ペアリングワイン

ほっこりまったり秋の味覚と合うワイン

秋をより味わい深く愉しむ

『実りの秋』『食欲の秋』などと形容される秋には、四季の中でも旬を迎える食材が多くあり、夏の疲れを癒し、冬を越えるために必要な栄養素を多く含み旨味を多く感じます。

そして、相性の良いワインを合わせることで、より味わい深く楽しむことができます。

今回は、人気の秋の味覚と相性の良いワインを紹介させていただきます。

栗の香りは熟成してメイラード反応を起こしたワインに表れる特徴的な香りです。なので、熟成感のあるワインがおすすめです。

ブルゴーニュのプルミエ・クリュ、グラン・クリュの熟成したワインもいいですが、お手頃に熟成感が愉しめるヴァン・ジョーヌがおすすめです。

ジュラ山脈の麓は栗の名産地なので、地のもの同士、良く合わされる定番のコンビです。合わせる際に、シンプルな蒸し栗、渋皮煮や、甘露煮、甘酢炒めや、筑前煮など味わいのしっかりした味付けに仕上げても合わせることができます。

▶︎コート・デュ・ジュラ・ヴァン・ジョーヌ ドメーヌ・グラン

17世紀末からジュラの地で、ブドウ栽培に携わってきた古い家系のグラン家のドメーヌ。

ブラッドオレンジ、ドライアプリコット、胡桃、栗、ヘーゼルナッツ、蜂蜜、蜜蝋、シナモンの芳醇かつ複雑な香り、厚みのある凝縮した果実味に、力強く伸びやかな酸が、長い余韻へと繋がります。

玄人好みのワインですが、一度飲むとハマってしまう方も多くいます。意外とフードフレンドリーで、和洋中幅広い味付けに合わせられて、抜栓後の持ちもいいので、ぜひお試し下さい。

* 原産国:フランス
* 産地:ジュラ
* 品種:サヴァニャン
* 生産者:ドメーヌ・グラン
* 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
* 容量:750ml

さつまいも

サツマイモの魅力はほっくりとした食感と蜜っぽい甘さです。ビタミンCが豊富に含まれ、ポリフェノールが皮に含まれているので皮ごと食べるのと栄養摂取に効果的です。

ほんのり土の香りがあり、優しい甘さの感じられるマスカット・ベリーAのワインと香りが同調し、良く合います。

▶︎サントリー ジャパン・プレミアム・塩尻マスカット・ベーリーA・ミズナラ樽熟成

マスカット・ベーリーAは、1927年に誕生したベーリーとマスカット・ハンブルグの交配品種です。2013年にOIVに品種登録されました。

ミズナラ樽のもつココナッツや、白檀の香りと、マスカット・ベーリーAのキャンディ香やほんのりと土の香りがある個性が相性良く纏まったワインです。

この樽熟成のマスカット・ベリーAは、甘香ばしい醤油にも似た香りがするので、さつまいもの煮物や、砂糖と醤油で煮込んだ甘煮にもおすすめです。

* 原産国: 日本
* 産地:長野
* 品種: マスカット・ベーリーA
* 生産者:サントリー
* 味わい:甘口☆☆★☆☆辛口
* 容量:720ml

秋刀魚

秋の秋刀魚は脂がのって、ほろ苦い肝の味わいも人気があります。

秋刀魚のもつ海の風味に合うように、海岸地域で潮風を受けて育ったブドウで、塩焼きにした秋刀魚にカボスを添えるように、さっぱりとした酸があり、そして、肝の苦味に合う鉄の風味があり、あまり重くない赤ワインがおすすめです。

▶︎コス フラッパート

イタリアのシチリア島ヴィットリアにあるコスは、設立者3名の頭文字を取って名付けられました。

高品質少量生産のワイナリーで、ビオディナミ、地中に埋められたアンフォラやセメントタンクなどを用いてワイン造りを行なっています。

フラッパートの畑のミネラルの要素がはっきり感じられます。良く冷やして、魚介とともに味わいたいミディアムボディの赤ワインです。

すり潰したワイルドストロベリー、ブラッドオレンジ、アーモンド、ほんのり鉄釘の香り、なめらかな質感に、ジューシーな果実味、豊かなミネラル感、フレッシュな酸が軽快で、柔らかいタンニンが心地よく続きます。

伝統的に鰯や鯵を良く食べるシチリアの赤ワインで、特に赤身魚との相性は間違いのない組み合わせです。

* 原産国:イタリア
* 産地:シチリア
* 品種:フラッパート
* 生産者:コス
* 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
* 容量:750ml

松茸

香りが高く、マツタケオールという独特の香り成分がある松茸は秋を代表する高級食材で、旬は9月から10月。

赤松林の松の根にできることが多いので、人工栽培が難しく、国産の松茸は年々減少傾向で希少価値が高いです。今は中国、韓国、アメリカやカナダなどから輸入が増えています。

合わせるワインは、菌類の独特の香りに合わせて、イースト香のするスパークリングワインや、熟成感がありキノコのような香りを纏ったワインがおすすめです。

シャンパーニュも合いますが、今回は松茸と合わされることの多い出汁の風味や、和食の繊細な味わいにも合う日本の高品質なスパークリングワインをおすすめします。

▶︎勝沼醸造 アルガブランカ・ブリリャンテ

1937年創業以来勝沼の地に根ざしたワイン造りを行なっている勝沼醸造株式会社。1990年頃から高品質なワイン造りに注力し、世界的なワインコンクールで評価を高めています。

アルガブランカシリーズのこのスパークリングは、勝沼の風土で育まれた甲州の瓶内二次発酵のスパークリングワインです。 フレッシュなグレープフルーツ、洋梨、白い花、イースト、ビスケット、時間が経つにつれて洋梨のタルトや、カラメルの香りが豊かに感じられます。

優しい泡立ちで、やや厚みがあり、しっかりと旨味を感じる味わい。フレッシュな酸とグレープフルーツの果皮のようなほろ苦味、余韻の香ばしい香り、素晴らしい品質の辛口スパークリングワインです。

旨味は豊かですが、甲州らしい繊細さも兼ね備えた味わいで、お出汁などの風味を壊さず引き立てるので、松茸のお吸い物や、土瓶蒸しにもおすすめです。

* 原産国:日本
* 産地:山梨
* 品種:甲州
* 生産者: 勝沼醸造株式会社
* 味わい:甘口☆☆☆★☆辛口
* 容量:750ml

相性の良いワインと合わせて、『食欲の秋』を存分にお愉しみください。

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Haruka Kageyama

JSA Sommelier
The Ritz Carlton Tokyo Azure45や、阿部誠氏が率いる「東京ぶどう酒店」、「サロン・ド・シャンパーニュ ヴィオニス」、フランスのシャンパーニュ地方ランス「Domaine les Crayéres」にて10年以上サーヴィス、ソムリエールとして働く。
現在様々な形でワインを広めるべく雑誌やウェブメディアにて執筆中。 Haruka Kageyamaの記事一覧 

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