ペアリングワイン

ニュージーランド ソーヴィニヨン・ブランが世界的に評価される理由とは?オススメワインペアリングもご紹介!

さて、私の記事では毎度ニュージーランドのワインと食についてご紹介してきましたが、今回はついにニュージーランドを代表するブドウ品種「ソーヴィニヨン・ブラン」について詳しくお話していきたいと思います。

また、ニュージーランド中のソーヴィニヨン・ブランを飲み歩いた筆者がオススメするペアリングも合わせてご紹介していきますので是非最後まで読んでみてくださいね!

ニュージーランド ソーヴィニヨン・ブランの特徴

まず、初めにニュージーランドワインの歴史に触れてみたいと思います。記録に残っている限りでは、ニュージーランドでワイン用ブドウが初めて植えられたのは1819年。そして、1840年にはワインがボトリングされたことが記されています。

これは、ニュージーランドの先住民「マオリ族」と移民族「英国人」の間でワイタンギ条約(この条約以降、NZは現在の英国文化の形へ変わっていきます)の締結と同じ時期となります。

その後もワイン造りは行われますが、大きな変革が訪れたのは1970年~80年代。アメリカやオーストラリア企業が参入し、マールボロ地方(現在のNZ最大のワイン産地、南島北東部)にヴィンヤードを耕しました。

1985年には世界的に名の知れる「クラウディ・ベイ」が初めてマールボロ地方でソーヴィニヨン・ブランを生産し、それ以降イギリスを始め国際的評価が高まっていきました。

その後、ワイン産業は更に発展し30年前(1990年代)には100余りだったワイナリーも現在では670件に増設、未だ急成長を遂げています。

その中で「ソーヴィニヨン・ブラン」はNZワイン産業においても非常に重要なブドウ品種であり、NZで栽培されるブドウのうちの76%を占めます。そして、なんと輸出ワインの86%はソーヴィニヨン・ブランワインが占めています。まさにNZワイン産業を支えるブドウと言えるでしょう。

NZ中で栽培されるソーヴィニヨン・ブランですが、最大の生産地は何といっても「マールボロ地方」。NZ全体の77%のソーヴィニヨン・ブランがマールボロ地方で造られます。

パッションフルーツやグアバなどトロピカルフルーツの香りにハーブやグラスの香りが調和した味わいがニュージーランド ソーヴィニヨン・ブランの代名詞として知られていましたが、現在ではワイナリーごとに個性をもった味わいを楽しむことが出来ます。

マールボロ地方の3つのエリア

マールボロ地方は大きく3つのエリアに分けられており、それぞれ個性を持ったワインが造れれています。

■Wairau Valley
ワイラウ川を囲むように位置するエリアで、グレープフルーツ、パッションフルーツ、メロンなどのトロピカルフルーツのアロマが特徴的。

■Southern Valley
ワイラウエリアの南に位置し、青ピーマン、グリーンオリーブ、グースベリーなどのハーブのアロマが特徴的。

■Awatere Valley
マールボロ地方の中では一番南に位置し、上記2エリアとは少し離れた場所に位置しています。トマトの葉、レモン、カットグラスなどの自然由来のフレッシュなアロマが特徴的。

(気候からみる特徴)

南半球に位置するニュージーランドは他ワイン生産国に比べて紫外線光が3~40%も強いと言われています。この強い紫外線は、たとえ外気温が低い状態でも酸度を保ったままブドウの熟成を助ける働きがあると考えられています。

(他国のソーヴィニヨン・ブランとの比較)

世界で栽培されているソーヴィニヨン・ブランの面積は123,000ha、そのうちの16%を占めるのがマールボロ地方で20,600ha。次いでフランスロワールの10,000haという割合となります。

マールボロ地方と他地方のソーヴィニヨン・ブランの味わいの違いとはなんでしょうか。一般的には、ソーヴィニヨン・ブランの特徴といえば一言で「Grassy=青草さ」と例えられることが多いですが、マールボロ地方のソーヴィニヨン・ブランはGrassyさに加えてパッションフルーツなどのフレッシュなトロピカールフルーツのアロマがバランスよく溶け合っていると言われています。

