ペアリングワイン

イタリア人のデイリー、ウィークリー、マンスリーのワインペアリング

イタリア人にとって、食事をしながらワインを飲むことは、毎日の習慣であると同時に、特別なことにもなりえる事柄です。忙しい平日、ゆっくりする週末、特別な日、それぞれのシーンにそれぞれのペアリングがあります。

今回は、イタリア人のデイリー、ウィークリー、マンスリーのペアリングをご紹介します。

デイリーのペアリング

忙しい平日の夕食は、パスタ料理1品で済ませてしまうことも多いイタリア人。太陽に恵まれたイタリアでは、たくさんの野菜が採れ、イタリア人も野菜が大好き。

野菜たっぷりのパスタ料理は、毎日食べるポピュラーなメニューです。特に、季節の野菜を取り入れたものが好まれます。毎日飲むワインは、軽やかなワインが定番です。デイリーな食事に合わせやすく、飲み疲れしません。

春は、なんといってもグリーンアスパラガスのパスタとソーヴィニョン・ブランのペアリング。アスパラガスは、イースターの時期に出回り、春の訪れを象徴する野菜です。テーブルを彩ってくれる緑色に、春の喜びを感じます。日本でいうと、フキやタケノコのような存在でしょう。パスタの具にも最適で、家庭でもレストランでも非常に人気があります。

アスパラガスの独特の苦みと甘みが、ソーヴィニョン・ブランのハーブ系の香りとぴったりとマッチ。ソーヴィニョン・ブランはフランスの品種ですが、北イタリア、特にトレンティーノ・アルトアディジェ州のソーヴィニョン・ブランは定評があります。

「カンティーナ・ラヴィス」のソーヴィニョン・ブランは、ふんだんなミネラルが感じられ、酸味が食事を進めてくれるフードフレンドリーなワインです。

【アスパラガスのパスタのレシピ】

▼材料(2人分)
スパゲッティ…180g
アスパラガス…200g
オリーブオイル…大さじ3
玉ねぎ…半分
タイム…適量
水…カップ1
塩、胡椒…適量
パルミジャーノ…適量

▼作り方
①アスパラガスの茎の固い部分を切り落とす。茎の柔らかい部分を細かく切る。先の部分はまるごと残しておく。玉ねぎはフードプロセッサーで細かくする。

②フライパンにオリーブオイルを熱して、玉ねぎと細かく切ったアスパラガス、タイムを入れて、中火で約1分炒める。

③そこに水を入れ、蓋をして約10分中火で煮詰める。アスパラガスがやわらかくなってきたら、フォークでつぶして、全体がクリーミーなソースになるようにする。最後の1分で、アスパラガスの先の部分を加える。

④アスパラガスを調理している間に、パスタを茹でる。

⑤パスタを③に入れて、よく混ぜる。

⑥皿に盛りつけて、パルミジャーノをかけて出来上がり。

ウィークリーのペアリング

週末は、デイリーのワインとは違うワインを開けて、ゆっくり食事の時間を楽しみます。ワンプレートだけだった平日の食事も、週末になると前菜が加わって、コースで食べます。その分、食事の時間も長くなり、家族でゆったりと会話をしながら過ごします。

みんなが大好きな前菜は、パテ。特に、鶏レバーペーストのパテは、おつまみ感覚で食べることができるので人気です。塩味、苦味、酸味、スパイスの味があるので、それらを包み込んでくれるまろやかであまやかなメルローが相性抜群です。スーパータスカンを生み出すボルゲリ地区の周辺にある「ペトラ」の「クエルチェゴッベ」は、なめらかなタンニンがあり、やわらかな味わいです。

【レバーペーストのレシピ】

▼材料(4人分)
鶏レバー…300g
玉ねぎ…1/2個
オリーブオイル…大さじ2
アンチョビ…2枚
ケイパー…大さじ1
セージ…5枚くらい
白ワイン…1/2カップ
塩、胡椒…適量
お好みのパン

▼作り方
①レバーをよく洗う。脂、スジ、血を取り除く。
②鍋にオリーブオイルを入れ、みじん切りにした玉ねぎを中火で炒める。
③レバーとセージ入れて、さらに炒める。
④ワインを入れて、約15分煮詰める。塩胡椒をする。
⑤火を止める直前に、細かく切ったアンチョビとケイパーを入れる。
⑥ブレンダーで撹拌する。
⑦パンの上にのせて出来上がり。

マンスリーのペアリング

腕によりをかけた料理で親友をおもてなしするときは、とっておきのワインを開けます。いつもより贅沢なペアリングで特別なひと時を過ごすのは、招かれる側もホスト側もわくわくします。

スペシャルなペアリングは、トリュフ風味の牛肉と、アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ。絶品料理と極上のワインのペアリングはまさに幸せの時間。気のおけない友人と、いろんな話をしながら、夜がふけていきます。

「ウゴリーニ」の「アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ」は、ビロードのようになめらかで、香り高く妖艶。味わい深い牛肉料理と一緒にぜひ堪能してみてください。

【牛肉のトリュフ風味ローストのレシピ】

▼材料(4人分)
牛肉塊(ロースまたは肩)…600g
ベーコン…50g
オリーブオイル…大さじ2
バター…大さじ1
トリュフペースト…適量
塩、胡椒 適量

▼作り方
①肉に切り込みを入れ、切り込みの中に、塩胡椒をし、ベーコン、トリュフを入れる。
②肉の形が崩れないように、調理用糸で肉を縛る。
③鍋にオイルとバターを熱し、中火で肉に焼き色を付ける。
④蓋をして、弱火で約20分蒸し焼きにする。焦げそうになったらお湯を少し加える。(焼き時間は、肉の厚さと好みによって調整する) ⑤火を止めて、約10分そのまま置いておく。
⑥糸を取り、肉を切って出来上がり。

太田 由歌

イタリア在住ワインコーディネーター
2003年にフィレンツェに料理&ワイン留学。
2004年よりフィレンツェ在住。イタリアソムリエ協会ソムリエ資格保持。
トスカーナのワイナリーツアーを企画・主宰し、通訳案内もしている。
1日の終わりに、手作り料理とワインをペアリングすることが何よりの楽しみ。
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