ペアリングワイン

肉好きには堪らない!ステーキの部位別赤ワインペアリング

ステーキと相性の良い赤ワインとは?

ステーキと赤ワインを合わせるとなんだかリッチな気持ちになりますよね。同じステーキとは言っても、ステーキは部位によって様々な味わいがあり、相性の良いワインも変わってきます。今回は、部位別のステーキにそれぞれ相性の良い赤ワインを紹介させていただきます。

合わせるポイントとしてはまず、部位ごとのお肉の脂の量と、厚さや火入れによる硬さによる咀嚼の回数と、ワインの渋み・タンニンの量を合わせることがとても大切です。

ワインのタンニンは口内を刺激し、口内が乾きます。口内が乾くと、咀嚼によって唾液を分泌させる必要があります。そのため、逆に言うと、脂身が多く分厚くしっかり焼き上げたステーキの場合には、ワインもタンニンが多いフルボディタイプの赤ワインが好ましいということです。

他にも赤身肉が多い場合には、ワインにも鉄のニュアンスや、血液などの香りがあるものを合わせたり、脂身の甘さを引き立てるために、果実の甘さが感じられるものを合わせるのも良いですし、繊維の柔らかさに合わせた質感のワインを合わせたり、伝統的に牛肉と合わせて飲まれている地域の赤ワインもおすすめです。

お肉の部位によってワインを選んで、更にそのワインのもつ香りをお肉の下味やソースに仕込むと更に相性が良く楽しめるので、是非お試しください。

肩ロース

背中のお肉であるロースの上部にあり、首に近い部位です。脂肪分は少なく、きめ細かい肉質に、しっかりとした食感があり、噛むほどにお肉の旨みが感じられます。

合わせるワインは、赤身の風味を引き立てる鉄の風味があり、酸は控えめで、コクが豊かなフルボディの赤ワインがおすすめです。

▶︎ウィンズ・クナワラ・エステート・ブラック・ラベル・シラーズ

1951年創業のクナワラで最も歴史のあるワイナリーです。特有のテラ・ロッサの土壌から、この地域の見本となるワインを造り続けています。

ドライプラム、ブルーベリー、黒胡椒、ユーカリ、リコリス、シナモン、鉄錆、鞣革、ヴァニラ、チョコレート、タバコの香り、やや厚みがあり凝縮した果実味に、豊かなコクが感じられ、フレッシュな酸と力強くも滑らかなタンニンが余韻へと長く続きます。

胡椒とハーブをたっぷり塗り込んで焼き上げた肩ロースのステーキにぴったりの相性です。

* 原産国:オーストラリア
* 産地:南オーストラリア
* 品種:シラーズ
* 生産者:ウィンズ・クナワラ・エステート
* 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
* 容量:750ml

リブロース

背中のお肉であるロースのうち腰側の部位です。脂身が多く甘みがあり、綺麗な霜降りで、肉質がきめ細かく柔らかく旨味が濃いため、ジューシーな味わいで人気の高いステーキの部位です。

合わせるワインは鉄の香りがあり、滑らかな質感で、酸も程よく感じられ、コクが豊かでタンニンが多いフルボディの赤ワインがおすすめです。

▶︎ムガ・リゼルヴァ

1932年創業のスペイン・リオハの名門ワイナリー。ムガの伝統で、発酵から熟成まで木樽で行う為、スペインでは珍しく樽職人を雇い、ワインのタイプに合わせてオートクチュールの樽を造っています。澱引きは重力にそって行い、清澄には卵白を使用する伝統的なやり方を貫いています。

ダークチェリーのコンポート、ほんのりとミント、タバコ、トースト、鉄釘、バルサミックなニュアンスもあり、カカオやコーヒー豆の香り、凝縮された果実味とコク、豊かな酸と溶け込んだタンニンが長い余韻へと導きます。