ここからは、筆者の主観ですが、ニュージランドのソーヴィニヨン・ブランは他国のものと比べてパンチが効き過ぎず程よい上品さを兼ね備えたアロマが魅力的だと思っています。

正直に申し上げますと、数あるブドウ品種の中で「ソーヴィニヨン・ブラン推し」ではない(笑)私も(香り高いアロマに満足してしまい、飲み続けるのには他のワインが好みなんです)マールボロ地方のワインは非常にバランスが取れており食前~食中、もちろんワイン単体でも楽しんでいただけるワインだと感じています。

おすすめ マールボロ地方 ソーヴィニヨン・ブラン3選

さて、たっぷりとNZソーヴィニヨン・ブランについてお話してきましたので、是非とも皆さんに試して頂きたいマールボロ地方のワインをご紹介していきたいと思います!

▶Allan Scott SauvignonBlanc

アラン・スコット氏は1970年代に初めてブドウの苗木がマールボロに植えられた時の栽培チームの一員で、その後もNZワイン産業を牽引した人材ということでエリザベス女王誕生叙勲の栄誉を授与しことでも知られています。 心地よい酸とハーブ、柑橘やパッションフルーツの香りが広がります。

▶Tinpot Hut Marlborough Sauvignon Blanc

リーズナブルな価格でトライして頂ける実力派!ニュージーランド航空機内のワインとしても採用されているTinpot Hut winery。グレープフルーツやパッションフルーツなど明るい果実のアロマとハーブ由来のアロマ。余韻までミネラル感が続くコスパの高いワインです。

▶Villa Maria Estate Sauvignon Blanc Reserve Marlborough Wairau

Villa Maria EstateはNZ国内では3番目に販売シェアをもつリードカンパニー。このソーヴィニヨン・ブランはワイラウヴァレーだけで収穫されたブドウのみを使い造られています。ワイラヴァレー特有の溢れんばかりのトロピカルフルーツの香り、そしてしっかりとボディを感じて頂けるリッチな味わいです。

ソーヴィニヨン・ブランに合わせたいおすすめペアリング

芳醇なアロマと程よい酸を併せ持つ、ソーヴィニヨン・ブランに合わせたいおすすめのメニューを2種ご紹介します。

1)キウイのピクルス

キウイフルーツの大生産地NZならではのアイディア!私はこのキウイのピクルスを食べた瞬間虜になってしまいました。

▼材料(3~4人分)
・キウイフルーツ…4個
・リンゴ酢…大さじ5
・はちみつ…大さじ3
・レモン果汁…1/2個分

▼作り方
① キウイの皮を剥き輪切りにする。
② リンゴ酢、はちみつ、レモン果汁を混ぜ合わせ①のキウイを入れ1日ほど漬ける。

2)パセリたっぷり、白身魚のカルパッチョ

爽やか白ワインと間違いなくマッチするカルパッチョですが、ソーヴィニヨン・ブランに合わせる際はパセリをふんだんにトッピングしましょう!ソーヴィニヨン・ブランのグラッシーさとパセリの香りがもう堪らないペアリングです!

▼材料(2〜3人分)
・白身魚のお刺身…10切れ程度
・パセリ…50g
・オリーブオイル…大さじ4
・ディジョンマスタード…大さじ2
・バルサミコ酢…大さじ2
・塩胡椒…少々

▼作り方
① オリーブオイル、マスタード、バルサミコ酢、塩胡椒を混ぜ合わせる。
② パセリをみじん切りにする。
③ 白身魚のお刺身に①のマリネ液を和えて15分ほど冷蔵庫で寝かせる。
④ パセリを盛り付けて完成。

ニュージランド ソーヴィニヨン・ブランの爽やかなアロマで食卓に爽快な風を吹かせて夏本番もワインを楽しみましょう!

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高橋 宗子

【お家で楽しむワイン提案のワインエキスパート】
ニュージーランドワイン好きが高じて、ワイナリー・ブドウ畑巡りをする為ニュージーランドへ移住。
都内ワインインポーターにて星付きレストランにもワイン紹介をしてきた経験を活かし「お家でも気軽に楽しめるワイン時間」を提案しています。 高橋 宗子の記事一覧 

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