ペアリングワイン

旬のメロンとワインペアリング

メロンとワインにメロメロ

夏の王様『メロン』は、とろける食感で、甘さがありながらも、爽やかな風味がエレガント。子供も大人も好きな方が多いのではないでしょうか?

メロンは、夏に旬を迎え、スイカと同じように、水分が9割以上を占めていて、水分補給にも良く、食べると身体の熱を体外に逃してくれる夏にうってつけのフルーツです。

インドが起源とされていて、約紀元前2000年前から栽培が始まったと言われています。歴史も古く、多くの種類があり、西方に伝わったものをメロン、東方に伝わったものは瓜と呼びます。当時のメロンの甘さは、キュウリをほんの少し甘くした程度の甘さだったようです。

紀元前5世紀頃にエジプトで作られた苦味の少ないメロンが、地中海を超えてヨーロッパへ伝わり、より甘くなるよう品種改良が進められ、今の甘いメロンが出来ました。

日本で有名な夕張メロンなどの甘いメロンは、ヨーロッパで改良された品種なので、高温多湿な環境が苦手で、気候の似た北海道での栽培が適しています。

ムスクの香りがするマスクメロンも有名ですね。ちなみにマスクメロンとは品種名のことではなく、ムスクの香りのするメロンの総称です。

ワイン産地であるヨーロッパで伝統的に合わせて楽しまれている組み合わせは、ルビー・ポートとメロンの組み合わせです。フランスではMelon au Portoというメニューで、前菜や、デザートで注文される人気メニューです。

半分にカットしたメロンの中の種の部分をくり抜き、ルビー・ポートを窪みに注いでスプーンで掬って食べます。日本では馴染みのない食べ方ですが、やってみるとこれが絶品!!爽やかな甘さで滑らかな食感のメロンと、しっかりとした甘さで粘性のあるルビー・ポートが絶妙にマッチします。

ルビー・ポートも勿論おすすめですが、他にも幾つか相性の良かったワインを紹介します。旬の時期なので、メロンとワインの相性を愉しんでみてくださいね。

ニー・ポート レイト・ボトルド・ヴィンテージ・ポート

1842年創業の歴史あるニー・ポートは、ポルトガルを代表する家族経営のポートワインメーカーです。

ポートでは、契約栽培で栽培するところが多いですが、シマ・コルゴで樹齢80年以上のブドウ樹を栽培する自社畑を所有し、高品質なブドウを栽培しています。

ダークチェリーのコンポート、チョコレートの甘やかな香り、凝縮した果実味に、濃厚な甘さがありますが、力強い酸が全体を引き締めバランスの良い仕上がりです。

ガツンとした甘さがありますが、酸も豊かで味わいやすく、フレッシュなメロンの清涼感のある味わいとマッチします。

▶︎ニー・ポート レイト・ボトルド・ヴィンテージ・ポート

* 原産国:ポルトガル
* 産地:デュリエンセ
* 品種:トゥリガ・ナショナル、トゥリガ・フランカ、ティントカン
* 生産者:ニー・ポート
* 味わい:甘口★☆☆☆☆辛口
* 容量:750ml

ケヴェド ロゼ・ポート

ロゼポートは単一年度のブドウのみを使用し、低温発酵で造られます。加えるブランデーも無味無臭のものにして、本来の風味を大切にしています。

そして、ケヴェドの特徴として、通常のロゼポートより残糖分が50g /l少ないです。甘さは粗を隠すだけでなく、本来の美味しさを隠してしまうと考えられているからです。

自然本来に近いフレッシュラズベリーや、パッションフルーツの香りが芳しく、優しい甘さにフレッシュな酸のあるロゼ・ポートです。

こちらはルビー・ポートよりも優しい甘さで、よりさっぱりと楽しむことができます。生ハムを添えても相性良く楽しめます。

▶︎ケヴェド ロゼ・ポート

* 原産国:ポルトガル
* 産地:デュリエンセ
* 品種:トゥリガ・ナショナル、トゥリガ・フランカ、ソウザォン
* 生産者:ケヴェド
* 味わい:甘口★☆☆☆☆辛口
* 容量:750ml

