ちょっとしたホームパーティーの時に、宅配ピザをオーダーされる方も多いのではないでしょうか？

最近は宅配できる料理の選択肢も増えましたが、特に盛り上がるのはピザを頼んだ時です。

手軽さもありながら見栄えも良く美味しい、誰にも喜ばれます。一人用のメニューやサービスも充実していますので、調理の時間がない時や気分を変えたい時にも便利です。

新型ウイルスの影響により、外食産業は厳しい状況が続いている中でも、デリバリーやテイクアウトに特化している宅配ピザチェーンは好調をキープしています。前年比5.0％増の売り上げが見込まれているそうです。

イタリア料理の定番であるピザがワインに合うのはご存知かもしれませんが、今回はより深いところに踏み込んだペアリングをご紹介していきたいと思います。

最近は野菜メインのピザの人気が上昇中

ヘルシー志向が年々高まる昨今、大手の宅配ピザ・チェーンでは野菜メインのピザメニューも充実しています。

定番のオニオン・ピーマン・トマトに、ズッキーニ・ナスやマッシュルーム、ブラックオリーブなどを工夫しながら組み合わせて、しっかりと満足感が得られるメニューがラインナップしています。

そんな野菜メインのピザに合わせたいのがフランス・アルザス地方のこのワイン。

▶︎マルセル・ダイス ベルケム

「マルセル・ダイス」は、アルザス地方で初めてテロワールの概念を持ち込んだ、最も偉大な生産者の一人です。

マルセル・ダイスが得意とするワイン造りが混植・混醸です。いろいろな品種が混ざって植えられてある畑のブドウをそのまま収穫して一緒に醸造します。

ベルケムは、ベルグハイム村の最良混植区画のブドウのみを使用した特別なワインで、なんと13種類ものブドウ品種で造られています。

まずはピザを一口、すかさず白ワインを口に含みます。多彩な野菜の甘みや苦味・酸味が、白ワインの複雑味と相まって一層個性を発揮してきます。

この白ワインにはハチミツのような香りもありますので、チーズとの相性も抜群です。

* 原産国：フランス

* 産地：アルザス地方

* 品種：アルザス13品種の混植・混醸（リースリング、ピノ・ノワール、ピノ・グリ、ピノ・ブラン、ピノ・オークセロワ、ピノ・ブーロ、ゲヴュルツトラミネール、トラミネール、ミュスカ、ミュスカ・ア・プティ・グラン、シルヴァネール、シャスラ、ローズ・ダルザス）

* 味わい：甘口☆☆★☆☆辛口

* 容量：750ml

ナポリピザの定番「マルゲリータ」

マルゲリータは、生地の上にトマトソース、モッツァレラチーズとフレッシュバジルをトッピングしたメニューです。シンプルだからこそ素材の味が引き立つ人気のメニューです。

本場のナポリピザを意識して、厚みがあって柔らかいパンピザ生地を使用したマルゲリータに合わせて楽しみたいのがこちらのワイン。

▶︎ラウル・ペレス ウルトレイア・サン・ジャック

ウルトレイア・サン・ジャックはスペインの鬼才ラウル・ペレスが造る赤ワインです。使用するブドウ品種はスペインのピノ・ノワールと言われ注目されているメンシア種です。

ピノ・ノワールの様なエレガントな香りを持ち、酸はややなめらかでまろやかな味わいです。単一品種らしく味の構成は一見シンプルですが、壮大なスケール感と包容力を感じることができるワインです。

マルゲリータと合わせて飲んでみると、フレッシュバジルやトマトソースの爽やかな香りが一層引き立ちます。少しクセのあるモッツァレラチーズは、赤ワインのタンニンをよりなめらかに感じさせてくれます。

食べ応えのあるパンピザ生地を噛み締めていると、また早くワインが飲みたくなる魔法の組み合わせです。

* 原産国：スペイン

* 産地：カスティーリャ・イ・レオン州

* 品種：メンシア100%
* 味わい：甘口☆☆☆★☆辛口

* 容量：750ml



ついつい食べたくなる濃厚な味わいが魅力

新たな定番メニューとなった「照り焼きチキンとマヨネーズのピザ」です。香ばしい風味が食欲をそそる照り焼きチキンと、まろやかで酸味の効いたマヨネーズの組み合わせがクセになるこのメニュー。

子供から大人まで楽しめる味わいです。このピザのボリューム感とのコントラストを意識し、合わせるワインは爽やかなロゼワインがおすすめです。

▶︎オコタ・バレル　サーファー・ローザ

サーファー・ローザはグルナッシュを使用したフレッシュなロゼワインです。野生酵母を使用し、醸造過程ではSO2は一切使いません。無清澄・無濾過で作るナチュラル・ワインです。

ワインを口にした瞬間から口中に広がる甘酸っぱい爽やかな果実味が印象的です。ゴクゴク飲んでしまいそうなワインですが、飲み込んだ後の余韻がとても長いことに驚かされます。1940年代に植えられたブドウの樹が接ぎ木されることなく株のまま植えられているそうです。

まずはロゼワインを一口飲みこんでから、ピザを食べてみてください。爽やかになった口に、「照り焼きチキンとマヨネーズ」の濃厚な味わいが一層際立ちます。

ワインの長い余韻はピザを飲み込んだ後も持続し、ついつい次のピザに手が伸びてしまいます。

* 原産国：オーストラリア
* 産地：サウスオーストラリア州
* 品種：グルナッシュ100%
* 味わい：甘口☆☆☆★☆辛口
* 容量：750ml

ピザが残ってしまった時のリメイクレシピ

便利で美味しい宅配ピザですが、食べきれずに残ってしまうことがあります。おいしく温め直す方法も色々ありますが、気分を変えてこんなリメイクレシピはいかがでしょうか？

【ピザの天ぷら】

▼材料
（衣）
*マヨネーズ…大さじ1
*冷水…75ml
*小麦粉…50g

*残ったピザ…適量

▼作り方
①（衣）ボウルにマヨネーズを入れて少しずつ冷水を加え、よく混ぜます。混ざったら小麦粉を加え、少しダマが残る程度に混ぜます。
②残ったピザに衣を絡め、180℃の油でカラッと揚げます｡

ピザの天ぷらにはスパークリングワインがぴったりです。

▶︎ハンブルドン プルミエ・キュヴェNV

ハンブルドンは1952年に設立されたイギリスでは最も古いワイナリーの一つです。

トップキュヴェである「プルミエ・キュヴェ」は、石灰質のしっかりしたミネラル感を土台に、洋梨やグレープフルーツのニュアンスとトーストの香ばしさが感じられるスパークリングワインです。

複雑な味わい構成や熟成感は、下手なシャンパーニュでは太刀打ちできません。フルートグラスではなく、白ワイングラスで飲むのがオススメです。

サクッと揚がった天ぷらを一口、そこにすかさずスパークリングワインを口に含みます。上品な衣の香ばしさを、ハンブルドンのキメの細かい泡が包み込みます。

そこから一口二口食べ進めると、溶けたチーズの良い香りが立ち昇り、ジューシーな具材と相まって、とても良いおつまみになりますよ。

* 原産国：イギリス
* 産地：イングランド ハンプシャー郡

* 品種：シャルドネ58％、ムニエ18％、ピノ・ノワール24％
* 味わい：甘口☆☆☆★☆辛口

* 容量：750ml

今回は敢えて定番のイタリアワインは外して、純粋にピザの味わいとワインの味わいでペアリングしてみました。

もっとリーズナブルなワインでももちろん楽しめますが、時には本格ワインで少し贅沢な自宅時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

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