ペアリングワイン

今が旬!鯵を使った料理とワインのペアリング

すっきりとしない天気の日も多くなってきました。雨だと気分も滅入りがちではありますが、そんな時こそ旬の食材とおいしいワインのペアリングを味わい、活力を養ってみてはいかがでしょうか?

この記事では、6月から8月にかけて旬を迎える魚、「鯵(あじ)」を使ったさまざまな料理と、それに合うワインをご紹介します。ぜひ参考にしてください。

鯵のお刺身

新鮮な鯵を手に入れたら、まずはお刺身にしたいという方も多いのではないでしょうか?

お刺身は鯵のプリプリとした弾力と、赤身魚特有の豊かな旨味を最も堪能できる食べ方と言えるでしょう。

そんな鯵のお刺身によく合うワインは、軽めの赤ワインです。「お魚には白ワインじゃないの?」と意外に思われるかもしれませんね。

確かに鯛や平目などの白身魚であれば、白ワインの方がよく合います。一方で、鯵は赤身魚に分類されるため、白身魚に比べて脂肪分が多く、濃厚な味わいのため、白ワインよりも軽めの赤ワインの方が合う傾向にあるのです。

とはいえ、タンニン(渋み)が強くて重厚感のある赤ワインを選ぶと、鯵のお刺身の味わいに完全に勝ってしまうので、あくまでも軽めの赤ワインを選ぶことがポイントとなります。

具体的には、フランスのブルゴーニュ地方で造られるガメイ種のワインや、イタリア北部で造られるバルベーラ種のワイン、フランスやスペイン、イタリアのサルデーニャ島などで造られるグルナッシュ種(ガルナッチャ、カンノナウとも)などのワインを選ぶと良いでしょう。

おすすめの銘柄は、イタリア・サルデーニャ島のテヌータ セッラ&モスカ社が手掛ける『カンノナウ・ディ・サルデーニャ』 。スミレのような香りと、渋みが控えめなエレガントな味わいが特徴で、鯵をはじめとする赤身魚と抜群の相性です。

鯵の南蛮漬け

開いた鯵に軽く片栗粉をまぶして油で揚げて、南蛮酢に漬け込んで作る「鯵の南蛮漬け」。南蛮酢の爽やかな風味が、初夏にピッタリのメニューです。我が家でも小鯵を大量にゲットした時などに作ることがあります。

鯵の南蛮漬けの持ち味といえば、やはり酸味。衣や鯵の身にも南蛮酢が染み込み、爽やかな酸味が味わいの中心に感じられます。そんな鯵の南蛮漬けには、酸味の強いタイプの白ワインを合わせるのがおすすめです。

具体的には、スペインやポルトガルで造られるアルバリーニョ種のワインや、スペインのベルデホ種のワイン、ポルトガルのヴィーニョ・ヴェルデなどのワインなどを選ぶと良いでしょう。

おすすめの銘柄は、スペインのガリシア州のボデガス・ラ・ヴァルが手掛ける『オルバージョ・アルバリーニョ』。ガリシア州の象徴ともいえる霧雨がラベルにあしらわれています。

レモンやハーブ、花などを思わせる清楚な香りに、リッチな果実味と心地よい酸味が特徴で、鯵の南蛮漬けの味わいに寄り添ってくれます。

鯵フライ

開いた鯵に衣をつけて、こんがりときつね色になるまで揚げた「鯵フライ」。子供から大人までファンの多いメニューです。サクッとした衣の食感と、ジューシーな鯵のハーモニーがたまりませんよね。

そんな鯵フライには、衣のサクッとした食感に合わせ、シュワシュワと泡がはじけるスパークリングワインを合わせるのがおすすめです。または、ソースをかけて食べるなら、果実味豊かなまろやかな赤ワインもソースの味わいにマッチします。

具体的には、スペインのカバ(スパークリングワイン)や、ソースをかける場合はチリやアメリカのメルロー種のワインなどを選ぶと良いでしょう。

おすすめの銘柄は、スペインのカタルーニャ州のセレルス・デ・ラルボックが手掛ける『ラルボック1919』

きめの細かい持続性のある泡立ちが、サクサクとした鯵フライの衣の食感を引き立ててくれます。手に取りやすい価格ながら、品質は驚くほど高いコスパ抜群の1本です。

鯵のたたき

鯵のお刺身を細かく切って、刻んだ大葉やネギ、ショウガなどの薬味、醤油やみそなどの調味料と和えた「鯵のたたき」。薬味の風味が食欲をそそり、夏にピッタリのメニューと言えるでしょう。

そんな鯵のたたきには、薬味の風味に合わせ、ハーブのような香りが豊かな白ワインを合わせるのがおすすめです。

具体的には、ニュージーランドやチリなどで造られる、ハーブ香が強めのソーヴィニヨン・ブラン種のワインを合わせると良いでしょう。

おすすめの銘柄は、ニュージーランドのヴィラマリア社が手掛ける『プライベートビン ソーヴィニヨン・ブラン』。ソーヴィニヨン・ブラン種特有のハーブの香りが強く、鯵のたたきの薬味の風味にもマッチします。

まとめ

鯵を使ったさまざまな料理とワインのペアリングについご紹介しました。この時期に旬を迎える鯵。今が一番おいしい時でもあります。ぜひあなたのご家庭でも、鯵を使った料理とワインのペアリングを試してみてはいかがでしょうか?

《関連記事》
お刺身に合うイタリアワイン5選
意外!?カツオのたたきに合う赤ワイン
初夏の魚に合うおすすめワイン
大人の贅沢!ウニとワインの美味しい関係

石関 華子

埼玉県出身、高知県在住。一児の母。
㈱三越(現:㈱三越伊勢丹)日本橋本店の洋酒担当を経て、2016年、日本ソムリエ協会認定ワインエキスパートの資格を取得。 現在は高知県内のワイナリーのアドバイザーやワイン検定の講師を務める一方、ワインに関連する記事やコラム等の執筆も多数手がけています。
2019年、日本ソムリエ協会高知支部副支部長に就任。 石関 華子の記事一覧 

新着口コミ

もっと見る

ワインペアリングを楽しめるお店、レストランを探す

都道府県から探す