ペアリングワイン

大人の贅沢!ウニとワインの美味しい関係

ウニとワイン

甘〜くとろける味わいがたまらないウニ。日本はウニの消費量世界一!国内の生産では流通が間に合わず、世界中からウニを輸入してまかなわれているウニが大好きな国です。今回は、そんなウニとワインを合わせるポイントや、相性の良いワインを紹介させていただきます。

ウニは棘皮動物の一種で、ヒトデやナマコの仲間です。私たちが普段食している部分は小さな粒々が集まっていて、卵のように見えますが実は生殖巣。雌の場合には卵巣、雄の場合には精巣を食べていることになります。

魚卵同様に生臭みがでやすいので、ワインと合わせるのに少し注意が必要な食材の一つです。そして、ミョウバン漬けのウニは、ワインと合わせると特有の匂いや苦味が強調されることがあるので、塩水うにがおすすめです。

合うワインは幅広くあり、特に、ミディアムドライや、オフドライのワインがおすすめです。ウニの優しい甘さが更に引き立って感じられます。ドライな場合でも果実味が豊かで、オイリーさのあるワインは合いやすいです。そして、酸が低いと生臭みを感じやすくなるので、酸のしっかりしたワインがおすすめです。

ウニは磯の香りが豊かです。海の恵みを受けて育まれたもの同士は良く合うので、ワインにも磯の香りのするアルバリーニョや、ミュスカデ、プロヴァンス・ロゼ、カシー・ブラン、アントル・ドゥ・メールのソーヴィニヨン・ブラン、アジャクシオのロゼなど海の近くで栽培されたブドウのワインを合わせられることが多いです。そして、近年人気のオレンジワインや、赤ワインとも良く合うので、シーンや料理によって選ぶことができます。

それでは、ウニと相性の良いワインを紹介します。

サレント・ビアンコ・フィアーノ・ジン プロデュットーリ・ヴィーニ・マンドゥリア

マンドゥリアの生産者グループが手掛けるワインで、その名もイタリア語でウニという意味。エチケットに描かれているのもイオニア海で獲れるウニです。日本のウニとは少し違う見た目ですね。

このワインは、現地でも殆ど生産されていない希少品種プーリア原産のフィアーノ・ミヌトロとカンパーニャと同じフィアーノから造られます。

爽やかな青リンゴ、洋梨、オレンジ、アーモンド、ラムネ、白い花の蜜のようなフラワリーで甘やかな芳香、優しい甘さを感じる豊かな果実味とミネラル、フレッシュな酸がしなやかに広がり、爽やかな印象の白ワインです。プーリアでも生ウニとともに楽しまれています。

▶︎サレント・ビアンコ・フィアーノ・ジン プロデュットーリ・ヴィーニ・マンドゥリア

* 原産国:イタリア
* 産地:プーリア
* 品種:フィアーノ、フィアーノ・ミヌトロ
* 生産者:プロデュットーリ・ヴィーニ・マンドゥリア
* 味わい:甘口☆☆★☆☆辛口
* 容量:750m

エラスリス・アコンカグア・コースタ・ソーヴィニヨン・ブラン

チリの名門ワイナリーエラスリスの上級レンジですが、お値段はとってもリーズナブル。太平洋から12kmと海に近く、冷涼な気候で、ピサラというシスト土壌のアコンカグア・コースタのテロワールを反映して、豊富なミネラル感、細やかで豊富な酸が感じられます。

フレッシュレモン、パッションフルーツ、白い花、ハーバルな香り、滑らかな質感で、濃密な果実味、フレッシュで細やかな酸、豊かなミネラル感が余韻までしっかりと伸びやかに感じられます。

チリはウニの漁獲量世界一を誇ります。生ウニにレモンを絞って、塩をふりかけて食べると、相性が更に良くなります。

▶︎エラスリス・アコンカグア・コースタ・ソーヴィニヨン・ブラン

* 原産国:チリ
* 産地:アコンカグア・コースタ
* 品種:ソーヴィニヨン・ブラン
* 生産者:エラスリス
* 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
* 容量:750m

ナヴァロ・アンダーソン・ヴァレー ゲヴェルツ・トラミネール

カリフォルニア最北の地メンドシーノは、リースリングやゲヴェルツ・トラミネールなどの欧州品種の栽培に適しています。そして、このナヴァロ・ヴィンヤードは、アンダーソン・ヴァレーの中でも冷涼な海の近くにブドウ畑があります。

