所をご存知でしようか?北海道余市町と言う町です。ニッカのウヰスキー工場が有名で、以前NHK の朝のドラマ「マッサン」で一躍有名になった場所です。

余市町は、北海道の中でも比較的温暖な気候に恵まれた町として知られています。元々フルーツ栽培が有名な日本海が見える人口約二万人の町です。今は北海道のピノ・ノワールの8割がこの町で栽培されています。

この町の面積は150k㎡。北海道の面積が83,450k㎡ですのですので、この小さな場所がどのくらい葡萄栽培に適しているのかが分かります。今年2020年まで北海道のワイナリーは47件が出来る予定です。

以前はまさか北海道でワイン?などと言われていましたが、今では日本で3位の栽培面積になっています。その中で、特に余市町はワイン特区として平成23年に認定を受けました。この事により、一層農家が葡萄を栽培し、ワイン醸造家として活躍が出来るようになりました。気候の温暖化も北海道でのワイン作りを後押ししているようです。

余市町ではワインの収穫のお手伝いが出来る!

現在コロナ禍、ましてフランスやアメリカのナパなどに行ける日は未だに想像がつきません。その中で10月30日現在、今収穫を迎えているのが北海道余市町のワイナリーです。

自分が収穫した葡萄がワインになる!と思うと、尚一層ワインを飲む楽しみが増えます。

オススメの余市のワイナリー

北海道の余市のワイナリーで今注目を集めているのは「ドメーヌ タカヒコ」。北海道以外の方でも一度は聞いた事があるワイナリーではないでしょうか?

栽培醸造はピノ・ノワールのみで、年間9,000本出荷しています。野生酵母、全房発酵が特徴であり、酵母を添加せずに自然発酵をさせ、まるでお出しの様な香り豊かなワインは北海道でもなかなか入手困難です。毎年、収穫ボランティアを集め、試飲の機会に恵まれることもある様です。

今年は豊作と貴腐ワインの選定作業で収穫が間に合わず、追加ボランティアを募集していました。2020年は夏は暑く雨が少なく収穫前に多少の雨が降りましたが、かなり良い出来と聞いております。

ドメーヌ タカヒコ〜生産者に会えるワイン〜

食の月刊誌を発刊するイギリスのWilliam Reed Business Media社が発表する「世界のベストレストラン50」にて、4度も世界一に輝いたデンマークのノルディック・レストラン「noma」。そのワインリストに初めて日本のワインがオンリストされたのはドメーヌタカヒコ ナナツモリ ピノ・ノワール2017です。

長野県の小布施ワイナリーの次男として生まれ、大学では醸造を学び、その後ワイン造りに選んだ場所は余市町登地区。家族経営の小規模ワイナリーで栽培は曽我貴彦さんが担当。曽我さんは、栃木県のココ・ファーム・ワイナリーの農場長として10年働いた後、2010年に自身のワイナリーを設立されました。

一滴のワインにも決して手を抜かない、飾らない人柄で毎年道外からボランティアが押し寄せます。会いに行ける生産者、ぶどうの栽培方法やワインの醸造などを聞いてワインを楽しむのもこれからのスタイルになりそうです。

和食に合うワイン

ワインを飲む時に思うのはやはりペアリング。私たち日本人は和食に合うワインを探していたように思います。私も同様、ワインインポーターとして働いていた時に、高級なお寿司屋さんからお寿司に合うワインを選んで欲しいとのご要望がありました。

頭に浮かぶのは、アルザスのリースリング、シャブリ、ACブルゴーニュのピノ・ノワールなどでしたが、何か新しいペアリングをしたく、いつも考えて試飲を繰り返すと見えてきたものがありました。

イタリアなどではスローフードと言われ、自分の育った場所で栽培された物を食べ、ワインも基本的には自分の州で作られたワインを飲みます。そこから、やはり和食には日本のワインを!と思いました。

最近の目を見張る栽培家や醸造家の努力で、ブルゴーニュにも引けを取らないピノ・ノワールが北海道余市町で作られていることを知り、近年は此方のピノ・ノワールをオススメしておりました。

皆さんもぜひ、お寿司や和食には余市のピノ・ノワールを合わせてみてはいかがでしょうか?特に同じ土壌で作られた北海道食材とは良く合いますよ。

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櫻井 奈津子

JSAワインエキスパート
イタリア、ドイツでワインの素晴らしさを知って資格を取得。JSAのイベントのお手伝いから大手ビール会社のワイン担当、ワインインポーターで働いていた経験から、今住んでいる北海道のワインを全国に広めるべく活動中。 櫻井 奈津子の記事一覧 

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