チェンバース ローズウッド・ヴィンヤーズ・ラザグレン・マスカット

オーストラリアのラザグレンは、ミュスカ・ブラン・プティ・グランの変種ブラウン・マスカットによる酒精強化ワインが有名です。ソレラシステムで、酸化熟成の香りのついたワインは、複雑な香り、味わいです。

ブランデーのような琥珀色で、マーマレード、マスカットのレーズン、ヘーゼルナッツ、キャラメル、カカオ、紅茶など複雑な香り、トロッとした質感で、凝縮した甘味がありつつも、マスカットと柑橘の香りが余韻に爽やかさを与えます。

実はこのラザグレンとの組み合わせが個人的には一番好きです。まるで高級なデザートのように変身するので、贅沢な気持ちになります。

メロンはマスクメロンを選ばれると、マスカットとメロンのムスクの香りを存分に愉しむことができます。

▶︎チェンバース ローズウッド・ヴィンヤーズ・ラザグレン・マスカット

* 原産国:オーストラリア
* 産地:ラザグレン
* 品種:マスカット
* 生産者:チェンバース
* 味わい:甘口★☆☆☆☆辛口
* 容量:750ml

エグリ・ウーリエ ラタフィア・ド・シャンパーニュ

ラタフィアとは、発酵前のブドウ果汁にマールなどのアルコールを添加し、発酵を止めた酒精強化ワインのことです。

私がラタフィアの中でも一押しなのが、このエグリ・ウーリエのラタフィア・ド・シャンパーニュです。

洋梨やアプリコットのコンポート、シナモン、ヴァニラなど甘苦系スパイスの芳醇な香り、白い花の蜜や、蜂蜜、どこか懐かしいような和三盆の甘やかな香り、滑らかな舌触りと優しい甘味に豊かな果実味、しなやかな酸が伸びやかに続きエレガントな印象を与えます。

中盤から余韻にかけて爽やかさも感じられるこちらのラタフィアは、メロンのもつ清涼感とマッチして、エレガントな余韻となります。

▶︎エグリ・ウーリエ ラタフィア・ド・シャンパーニュ

* 原産国:フランス
* 産地:シャンパーニュ
* 品種:ピノ・ノワール主体
* 生産者:エグリ・ウーリエ
* 味わい:甘口★☆☆☆☆辛口
* 容量:700ml

テタンジェ ノクターン・セック

家族経営の名門シャンパーニュ・メゾンであるテタンジェのノクターンは甘めのシャンパーニュの中で最も有名なシャンパーニュです。

桃のコンポート、マスカット、白い花の芳しい香り、とろける質感、豊かな果実味に、糖分添加量20gで仄かな甘さがありますが、フレッシュな酸がキレを感じさせます。

半分にカットしたメロンの中身を程よくくり抜いて、シャンパンを注げば、贅沢な大人のメロンソーダが出来上がります。ノクターンとは夜想曲を意味し、メロンをお供にナイトキャップにもおすすめです。

▶︎テタンジェ ノクターン・セック

* 原産国:フランス
* 産地:シャンパーニュ
* 品種:シャルドネ、ピノ・ノワール、ムニエ
* 生産者:テタンジェ
* 味わい:甘口☆★☆☆☆辛口
* 容量:750ml

そのまま召し上がるのもいいですが、たまにワインと合わせてみると嬉しい驚きがあるかもしれません。

楽しいワインライフをお過ごし下さい。

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Haruka Kageyama

JSA Sommelier
The Ritz Carlton Tokyo Azure45や、阿部誠氏が率いる「東京ぶどう酒店」、「サロン・ド・シャンパーニュ ヴィオニス」、フランスのシャンパーニュ地方ランス「Domaine les Crayéres」にて10年以上サーヴィス、ソムリエールとして働く。
現在様々な形でワインを広めるべく雑誌やウェブメディアにて執筆中。 Haruka Kageyamaの記事一覧 

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