ライチ、黄桃や金柑のコンポート、バラ、スモーキーでほんのりスパイシーな香りがアロマティックに香り、ピュアで豊かな果実味に、優しい甘さを感じ、フレッシュな酸がしなやかに広がります。

ゲヴェルツ・トラミネールの優しい甘さがウニのクリーミーでリッチな甘さをより引き上げます。

▶︎ナヴァロ・アンダーソン・ヴァレー ゲヴェルツ・トラミネール

* 原産国:アメリカ
* 産地:カリフォルニア
* 品種:ゲヴェルツ・トラミネール
* 生産者:ナヴァロ・ヴィンヤード
* 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
* 容量:750m

クロ・クロンビュ コルス カルヴィ ロゼ

コルシカを代表する自然派の造り手クロ・クロンビュ。このワインは、土着品種であるスキアカレロとミニュステロとサンソーをブレンドしたロゼワインです。

フレッシュなワイルドストロベリーやグレープフルーツ、ツゲの芽などの爽やかな香りと、スパイスの合わさった香り、ピュアな果実味に、塩味がかったミネラルとキレのある酸、きめ細やかなタンニンがしっかりと感じられます。

ウニとトマトとにんにく、オリーブオイルを使ったコルシカ発祥のウニのパスタとともに味わってみてください。

▶︎クロ・クロンビュ コルス カルヴィ ロゼ

* 原産国:フランス
* 産地:コルシカ
* 品種:スキアカレロ、ミニュステロ、サンソー
* 生産者:クロ・クロンビュ
* 味わい:甘口☆☆☆☆★辛口
* 容量:750m

ピトス・ビアンコ コス

シチリアを代表する造り手のコス。このワインは、土着品種のグレカニコをジョージアから取り寄せたアンフォラで発酵・熟成させたオレンジワインです。

フレッシュレモン、アプリコット、洋梨、オレンジフラワー、アールグレイティーのような香り、柔らかい口当たり、フレッシュな果実味に、豊かなミネラル、引き締まった酸に溶け込んだタンニンがスーっと身体に染み込んでいきます。

濃厚なウニの風味とオレンジワインの複雑な風味がマッチし、旨味が豊かに感じられます。ウニのアーリオ・オーリオや、ウニのブルスケッタと合わせれば気分はシチリアです。

▶︎ピトス・ビアンコ コス

* 原産国:イタリア
* 産地:シチリア
* 品種:グレカニコ
* 生産者:コス
* 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
* 容量:750m

アタ・ランギ・ピノ・ノワール

ニュージーランドのロマネ・コンティと称されるピノ・ノワールを造り出し、高い人気を誇るアタ・ランギ。アタ・ランギとは、マオリ語で『夜明けの空』や『新たな始まり』を意味します。

マーティン・ボローでは、海から吹きつける強風によって、春先の結実が難しく自然に房数が少なくなり、強風から守る為に果皮が厚く、風味を凝縮させます。

ジュニパーベリー、ラズベリー、ダークチェリー、リコリス、生姜、クローヴ、スミレ、白檀、バラの芳しく妖艶な香りが幾重にも重なり、非常にシルキーで滑らかなテクスチャー、ジューシーな果実味に、しなやかな酸、しっかりとしたタンニンの奥深く優雅な味わいが広がります。

ウニの濃厚な甘さと、果実感の豊かなピノ・ノワールの組み合わせは以外にも相性抜群です。ウニ肉寿司や、雲丹醤油をかけたローストビーフともよく合いますよ。

ニュージーランドではマオリの人々はウニを食べますが、一般的にはウニは食べないため、魚や漁に使う網を傷つけるので、捨てられることもあるそう。ワインと合うので是非食べてみて欲しいですね。

▶︎アタ・ランギ・ピノ・ノワール

* 原産国:ニュージーランド
* 産地:マーティン・ボロー
* 品種:ピノ・ノワール
* 生産者:アタ・ランギ
* 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
* 容量:750m

ウニとワインを合わせてお楽しみいただけると幸いです。

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Haruka Kageyama

JSA Sommelier
The Ritz Carlton Tokyo Azure45や、阿部誠氏が率いる「東京ぶどう酒店」、「サロン・ド・シャンパーニュ ヴィオニス」、フランスのシャンパーニュ地方ランス「Domaine les Crayéres」にて10年以上サーヴィス、ソムリエールとして働く。
現在様々な形でワインを広めるべく雑誌やウェブメディアにて執筆中。 Haruka Kageyamaの記事一覧 

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