ステーキのソースにほんの少しでもコーヒーやバルサミコ酢を隠し味で入れると共通項が増え、より相性良く楽しめますので是非お試しください。

* 原産国:スペイン
* 産地:リオハ
* 品種:テンプラニーリョ、ガルナッチャ、マスエロ、グラシアーノ
* 生産者:ボデガス・ムガ
* 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
* 容量:750ml

ヒレ

サーロインと並ぶ最高部位のヒレ肉は、一頭の牛から取れる量が少なく、希少な部位です。運動に関わらない部位のため、繊維のキメが細やかで柔らかい食感で、脂身が少なくヘルシーなのも人気の理由の一つ。

赤身肉の旨味がしっかりと感じられますが、筋がなくしっとりと上品な味わいです。中でも一頭の牛からおよそ1キログラムほどしか取れないシャトー・ブリアンはヒレ肉の中でも特にキメが細かく、柔らかい食感で最高級の部位と言われています。

合わせる赤ワインは、滑らかな質感で、上品な印象のあるミディアムボディの赤ワインがおすすめです。

▶︎中央葡萄酒 グレイス・カベルネ・フラン

日本が世界に誇るワイナリー中央葡萄酒。山梨県明野の自社畑で育てられたカベルネ・フランのワインは、日本の赤ワインの中でもトップクラスの味わいで、是非おすすめしたかったワインです。長い日照時間と風通しの良さなど、恵まれたテロワールの明野のワインは凝縮した果実味が特徴的です。

ブラックベリー、ブルーベリーのコンポート、カシスの芽、トースト、ミルクチョコレート、ヴァニラの香り、柔らかく滑らかな口当たり、凝縮した果実味に、フレッシュな酸と若々しさがありながらも、熟れたタンニンがエレガントに纏まっています。

ステーキソースにブルーベリーのジャムを少量入れても美味しくいただけます。

* 原産国:日本
* 産地:山梨
* 品種:カベルネ・フラン、プティ・ヴェルド
* 生産者:中央葡萄酒
* 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
* 容量:750ml

サーロイン

ヒレ肉に次ぐ柔らかさがあり、脂身が多く口に入れた瞬間に肉汁がジュワーっと広がるサーロインは、ステーキで最も人気の部位。サーロインのサーは、英国の国王からその美味しさを認められ、貴族を表す称号を与えられたことに由来します。

合わせるワインは、滑らかな質感で、コクがあり、豊富なタンニンの溶け込んだフルボディの赤ワインがおすすめです。

▶︎ジョセフ・フェルプス インシグニア

もともと建設業のジョセフ・フェルプスがワイナリーの建設に携わったのをきっかけに興味を持ち、自身が1972年にオープンしたワイナリーです。

カリフォルニアで最初にボルドーブレンドのワインを生産した初めてのワイナリーで、そのワインこそがこのインシグニアです。カリフォルニアで最も成功したワイナリーのひとつです。

ブラックベリーのコンポート、ミルクチョコレート、ヴァニラなどの芳醇な香り、ベルベットのような舌触りとはまさにこのこと。濃厚な果実味と心地よい酸と、力強くも滑らかに溶け込んだタンニン、非常に長い余韻を味わえます。本当に最高級の幸福を齎すワインです。

クリーミーな香りと質感があるので、ベシャメルソースとの相性が特に抜群です。

* 原産国:アメリカ
* 産地:カリフォルニア
* 品種:カベルネ・ソーヴィニヨン、プティ・ヴェルド、メルロ、マルベック
* 生産者:ジョセフ・フェルプス
* 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
* 容量:750ml

ステーキとワインの素敵な相性をお楽しみいただけると幸いです。

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Haruka Kageyama

JSA Sommelier
The Ritz Carlton Tokyo Azure45や、阿部誠氏が率いる「東京ぶどう酒店」、「サロン・ド・シャンパーニュ ヴィオニス」、フランスのシャンパーニュ地方ランス「Domaine les Crayéres」にて10年以上サーヴィス、ソムリエールとして働く。
現在様々な形でワインを広めるべく雑誌やウェブメディアにて執筆中。 Haruka Kageyamaの記事一覧 

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