ペアリングワイン

夏は目前!暑い日におすすめのワインと冷たい麺料理のペアリング4選

日に日に気温が上がり、蒸し暑くなってきました。このような時期には、ざるそばや冷やし中華などの冷たい麺料理を無性に食べたくなったり、家族からリクエストされたりすることも多いのではないでしょうか?

そこで、この記事では、さまざまな冷たい麺料理とワインのペアリングについてご紹介します。ぜひこれからの季節に取り入れてみてはいかがでしょうか?

冷やし中華(しょうゆダレ)× ポルトガルのヴィーニョ・ヴェルデ

街中の中華料理屋に「冷やし中華はじめました」ののぼりが立ち始めると、初夏の訪れを感じますよね。そんな夏の風物詩とも言える冷やし中華に合うワインが、ポルトガルの「ヴィーニョ・ヴェルデ」と呼ばれる白ワインです。

「ヴィーニョ・ヴェルデ」は、直訳すると「緑のワイン」となりますが、決してワインの色が緑色をしているわけではありません。「ヴェルデ」には「緑色」のほかに「若々しさ」という意味もあり、「ヴィーニョ・ヴェルデ」とは「若いうちに飲むべき爽やかなワイン」ということを表しています。

ヴィーニョ・ヴェルデが造られるのは、ボルトガル北西部、スペインとの国境を流れるミーニョ川一帯に広がる地域。実に2200年以上のワイン造りの歴史のある地域です。

ヴィーニョ・ヴェルデに使用される主なブドウ品種は、アルバリーニョという品種。このほかにも、ローレイロやアリント、アザールなどの品種が使用されることもあります。

黄緑色の色味、フレッシュな香りと味わいが持ち味で、微発泡の軽やかな飲み口が多いものも特徴で、特にしょうゆダレでいただく冷やし中華に絶妙にマッチします。

おすすめの銘柄は『ヴィーニョ・ヴェルデ ヴェルデガ ブランコ』。色鮮やかな鶏のラベルも可愛らしく、爽やかさやフレッシュさが際立っています。

ざるそば(信州そば)× 長野県産メルローのワイン

日本が誇る麺のひとつ、そば。以前から健康食品としても注目を集めていますよね。そんなそばの名産地のひとつとして知られるのが、信州・長野県です。そして、長野県といえば、ワイン造りも盛んな県。「同じ産地の食材と料理は相性がいい」というセオリーの通り、信州そばのざるそばに、長野県産のメルローから造られた赤ワインが相性抜群です。

メルローとはフランスのボルドー原産の赤ワイン用のブドウ品種ですが、長野県は良質なメルローの産地として国際的にも高い評価を受けています。長野県のメルローのワインは、なめらかな口当たりとふくよかな果実味、豊かなボディ感が特徴です。そして、そばやめんつゆの香ばしく奥ゆかしい風味にもマッチし、その風味を一層引き立ててくれます。

おすすめの銘柄は『五一わいん エステートゴイチ メルロ』。自社農場のメルローのみを使用し、フレンチオーク樽で熟成。カシスやブラックベリーが豊かに香る、本格的な味わいが楽しめます。

トマトとバジルの冷製パスタ × イタリアのプロセッコ

夏にピッタリの冷製パスタ。ゆでた細麺のパスタを氷水にくぐらせ、オリーブオイルに塩こしょう、刻んだトマトやバジルをあえるだけという手軽さや、お好みでモッツァレラチーズやツナを加えるなど、好みに合わせてアレンジがきくのも魅力的ですね。

そんな冷製パスタにピッタリのワインが、イタリア北東部のヴェネト州で造られるスパークリングワイン、プロセッコです。プロセッコは主にグレラという品種のブドウを使用し、タンク内で二次発酵をする「シャルマ方式」という製法で造られるスパークリングワインで、フレッシュかつフルーティーな風味が持ち味です。

そんなプロセッコが、あっさりとした風味の冷製パスタとマッチし、相乗効果によって双方の味わいがより一層引き立ちます。まさに夏の夜の定番にしたいペアリングと言えるでしょう。

おすすめの銘柄は『ゾーニン プロセッコ』。イタリア最大級のスパークリングワインメーカーであるゾーニンが手掛けるプロセッコで、爽やかな風味のなかにもアーモンドのような香ばしさが感じられ、奥行きのある味わいが楽しめます。

冷やしうどん × ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブラン

うどんもそばと双璧をなす、日本人に馴染み深い麺のひとつです。刻みねぎをたっぷりかけて、すだちの汁を搾った冷やしうどんは、暑い日にはたまりません。とろろや温泉卵、お肉や天ぷらなど、好みのものをトッピングできるのも魅力ですよね。

そんな冷やしうどんにピッタリのワインが、ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランから造られたワインです。ソーヴィニヨン・ブランのワインの特徴的な香りは、爽やかな柑橘類を思わせる香りに、ディルやタイムなどのハーブ類や芝生などの「グリーン」を思わせる香り。

ソーヴィニヨン・ブランのワインはさまざまな国で造られていますが、ニュージーランドのものは、この特徴的な香りが特に顕著に感じられます。そして、その柑橘類の香りがすだちの、グリーンの香りが刻みねぎの香りと相まってうどんの味わいのアクセントとなり、より豊かな味わいが楽しめるようになるのです。

おすすめの銘柄は『ブランコット・エステート クラシック ソーヴィニヨン・ブラン』。芳醇な香りに、凝縮感のある果実味と生き生きとした酸味のバランスのよい味わいが楽しめます。

まとめ

さまざまな冷たい麺料理とワインのペアリングをご紹介しました。

これからの季節にピッタリなものばかりですので、ぜひ皆さんもご自宅で試してみてはいかがでしょうか?

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石関 華子

埼玉県出身、高知県在住。一児の母。
㈱三越(現:㈱三越伊勢丹)日本橋本店の洋酒担当を経て、2016年、日本ソムリエ協会認定ワインエキスパートの資格を取得。 現在は高知県内のワイナリーのアドバイザーやワイン検定の講師を務める一方、ワインに関連する記事やコラム等の執筆も多数手がけています。
2019年、日本ソムリエ協会高知支部副支部長に就任。 石関 華子の記事一覧 

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